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どんなに政治的危機感を持とうとも、開かれた党首討論会を主張するのが全体主義を嫌う人の立場 [南青山さんへ]
http://www.asyura2.com/0505/senkyo12/msg/681.html
投稿者 あっしら 日時 2005 年 8 月 28 日 03:48:53: Mo7ApAlflbQ6s
 


ワヤクチャさんが立てたスレッド『首相は逃げた−民主 党首一騎打ちで対立続く』( http://www.asyura2.com/0505/senkyo12/msg/553.html )の続きです。

これまでのやり取りの経緯は以下の通りです。

あっしら:『どうして自民党と民主党だけの党首討論なのか:総選挙が自民党か民主党かの選択であるかのような動きは異様』
http://www.asyura2.com/0505/senkyo12/msg/574.html

南青山さん:『Re: あっしらさんにしてはあまりにもまともなご意見。』
http://www.asyura2.com/0505/senkyo12/msg/586.html

あっしら:『南青山さんの論は“ファシズムの匂い”とは無縁と言えるのでしょうか?』
http://www.asyura2.com/0505/senkyo12/msg/605.html


南青山さん:『Re: 今回の選挙は、小泉自公政権を倒す、あるいは勢力をそぐための戦い』
http://www.asyura2.com/0505/senkyo12/msg/637.html

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私は、党首討論会について、民主党と自民党の2党のみのかたちではなく、政党要件を満たす全政党が参加する形式でテーマ別にたっぷり時間をとって行うべきだと主張しています。

そして、ある政治目標を達成する手段として、党首討論会を限定した政党という狭いものにする考え方は“ファシズムの匂い”と無縁ではなかろうと考えています。

党首討論会の在り方をめぐる南青山さんとのやり取りの続きです。

>しかし、現状では、すでに事実上「自民党と民主党しか選択肢がない」状況です(他
>に政権選択の選択肢がありますか?)。

最初のレスで「総選挙後の政権が自民党もしくは民主党が主力のものになることは認めるが、過半数を獲得する政党(現在の自公連立も含めて)が出現しないなかで新たな連立が組まれる可能性もある」と書いたように、そんな単純で狭い選択肢しかないわけではありません。


>そして、このままでは小泉主導の自民党が過半数を超える可能性がある。
>小生は、現在の日本を取り巻く状況のもとで、小泉自公政権が大きな力を得ることの
>ほうが、害が多いと考えます。


そのために、他の政党を締め出しての自民党と民主党による党首討論を追及することは、南青山さんが言われる“ファシズムの匂い”と無縁ではない考え方ではないかと疑義を呈しているのです。

投票権者に自民党と民主党のいずれかを選択するのが今回の総選挙というような雰囲気をつくるのは、国民をある狭い範囲の方向に誘導することになると申し上げています。

小泉自民党が、民主党以外の政党も参加することで党首討論の方向性や非難対象が拡散し、自分に有利になると考えていることはわかっています。

だからと言って、そうなってしまうのは民主党を含めた野党の問題であり、討論形式の問題ではありません。

民主党が政権をめざしているのなら、党首討論がそのような不様な結果にならないような共同戦線を構築しなければならないのであり、それをしないまま他の“弱小政党”を排除して二者択一を醸す党首討論形式を追求するというのは政治主義でしかないと考えています。


>あっしらさんの議論が原理主義的だと思うのは、すでに「新自由主義・市場原理的思
>潮のなかでの選択しかないような雰囲気」ができているのに、それ以外の選択肢が今
>回の選挙でもあるような議論を展開していることです。
>「新自由主義・市場原理的思潮を前提に政策を選択しなければならないように思わせ
>る動きに賛同することはできない」として、ほかにどのような選択肢がありますか。


少数派とは言え、それ以外の選択肢に望みを託す人たちもいるからこそ、国会の議席配分が現在のようになっているのではないですか?

今日の弱小政党ないしその政策が、5年後も弱小政党であったり少数派の政策であり続けるという“保証”はありません。

しかし、南青山さん的政治活動条件(二大政党のみ党首討論会)を推し進めていけば、弱小政党は社会情勢の急激な変動がない限り、支持をなかなか拡大することはできません。
南青山さんの論は、現在弱小である政党はそのまま弱小であり続けることを強いるようなものではないのですか?

党首討論会という場を通じて支持が大きく変動することはないと思っていますが、一人でも「あの政党の主張のほうがまともだ」と判断を変える機会があることは重要だと思っています。

「ほかにどのような選択肢がありますか」という質問ですが、共産党なら政権を獲得できるだけの候補者を立てるようですし、社民党・国民新党・新党日本の候補者数でも当選者数によっては自公連立を過半数割れに追い込むことができます。

そんなお気持ちはないとは思いますが、ここで書かれている南青山さんの論を突き詰めると、新自由主義・市場原理的思潮に立っていない政党は、“非合法”とまでは言わないまでも、ただでさえ少ない投票権者に主張を訴える機会を失わせてもいいということになってしまいます。


>社民党や共産党に入れるというのは、自民党、民主党が過半数を取れない(可能性が
>非常に高い)という状況でのみ意味を持つと思います。

そんなことはないでしょう。両党が比例区で一人も多く当選して、自民党も民主党も過半数を取れないという結果を生み出すことも大きな政治的意味があります。

それはともかく、自民党、民主党が過半数を取れない(可能性が非常に高い)という状況でのみ意味を持つから、ただでさえ一般メディアで報じられ機会がないそれらの政党から訴求の場を奪っていいとも言えないはずです。


>小生は選挙については、現実主義的態度を取ります。
>現状では、小泉自公政権がさらに強力な基盤のもとで継続することに非常な危機感を
>抱いています。
>「「小泉自公政権」の手法や態度に近い」戦術をとることに違和感を覚えません。


南青山さんは、南青山さん自身の現実主義的判断で投票行動をすればいいのです。

しかし、他の有権者が選択肢を知る機会を減少させるような動きを是認することはおかしいのではないですか?


