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出版界の問題
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投稿者 外野 日時 2005 年 9 月 19 日 23:07:59: XZP4hFjFHTtWY
 

(回答先: 「そういうものは流行らないから」といわれ、書かないのではないでしょうか?出版してもらえないと困るから。 投稿者 Sun Shine 日時 2005 年 9 月 19 日 16:26:04)

街の小さな本屋がつまらなくなって久しいのですが、その背景には書籍取次会社の”おまかせパック”で本を置いているという現実があると知り納得した次第です。
個人的な実感としては、文庫本が軽い流行本を取り入れるようになったあたりから、何かが崩れていったような気がしています。

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埋もれた書き手を発掘せよ
〜地方紙の未来のために〜
http://www.akashic-record.com/kenkyu.html

●出版界における言論の「寡占」
戦前、すくなくとも1940年以前の日本には、こんにちあるような全国的な書籍流通網や取次会社はなかったため、出版産業はあまり儲からなかった。が、作家やその言論は多様性に富み、地域ごとのバラエティも豊かだった(書籍出版は、初版発行部数が数百部でも刊行可能なスモール・ビジネスだった)。
しかし、このような態勢は、政府が戦争遂行のために世論を誘導していくうえでは不利だった。警察当局は「やれ、北海道に地元だけで有名なプロレタリア文学者がいた」といっては取り締まりに走り、「それ、九州に反戦詩人が出た」と聞けば検閲に赴くというような、まさに東奔西走の苦労を強いられた。

そこで、当局が考えたのは、まず思想の左右を問わず新人の著者がデビューしにくい制度を作り、それでもなお左翼的、反戦的な言論を唱える者が出てくればそれだけを取り締まろう、という言論統制の「効率化」であった。具体的な施策としては、史上初の全国的取次会社である日本書籍配給株式会社(略して「日配」。こんにちの日販の前身)を作った。これにより出版各社は、ひとたびある程度売れそうな本を出せば全国津々浦々で一律一斉に販売してもらえる、というメリットを得た。

が、全国一斉に売るとなると、初版部数は数千部は必要で、となると全国的に名の通った有名な書き手以外は売り出すのが難しい。この結果、検閲は言わば「二段階選抜」となり、一次選考の「足切り」は各出版社の役目となり、彼らは自分の手で無名な著者を排除しなければならなくなった。

こうして、新人の書き手にとって「デビューの敷居」はにわかに高くなった。初版数百部で「とりあえず小規模にデビューさせてみて、読者の反応を見る」といったことはできなくなった。全国向けに初版を数千部刷る以上、無名の新人ではリスクが大きすぎる、という理屈である。

戦時の言論統制手段として生まれた全国的取次会社を核とするこの書籍流通網は、戦後、占領軍の民主化政策で解体された…………と思ったら大間違いである。これはほとんど無傷で温存されたのだ(取次会社制度は、戦前は日配の1社独占体制だったが、戦後は日販、トーハンなど数社が並立する体制に変わったものの、それは寡占には違いなく、「全国一律一斉」の販売網もそのまま残された)。理由は、戦後の日本から(実害のある)反米世論を葬るのに有効だったからである。

●「異端」の排除
たとえば、戦後の日本では、国防政策・日米安保条約にかかわる世論は、右側の「安保賛成論」と左側の「平和憲法擁護、非武装中立論に基づく安保反対論」に二分され、他の少数意見(「武装中立論に基づく安保反対論」など)は抹殺された。戦後日本の言論界では、右側は対米追従、左側は反米ということになっている。

しかし、結果を見れば明らかなとおり、非武装中立論に基づく安保反対論など、百万遍言われたところで、アメリカは痛くもかゆくもない。なぜなら、そんな非現実的な政策は絶対に実現しないからだ(じじつ、いまだに実現していない)。戦後の冷戦時代、アメリカから見てもっと反米的で困った防衛政策は、実は(フランスのように)日本が自主(核)武装することだったのだが、この種の言論は左翼から「軍国主義」「平和憲法改悪」のレッテルを張られて抑圧され、「有名になる」機会を制限され、事実上、言論の自由を奪われてきた。

すくなくとも結果論から見る限り(また「実害のない安保反対論」の根拠となった平和憲法が、日本が占領下で国家主権がないという「弱み」に付け込んだ、米占領軍によって押し付けられたものであることとあわせて考えれば)戦後日本の世論が、きわめて巧妙に統制され、寡占化されていたことは明白であろう。

(詳しくは、筆者のホームページ『週刊アカシックレコード』の 「たすきがけ買収」か、または徳間書店刊の拙著『ゲノムの方舟』第8章の巻末註を参照されたい。)

