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『投票一週間前に民営化を絶賛した日経の意図』岩瀬達哉 (週刊現代)
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投稿者 外野 日時 2005 年 9 月 12 日 21:37:14: XZP4hFjFHTtWY
 


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 「週刊現代」2005.09.24号

 投票一週間前に民営化を絶賛した日経の意図
 岩瀬達哉

 新聞の顔ともいうべき一面トップは、「印刷に値するすべてのニュース」のなかでも、とりわけ重要なニュースが掲載されるものと思っていた。そして「印刷に値するニュース」とは、恣意的に事実の一面をクローズアップしたものではなく、報ずべき事実を多面的に検証、分析し、公正で適切な解説が加えられたもの、と勝手に思い込んでいた。
 しかし、衆議院選挙公示後の9月3日の日本経済新聞朝刊は、そんな私の認識が根本的に間違っていたことを教えてくれた。一面トップのスペースは、時として、為政者の目的に適った情報掲載の場として使われることを、この日の日経は示しているからである。
「民営化で国の収入31兆円」という大見出しをつけた記事は、「旧日本電信電話公社など『官業』の民営化によって国が得た収入が、……累計約三十一兆円になったとし、「国の財政が悪化するなか、官業の民営化が一定の貢献を果たしてきた」と、”民営化バラ色論”を展開。そのうえで、「郵政民営化でも政府・与党は株式の売却益で五兆円、納税額も年五千億円程度になるとそろばんをはじく」といった「解説」を続ける。
 郵政民営化が、国民利益に適った改革との論調で貫かれた記事と言っていい。
 郵政民営化が大きな争点とされる選挙を前に、多くの読者は、「そうなのか。民営化も悪くないな……」と思ったのではないだろうか。
 小泉首相も、さぞ、相好を崩しながら読んだはずである。
 確かに、「官業」が民営化されれば、政府保有株の売却や、それまで免除されていた法人税の納付が義務付けられることによって、国の収入は確実に増える。これは民営化によるメリットのひとつだが、ものごとには何事もデメリットが伴うものである。
 国鉄民営化にしても、JR西日本は、安全性をないがしろにしたことで、今年4月、鉄道事故史上最悪とされる尼崎の脱線事故を引き起こしている。
 また、電電公社の民営化にしても、NTTグループのひとつNTTデータは、社会保険庁との特殊な契約によって、「民間との『公正な競争』」を排除し続けている。社会保険庁との契約をNTTデータが独占することで、本来なら約500億円程度で済む同庁のコンピュータ関連経費が、2倍の約1000億円となるのである。これは、自民党の調査によって判明し、公表されている事実である。
 このように民営化には、「国の収入アップ」という側面だけでは評価できない多様な問題が伴っている。しかも、それらは国民生活に深刻な影響を及ぼす問題が少なくない。そういった事実への言及がないのは、著しく客観性を欠いた記事と言っていい。読者のためではなく、小泉首相の選挙応援のために書かれた記事であるかのようだ。
 断っておくが、私は、民営化反対論者ではない。基本的に官業は民営化され、透明性の高い、公正で公平な「小さな政府」が実現されなければならないと考えている。しかし、そのためには、民営化によって何がどう変わるのかを、多面的かつ具体的に検討した情報が提供される必要がある。
 日経のように、投票日の約一週間前というタイミングで、民営化のいい面だけを強調し、他の側面を伏せるのであれば、どんな理由を後付けしようと、それは欠陥商品を言葉巧みに売りつける悪徳商法の類いにほかならない。
 一般的に、読者は新聞に”真実を知る権利”への奉仕を期待し、新聞はその期待に応えることを表明することで、両者の”暗黙の契約関係”は成立している。ところが、その契約に反し、一面的で浅薄なうえ、読者をミスリードしかねない記事を、客観性を装いながら掲載しているようでは、やがて新聞は、社会にとって有害な存在に成り果ててしまうだろう。
 もっとも、読者離れが著しく、かつてのような世論形成力を失いつつある新聞にとっては、これまで以上に公権力と露骨に馴れ合うことでしか企業存続を果たせないのかもしれない。
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> 新聞の顔ともいうべき一面トップは、「印刷に値するすべてのニュース」のなかでも、とりわけ重要なニュースが掲載されるものと思っていた。

これは岩瀬氏のアイロニー。氏は新聞業界の病巣をえぐってきた第一人者。
日経が取り上げられているが、単に大新聞・テレビの代表としてであろう。
今回の自公党の大勝利は、大新聞・テレビのCM効果、また野党の2党までもが民主党をこきおろした効果などが重なったものと思われる。
紙面や画面での、批判精神のない取り上げは、CMと選ぶところはない。世の大企業が巨額の費用でCMを流しているのは、それだけの効果があるからであり、その心理的効果を「知らない」のは、消費者だけかもしれない。…


調教された日本の新聞──ベンジャミン・フルフォード
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投稿者 外野 日時 2005 年 9 月 11 日

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