>>それほど愚かではない官僚や米国支配層は、あるべき日本に向かう道を微妙にルー
>>トが違う“複線”で用意しているかもしれませんよ。

>よくわからないので、具体的な事例をお示しください。


戦後日本で培われてきた既得権益を保持する人たちを主要な支持者としてきた自民党が現在のような思潮・政策に転化した最大の要因は、理念主義的とも言える新自由主義・市場原理を打ち出す民主党が勢力を増大してきたことにあると思っています。

「改革」を旗印にしたり小泉氏を総理・総裁に据えたのも、自己が責任を負う「デフレ不況」下の選挙で民主党に対抗するための術数だと思っています。(自己保身のためのであるそれに自民党の政治家自身が振り回されているのが今回の騒動だとも言えます)
民主党が打ち出した政策を巧妙に換骨奪胎した政策を小泉氏に叫ばせることで、政権が民主党に奪われるのを阻止してきました。

小選挙区を主体とした選挙制度を導入し、自民党を離脱した政治家たちが野党を再編していくなかで、日本が進むべき道は新自由主義・市場原理をより深化させる方向しかないというムードが醸成されてきました。

また、公明党との連立と選挙協力がなければ政権が維持できない状況になったことで、公明党の主張もある程度取り入れざるを得なくなっています。
今回の「郵政問題」は、小泉氏と公明党のタッグでことが進んでいるようにも見えます。

この10年間の変動で、政権がとれそうなどの政党が多数派になっても、新自由主義・市場原理の道から外れることがないかのような状況が生まれています。

自民党は民主党に対抗するために新自由主義・市場原理的政策を強め、民主党はそれを受けてさらに理念主義的な新自由主義・市場原理的政策を打ち出すという「永久機関」的政治状況になっています。

このような政治状況だからこそ、そのような枠組みを壊す政治運動が重要であり、奇妙な枠組みを壊すための政治運動として貴重でかつ希少な場である党首討論が用意されなければならないと思っています。


>なお、小生は民主党を支持していません(これはあっしらさんの邪推です)。

邪推もなにも、南青山さんが民主党を支持しているという前提で書いた部分はまったくありません。

一般的な民主主義的選挙における党首討論会の在り方や日本の政治情勢の話を書いたものです。

>あっしらさんは「小泉氏的政治手法」と限定を付けていますが、たしかに「手法」だ
>けを見ればファシズムではないでしょうが、小泉の心的傾向、彼を取り巻く有象無象、
>そしてアメリカ勢力の周辺にはファシズムの香りが立ち始めていると、小生は感じて
>います。
>こうした芽は早いうちに摘むに限ります(遅すぎるかもしれませんが)。
>また、小生はファシズム(全体主義)は一括して“悪”と考えています(理由につい
>てはハナ・アーレント『全体主義の起源』(みすず書房)をお読みください)。


新自由主義・市場原理的政治思潮は、極少数のために圧倒的多数をできるだけスムーズに動員するためのものだと受け止めています。

歴史的なファシズムも実質はそのようなものであったと認識していますが、建前としては民族や国家という“全体”を第一義とする考えですから、昨今の米国や日本の政治思潮とは異なるものです。

新自由主義・市場原理的政治思潮は、ファシズムは建前だけとはいえとにかく掲げた理念さえ葬り去り、極少数者の利益に圧倒的多数者が仕えることが“善”だとするむき出しの少数支配思想だと思っています。

戦争や人種迫害をせず言論統制もしないファシズムというものを考えてみるのも悪くはないと思いますよ(笑)。

南青山さんが“悪”と考える全体主義を回避するためには、個人にまで進んだ少数派の考え方が尊重されなければならないのではないですか?

どれほど政治的危機感を持とうとも、国民が広く少数派政党の主張も聞ける環境をつくるのが全体主義を嫌うひとの主張であるべきだと思っています。

政治的危機感を言い訳に使えば、止め処のない全体主義のなかに個人が投げ込まれることになります。

>小生には不思議なのですが、「亀井は小泉の地元で立候補せよとする奇策」こそ、小
>泉的政治手法の最たるものと考えています。

今回の解散そのものは違憲だと思っていますが、その後の小泉氏のケンカ(政治勢力間の抗争)の仕方については問題視していません。

亀井氏は小泉氏の選挙区で立候補すべきだというのは、ケンカの仕方であり、いわゆる政治手法とは次元が異なるものです。

亀井氏は同じ政党に属していながら小泉政権が続けば日本は滅亡すると主張してきた政治家ですよ。

亀井氏は自民党を捨てたわけではなく小泉氏を総裁・総理の座から引きずり降ろすことに政治的情熱を燃やしているのですから、自民党を離れた今、ご自身のみでその目的を達成できる可能性もある小泉氏の選挙区で立候補すべきだと主張したのです。

言ってみれば、亀井氏も代議士落選を覚悟し小泉氏との“抱き合い心中”で日本を滅亡から救ったらどうだ!と挑発したのです。
(広島6区で身内を当選させれば、議員秘書として限定的な政治活動は可能です)

自民党の国会議員のある割合の人たちは自己保身のために小泉執行部に跪いているように見えます。
だとすれば、小泉氏が落選すれば自民党内の流れも変わり、亀井氏を含むいわゆる“造反派”諸氏の復党もスムーズにできるはずです。


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