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小泉さんからの「郵政解散」メールへのコメント
http://www.asyura2.com/0505/senkyo11/msg/335.html
投稿者 縄文人 日時 2005 年 8 月 11 日 10:18:24: bfek92EqWeCqg
 

いつものメッセージ(メルマガ)が、小泉さんから届きました。
タイトルはずばり「郵政解散」です。
それを読みながら、またコメントしてみます。

http://www.creative.co.jp/top/main2736.html
(以下、★の後にぼくのコメントを書きます。
 ●以下は、小泉さんのメッセージです)

 **************************

[らいおんはーと 〜 小泉総理のメッセージ]

● 郵政解散

 小泉純一郎です。

 8月8日、衆議院を解散いたしました。小泉内閣の「改革の本丸」と位置づけてきた郵政民営化法案が参議院本会議で否決され、廃案となりましたが、私は本当に国民の皆さんがこの郵政民営化は必要ないと思っているのか、直接聞いてみなければならないと思い、衆議院を解散しました。

★この書き出しから、小泉さんには錯覚誤解と詭弁があります。
ここで「郵政民営化は必要ないと思っているのか」と言っていますが、
これは「郵政民営化」じゃなく「議会に提出した郵政民営化法案」とすべきです。
というのも、参議院で否決されたのは、
「郵政民営化」じゃなく「議会に提出した郵政民営化法案」だからです。
否決されたその理由は、法案の内容に納得がいかなかったというものでしょう。
もちろん「郵政民営化」そのものに反対する政党もありますが、
自民党議員で反対した議員は、その多くが法案の中身と、
小泉首相の強引で独裁的な進め方、やり方を危惧していました。
つまり、彼らは「郵政民営化」そのものに反対だったということではありません。


●いわば、今回の解散は「郵政解散」です。郵政民営化に賛成してくれるのか、反対なのか、これをはっきりと国民の皆さんに問いたいと思います。

★そしてここから、小泉特有の二者択一的な単純化が始まります。
このように問われれば、多くの人々には
「民営化→構造改革→小さな政府」
というイメージが広がり、そのとたん、金縛りに遭います。
そのキーワードたる「民営化」を拒否すれば、
「役人天国→大きな政府」という、隠されたマイナスイメージにくみする者
という烙印が押されるような錯覚にとらわれるからです。

そうすることが小泉首相の戦略であり、ここに巧妙な仕掛けがあります。
もしもこの作戦の戦場に有権者を追い込むことができたとしたら、
「自民公認」の候補者と公明党だけが「郵政民営化賛成」であり、
その他の政党と、自民公認が得られずに「無所属」で立候補した人は、
「郵政民営化反対」という立場に必然的に追いやられます。
その上で、
「郵政民営化に賛成してくれるのか、反対なのか」と問うのですから、
これはまさに壮大な「詭弁的な選挙ステージ」ということができるでしょう。
要するに、
「郵政民営化に賛成」の国民は「自民公認」ないしは「公明党」に投票を!
「郵政民営化に反対」の国民は、勝手に「その他」の候補者に投票を!
というわけです。
ここで問題なのは、繰り返すようですが、
「郵政民営化」の正否を問うというのは明らかな詭弁であって、
実際には、「議会に提出した郵政民営化法案」の正否を問うことなのです。


●今まで、すべての政党が郵政民営化に反対してきました。なぜ「民間にできることは民間に」と言いながら、この郵政三事業だけは民営化してはならないと言うのか?私はこれが不思議でなりません。

★なぜ、小泉さんがそこまで郵政民営化にこだわるのか、ぼくにはこれが不思議でなりません<笑>。
もっともそこには深い意味があり、やや過激な見方と言われるかもしれませんが、
以下のような背景があることもまた事実です。
小泉首相はなぜ「郵政民営化」にこだわるのか?(1)
http://www.creative.co.jp/top/main2732.html
小泉首相はなぜ「郵政民営化」にこだわるのか?(2)
http://www.creative.co.jp/top/main2733.html

そしてこのことは、憲法の精神を破ってすらブッシュ&その背後勢力の力に屈し、
イラクに自衛隊を派遣した事実を見れば「さもありなん」と思います。
しかしこうした動きは、不思議でならないだけでなく、非常に危険な動きだったと思います。

●郵便局の仕事は本当に公務員でなければできないのか?役人でなければできないのか?私はそうは思いません。「大事な仕事だから公務員でなければだめだ。」と言う人がいますが、それこそまさに官尊民卑の思想です。それは民間人に失礼だと思います。

