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大フィーバーから4年、小泉首相の第一声を聞きに行く─「毎日新聞」
http://www.asyura2.com/0505/senkyo12/msg/1033.html
投稿者 天木ファン 日時 2005 年 8 月 31 日 18:18:41: 2nLReFHhGZ7P6
 

特集WORLD:大フィーバーから4年、小泉首相の第一声を聞きに行く
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/05shuinsen/news/20050831dde012010009000c.html

 まるで4年前の参院選を思わせるほどの熱気だ、と小泉純一郎首相、まんざらでもないらしい。本当だろうか? 衆院選が公示された30日、その第一声を聞きに行った。【鈴木琢磨】

 新聞記者とて、番記者でもない限り、現首相にそう会えるわけじゃない。ナマ小泉は久しぶり。

 午前10時、東京・吉祥寺。首尾よく、わが勝手知ったるJR中央線沿線エリアにお出ましの小泉さん、ボタンダウンのピンクのシャツに綿パン姿で、北口一帯を埋めた聴衆に手を振り、選挙カーの上へと駆け上った。傍らの山本一太参院議員がリングアナウンサー調で、こう紹介した。「平成の戦国武将、小泉純一郎総裁です!」

 ●笑っていいとも

 で、その第一声は、と耳をそばだてていると、意外にもテンション低く「小泉純一郎です」。そして一拍おいて「おはようございます」。すると若い女性がすかさず黄色い声で「おはよーございまぁーす」。うん? どこかで聞いたぞ。そうそう、お昼のテレビ番組「笑っていいとも!」のタモリさん、テレフォンショッキングでの客席とのやりとりにそっくり。

 手なれた感じで聴衆をつかんだと思えば、たちまち本題「郵政民営化」の巻に入り、小泉さんのテンションはいよいよ高くなる。ライオンヘアをなびかせ、歌舞伎役者よろしく選挙カー上の舞台を、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり、はたまたビルを見上げて、叫ぶ。「どーして、これが大した改革じゃないんですか!」。「どーして」で声がひっくり返る。

 ●消えた純ちゃん人形

 だが、どーしてか、聴衆からの拍手はまばら。どっとこない。

 思い出すのは01年7月12日の参院選の公示日である。あの朝も小泉さんの第一声を聞きに東京・有楽町マリオン前にでかけた。支援者はみな小泉Tシャツに小泉バッジ、にわか小泉ファンは携帯電話のストラップに純ちゃん人形をぶらさげていた。「あすをよくしていこうとする米百俵の精神をもって……、改革なくして成長なし!」。その絶叫に圧倒され、日本列島は小泉フィーバーにわいた。

 あれから4年、いろんなことがあった。この日本にも、一人一人にも。なるほど駅頭を埋め尽くす人気は相変わらず、熱烈ファンは「頑張って」うちわを手にしていたが、あれほどあふれていた小泉グッズは消え、どこか冷めた空気も漂っている。むろんそれは有権者の成熟でもあるけれど。前日の党首公開討論会後、色紙にしたためた言葉は「立炎天下」。いざ出陣の武者ぶるいだろうが、ちょっと自己陶酔気味。「予告編をさんざん見せられてきたからなあ」。郵政民営化一本やりの演説を聞き、つぶやくおじさんもいた。

 ●堅き金剛石

 されど、小泉さんはおかまいなし。不思議といえば、不思議である。ジャーナリスト、松田賢弥さんの「無情の宰相 小泉純一郎」(講談社)を読んでいて、小泉さんの慶応大3年のときの文が引用されているのが目を引いた。タイトルは織田信長が口にした「死のうは一定(いちじょう)!」。そこに一編の詩があった。大好きな詩として。

 われは堅き金剛石/つちによりても、のみによりても/折るることなし。/打て、打て、打て、われを/されどわれは死なじ。

 出典などは不詳だったが、気になって調べてみると、16世紀のフランス詩人、アントワーヌ・ド・バイーフの詩のようであった。宗教対立であるユグノー戦争を背景にして書かれたものらしいが、それはともかく、小泉さんはいまなお、若き慶応ボーイ時代に愛唱した、このいかにもストレートで激烈な詩をひそかな心の支えにしているのではないか。そう思った。

 ◇冷めた空気も

 さて、吉祥寺は独り舞台の小泉劇場である。選挙カーの上から小泉さん、ぐるっとあたりを見渡した。残暑の中、背広にネクタイを締め、汗だくで警備にあたっている警官の労をねぎらって、こう続けた。「私はノーネクタイ、クールビズです」。何を言い出すのやらと聞いていると、郵便局で働く公務員の数は警官の数よりも多い、そして自衛官、さらには外務省職員の数よりもはるかに多いんだ、と。あー、やっぱりその結論は「郵政民営化」なのだった。

 ●コイズミワールド

 人だかりのなかで米誌の記者がじっと耳を傾けていた。どうでした、小泉さんの演説の印象は?

 「うまいですよ、小泉さん。党首討論会なんかより、聴衆を前に訴えると、ずっと彼はパワーが出る。はじめのうちはそれほどでもなかったですが、だんだんコイズミワールドに引き込んでいく。マジックなのかなあ? でも、自衛官との数の比較なんか初めて知りました。よく勉強してますよ」

 そんな小泉さんの演説のヒミツについて、4年前、首相秘書官の飯島勲さんはこう言っていた。

 「たとえ15分でも20分でもピシッとやれる。昔の政談演説会の蓄積だね。対立候補がゲタをガラガラ鳴らして妨害したり、突然、席を立って嫌がらせしても、動じることなく、自分の公約、政策を発表するわけだからね。いまの政治家の8割以上は、そんな経験ないよ」

 そうかもしれない。名演説とまではいかないが、たしかに耳には残る。郵政、郵政、郵政……。わかりやすいといえば、わかりやすい。でも、この先、予測不能の事態も起きるだろう。そのとき、この国のカジとりを誰に任せるのかも問われているのである。演説を終えた小泉さん、さっそうと胸を張って黒塗りの車に乗り込み、次なる遊説先へ。この1日だけで都内、神奈川県内の計8カ所も回った。

 近くの井の頭公園では夏を惜しんでセミが鳴いていた。ミーン、ミーン、ミーンが、民、民、民と聞こえた。空耳だろうけれど。

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