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加藤哲郎氏の意見
http://www.asyura2.com/0505/senkyo14/msg/618.html
投稿者 はてな? 日時 2005 年 9 月 15 日 18:34:43: Cgi16yXgIem4U
 

http://www.ff.iij4u.or.jp/~katote/Homef.html
2005/9/15   9.11総選挙結果は、上に特別更新した通り。小選挙区の得票で自民党48%・民主党36%という12ポイントの差が、議席数では自民党の一人勝ち219議席73%独占、民主党惨敗52議席17%、56ポイント差と出ました。この差の5倍近い増幅が、悪名高い小選挙区制死票マジックです。電通子会社を使ったビジュアルマジックとかサウンドバイトとか、確かに計算し尽くされたアメリカ式情報戦術の演出効果もありましたが、投票率を7.65%押し上げ、800万人近くの有権者を新たに投票所に動員した事実は重要です。かつて民主党に流れるとされた都市部の無党派層の20代の若者が、投票して「小泉自民党」と書いたのです。小選挙区で次回に「風」をおこせば野党も挽回可能とはいえ、「改革賛成」と自民党に投票した人を含む国民には、深刻な結果です。「郵政民営化に賛成か反対か」のシングル・イシューを突破口に、「改革賛成か反対か」の選択を国民に迫った結果です。インターネット選挙が許されず、国民投票制度がないのをいいことに、マスコミを使って一点突破・全面展開の道を拓いた格好で、実は、サマワのイギリス軍・オーストラリア軍撤退打診が1か月も前に来ていたことや、07年度所得税・住民税低率減税廃止=年8万円以上の実質増税が、選挙後に相次いで明らかになりました。世論調査よりはるかに偏って、今回当選議員の90%以上が改憲派です。早くも国会には常設の憲法調査委員会が作られ、国民投票法案など改憲手続きが進められることに決まりました。「郵政民営化」を突破口とした「改革」とは、選挙中はマニフェストでも漠然としていましたが、どうやら増税や改憲が先行し、小泉支持層でも期待した年金・子育て・財政再建は後回しのようです。「構造改革」には「構造」の診断が不可欠です。そこをブラックボックスにしたまま「改革」を唱えても無意味です。選挙の争点にはならなかった格差拡大、フリーター・ニート問題はどうなるでしょう。「郵政民営化」が突破口になるどころか、いっそう格差を作る蓋然性の方が高いのです。新自由主義に乗った「小泉改革」とは、強者にやさしく、弱者に厳しいものです。グローバルな地球人口の所得上位20%の人々が世界の富の8割以上を持っていることを示す「シャンペン・グラス」構造を、国内にもつくり出します。9.11小泉ハリケーンで、「今日のニューオーリンズは、明日の日本」になろうとしているという警告を、心すべきでしょう。
 選挙前から「リフォーム詐欺」が社会問題になっていました。修理の必要ない住宅を危ないと診断してリフォームし、お年寄りを狙って法外な費用を請求・詐取する、あの悪徳商法です。そもそも4年前の小泉首相登場が、「改革」をうたったものでした。でも日垣隆さんが『エコノミスト』9月13日号「敢闘言」に書いてますが、「メルマガの発行以外何一つ公約を実現できていない」のです。あの「新しい歴史教科書を作る会」の西尾幹二さん
http://www.ff.iij4u.or.jp/~katote/Homef.html
のブログ「選挙結果を見て」も辛辣です。曰く、「小泉首相は就任以来『改革』を言って来た。四年間それをなし得る地位にあって、彼は実のある改革をほとんどしてこなかった」「今になって急に『改革を止めるな』と党内や野党を悪役にし立てあげて国民に自分だけいい子のポーズを見せる」と。「郵政民営化」も「リフォーム詐欺」になりそうなことは、森田実さんや金子勝さんが早くから警告してきました。でも、国民は閉塞状況にいらだち、将来が不安でした。あの8月8日の記者会見に始まる小泉ドラマに乗って、リフォームの注文を出してしまったのです。せめて修理箇所は最小限にし、水増し請求を拒否しなければ、膨大なツケがまわってきます。世界170か国以上の首脳が集まる国連60周年特別総会が始まりました。日本を含む安保理G4改革案は廃案になったもとで、舞台裏の最初のニュースは米中首脳会談で、11月ブッシュ訪中が決まりました。どんなに小泉首相が媚びを売っても、アメリカにとってのアジア戦略は、いまや中国中心になりました。イラクではまた、絶望的内戦の連鎖で、14日も150人以上が亡くなりました。北朝鮮6か国協議も、予断を許しません。大勝に酔った小泉首相が靖国参拝を強行すれば、国際社会の仲間は米英だけになります。歴史に学びましょう。百年前に清国駐屯軍を置いたことが、その駐屯軍を守るためという軍拡・戦争につながりました。「臥薪嘗胆」の世論に押されて始まった日露戦争は、民衆の日比谷焼打事件と「東洋の盟主」の幻想で、韓国併合・対華21か条要求・満州侵略・日中戦争へとエスカレートしました。長期的展望とセーフティネットのない「改革」は、新たな「臥薪嘗胆」を導きかねません。世界には「改革」の成功例もあれば、失敗例もあります。かつてもてはやされたニュージーランドの行財政改革は、今では「惨状」と評価されます。オランダ方式のワークシェアリングは確かに魅力的ですが、パートタイム労働とフルタイム労働の平等な待遇の上に成り立ちます。少子高齢化に万能薬がないのは、世界の常識です。だからこそ、世界の試行錯誤に学ぶ必要があるのです。あまり報道されていませんが、12日投票の北欧ノルウェー総選挙では、完全比例代表制のもとで、福祉と教育をかかげた労働党中心の左派連合が与党中道右派連合を破り、政権復帰しました。13日発表のOECD教育インディケーターでは、日本の公的教育支出水準は加盟30か国中最低、大学・短大生の私費負担割合は韓国に次ぐ高さ、小中学校の少人数教育はOECD平均に遠く及びません。総選挙で女性当選者は史上最高とはいえ、理系大卒の女性の割合は日本は際だって低くOECD最低です。いまネチズンにできることは、歴史に学び、世界に学び、詐欺ではないリフォーム、改革方向を探ることです。羅針盤となる憲法が改悪される前に。

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