★これに関しては異論がありません。
ただ、民間企業ではあくまでも利益が優先されますから、利益の出ないものはあっさりと切り捨てます。
そうしなければ存続が危うくなってくるからです。
ちなみに日本の林業は、利益が出ないからといって山を放置し、
その結果日本の森林が危うくなってきました。
しかし山は単なるお金を生み出すだけではなく、それ以上に有益で重要な役割を果たしています。
その山や自然を守るには、利益が出なければやっていけない民間企業では無理な話です。
世の中にはそういった種類の仕事もあることを、
小泉さんは「民営化賛美・民営化の絶対化」だけではなく、知っておく必要があると思います。
小泉さんは「官尊民卑の思想」と言いますが、
逆に「民営化絶対化」の思想に縛られているのではないでしょうか。


●郵便局の仕事は民間の経営者に任せても十分できる、むしろ、民間人によってこの郵便局のサービスを提供していただければ、今よりももっと多様なサービスが展開できる、国民の利便性を向上させる。民間の経営者は、国がこういう商品を出しなさい、こういうサービスをやりなさいと義務づけなくても、国民に必要な商品やサービスを展開してくれると思います。

★さて、どうでしょうか。
小泉さんは「国民に必要な商品やサービスを展開してくれると思います」と言いますが、
「思う」だけでは担保とはなりません。
新しい便利なサービスを展開するのはあくまでもそこに利益が見込まれるからで、
民間企業は大変な損を抱えてまでサービスを維持するようなことはしません。
その証拠に、JR西日本の列車事故は、安全よりも利益優先の姿勢から起こったものでした。
「安全」こそサービスの基本なのに、民営化されたJRは、やがて利益追求に走っていったのです。
この事実を考えても、
「国民に必要な商品やサービスを展開してくれるはず」と「思う」のは勝手な想像です。
そのことに不安を感じたからこそ、自民党議員の中に
法案の内容に危惧と不安を感じて「反対」する者が出たのではなかったでしょうか。

それからもう一つ、ぼくはコンビニが日本全国に展開されているものとばかり思っていましたが、
田舎に帰ったとき、ほとんどお目にかかれなかったことに驚いてしまいました。
ちなみに札幌では、すぐ近くにたくさんのコンビニがあります。
こんなにいっぱいあってよく維持できているののだと思うくらいです。
しかし札幌は180万都市ですから、これだけたくさんあってもそれなりのお客様がいて、
ちゃんと経営が成り立っているのでしょう。
しかし田舎では全く見かけませんでした。もちろんスーパーなどはあるのですが、
人口密度の薄い田舎ではコンビニの経営は成り立たないようです。
あるいは今後出店があるのかもしれませんが、
現時点でないということは、やっても利益にならないという判断があるのでしょう。
しかしそんなところにも、郵便局だけはしっかりとありました。

さらにぼく自身、発送業務に民間のS便を使っているのですが、
その理由は、荷物を取りに来てくれることと安いことです。
値段に関してはY便よりもS便が安いとあって、こちらを選びました。
しかしそれも「宅配便」に限ってのことで、「メール便」となると事情が全く違ってきます。
集荷をお願いしてもメール便と言うと来てくれないことが多く、しかも届かないことも多々ありました。
無事に届いたとしても1週間から2週間ほどかかってしまいます。
これに対して「Y便は大丈夫」と人に言われたのでしたが、値段を考えるとかなりの割高です。
で、結局いまは、メール便や冊子小包に関しては郵便局に持ち運んで送っています。
問題は、なぜS便のメール便が不確かで信頼性が置けないのかと言うと、
その理由は「安くて利益にならない」からでしょう。
こういった問題がいま現実にあります。
だから小泉さんが言う
「民間企業なら国民に必要な商品やサービスを展開してくれるはず」と「思う」のは
勝手な期待にして希望的観測であって、
いつのまにかサービスが低下し、サービスが消えてしまっていたということにもなりかねません。
そして郵便事業に関しては、それが大いにありうるのです。


●私は、「この郵政民営化よりももっと大事なことがある。」と言う人がたくさんいることも知っています。しかし、この郵政事業を民営化できないでどんな大改革ができるというんでしょうか。私は、前々からこう言っているんです。「行財政改革をせよといいながら郵政民営化に反対することは、『手足をしばって泳げ』と言うようなものだ。」と。

★もうすでに昨日のトピックスにも書きましたが、
もうひとつの公約であった「国債発行額30兆円枠の死守」をやり遂げるべきです。
収入(税収)もないのに大型予算を組み、
そのために国債という借金を続けていくというのはとんでもないことです。
若い世代はそのことのひどさを直感的に知っているのではないでしょうか。
このままなら若い世代に希望はありません。
未来に希望が抱けないような社会は、政治としては失格です。
小泉さんは、まずこの重大な公約をこそ実現すべきです。
「公約」をしていながら平気でそれを破り、
「そんなのは大したことじゃない」
という神経には驚きと失望を禁じえません。
「行財政改革」を本当にしたいと思うのなら、まず「借金(国債発行)行政」にピリオドを打つべきです。
財源がなければ、無駄を省くしかなくなります。
その意味では逆説的ながら、国債発行額を制限して『手足をしばって』こそ、
本当の「行財政改革」が可能になるのではないでしょうか。
家計だって、使えるお金がなければむだを省いて倹約をします。
収入がないのに借金して贅沢を続けていけば、いずれは破綻しなければなりません。
こんな簡単なことがどうして理解できないのでしょうか。
小泉政権に必要なことは、「借金(国債発行)財政」をどこまでも続けていかないこと。
それがいま急いで妥協の産物のひどい内容の郵政民営化法案をごり押しして通すことよりも
はるかに重要なことなのです。

●本当に行政改革、財政改革をやるんだったら、郵政民営化の実現なしには進められません。郵政三事業には約38万人の公務員が携わっている。私は、これを民間人に開放するべきだと言っているんです。私は、郵便局は国民の資産だと思っています。過疎地の郵便局もなくなりません。今の郵政三事業のサービスは、民間人に任せても、地方においても、過疎地においても維持される、十分にできます、ということを言っているんです。

★ここには大いなる論理矛盾があります。
一言で言えば、それは、
あれもこれもと担保した結果、「妥協の産物」となってしまっていることです。
下手をすれば、民営化とは言いながら、実際的にはそれこそ手足を縛っています。
こういうのはたぶん世界のどこを見ても存在していないでしょう。
郵政民営化に走るあまりにできあがったこの「妥協の産物」、
その未来は限りなく不透明なものになってしまっています。
こんな内容で、本当に本来の「民営化」のメリットが出てくるのでしょうか。
大いに疑問です。


●約400年前、ガリレオ・ガリレイは、天動説の中で地球は動くという地動説を発表して、有罪判決を受けました。そのとき、ガリレオは、「それでも地球は動く。」と言ったそうです。
 今、国会では「郵政民営化は必要ない。」という結論を出しました。「それでも郵政民営化は必要だ。」と私は思います。私はもう一度国民の皆さんに聞いてみたいと思います。本当に郵便局の仕事は公務員でなければできないのか、民間人でやってはいけないのかと。

★ガリレオが言ったのは物理学的な真実です。
それを政治的な郵政民営化にあてはめるのは、
それこそ小泉さん特有の「詭弁」以外のなにものでもありません。
でも、こうしたレトリックは、多くの国民に錯覚を与えるのでしょうね。
「小泉さんは21世紀のガリレオである」と<笑>。
いやはや、もう言葉もなくなってしまいます。

●そして、郵政民営化についての国民の皆さんの支持を得て、衆議院で過半数の勢力を得ることができれば、参議院の反対した皆さんも協力してくれると思います。選挙終了後国会を開いて、郵政民営化の法案を成立させるように努力していきたいと思います。

★ここでようやく
「郵政民営化の法案を成立させるように努力していきたい」という言葉が出てきましたね。
これまではずっと一貫して「郵政民営化」という表現に終始してきました。
もしも「郵政民営化の法案」ということだったら、その内容を十分に知らしめることが先決で、
そのためには議会を延長して議論し合うという手がありましたし、
それこそ総選挙ではなくて、まずは「国民投票」をやってみるという手もあったはずです。
しかし小泉さんは他の選択肢をすべて排除し、強引に今回の参議院で決めようとしました。
そのあわてぶりにやっぱり妙なものを感じてしまうんです。
郵政はすでに「公社化」され、あと2年後には見直しの時期がきます。
そこまで待って再検討するということこそがまっとうな手続きだと思いますが、
しかしそこまでは待てないという。
要するに、自分が総理をしている間に、郵政民営化を決めてしまいたかったのでしょうね。
それは、ブッシュに対するポイント稼ぎにもなりますからね。
それにしても小泉さんは、「自分の任期中に消費税のアップはしない」と公言し、
その一方でいわゆる「サラリーマン増税」を着々と進めてきました。
そして「自分の任期中に絶対郵政民営化法案を通す」と言う。
都合のいいものだけ強引にやり、都合の悪いものは後回しにする。
こんな総理で、本当にいいのでしょうか。
まさにこのことこそが今回の総選挙の争点というべきでしょう。

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