こうして、戦後の日本で「毛色の変わった」主義主張を持つ新人がデビューするのは、著しく困難になった。(自称)反体制活動家、反権力主義者の言論にすら、統制され寡占化された一定のパターンが作られ、その論調は、反天皇制、反財界、反自民党、反安保、反軍国主義、反原発、反ポルノ規制など、両手の指で数えられるほどのごく少数のカテゴリーに「限定」された。

この結果、原子力関係の人災については「環境に取り返しの付かない被害を与える」などと延々と批判報道が繰り返されるのに、石油関係の人災(事故直後に海洋生態系に深刻な打撃を与えると一部で指摘された、近年のガラパゴス沖や日本海、アラスカ沖での石油流出事故)については事後の検証報道がどこにもない、といったマスコミ全体の偏向した報道姿勢が、なんの疑問も抱かれずに世論に受け入れられるようになった。

●新人作家の「参入障壁」
もちろん、この種の「統制」「寡占化」はノンフィクションに限らず、フィクションの出版においても同様である。全国の書店では毎月毎週何十点もの「全国一律一斉」に配給されてくる本の対応に追われるので、本の内容を吟味する暇がない。このため、書名、著者名、出版社名の3つだけを見て仕入れるか仕入れないかを決める、という事態に追い込まれている。

となると当然、有名な著者や大手出版社の本はたとえ駄作であっても多数の注文を受け、新人や中小出版社の本は傑作であっても注文を取りにくい、という事態になる。これは、まさに、戦時中に特高警察が望んだ「新人のデビューしにくい体制」そのものであり、この副産物として、戦後の出版界では、「名目上」有名な著者の書いたことになっている本や、それを支えるゴーストライターという職業が必要とされるようになった。

ゴーストライターというのは、たいてい「名目上の著者」よりも優れた書き手なのだが、彼らは無名なので、書店に嫌われ、結果的に出版社からも「著者」としては敬遠されてしまって読者から正当な評価を受けられず、他方、無能だが有名な著者の「タレント本」がベストセラーになる、といういびつな構造が生まれた(筆者は、この「ゴーストライターに書かせる」という発想自体が、にんげんの価値を人格や能力によってではなく、有名かどうかといった、うわべだけで判断しようとするものであり「差別」であると考えている)。

ことほど左様に、出版社は無名な書き手を嫌うので「文学新人賞」なるものも、本来の目的(新人の発掘)とはまったく別の機能をはたすことが多い。すなわち、デビューを志して出版社に原稿を持ち込んでくる無名の書き手に対して、出版社は「新人の方は賞がありますので、そちらに応募して下さい」と言って追い返すのである。

これは本来玄関から迎え入れるべき客人を勝手口にまわらせるような無礼な態度だが、出版社にしてみれば「(全国で数千部)売れるかどうかわからない無名の新人のために余分な時間は割けない」のである。

●「デビューさせない」ための新人賞
しかし「勝手口」の間口は狭い。長編小説の場合、受賞作としてデビューを許されるのは、コンテスト1回あたり1〜2本で、なかには佳作、次点にほとんどなんの恩恵も与えない賞もある(しかも、選考委員なる人々は、たとえ「売れない」作品を受賞させ、つまり結果的に間違った選考をしたとしても、まったく謝罪も反省もしない。文壇の評論家諸氏のなかには、第二次大戦中の日本軍の行為について、政府に執拗に「謝罪と反省」を求める人が少なくないのに、これはいったいどうしたことか)。

そのうえ、たいていの文学賞は1年に1回しか応募の機会がないから、「次点」を獲得した、かなり優秀な書き手でも、また1年経たなければ再挑戦できない。これでは、まるで「出来の悪い司法試験浪人」のような人生を強いられるのと同じで、あっという間に歳を取ってしまう。だから、多くの優秀な書き手がまったく消費者(読者)の審判を受けることなくデビューする機会を奪われ、埋もれていく。これは、言論の自由や市場原理からはほど遠いものではなかろうか。

筆者は昔出版社に勤めていた「インサイダー」なので断言できる。はっきり言って、世 にある新人文学賞の大半は、新人をデビューさせるためではなく「デビューさせないた め」にあるのだ。筆者は、作家になりたいという知人の(ゴースト)ライターらに助言を求められた際には必ず「賞には応募するな。それより個人でWebサイトを開いて直接読者に訴えよ」と答えることにしている。書き手の人生や文才は、けっして選考委員の「おもちゃ」にされるべきではないからである(ちなみに筆者のサイト『週刊アカシックレコード』は開設以来4年間で累計70万人のアクセスを得ており、この方々が拙著の読者層の中核である)。

昨年(2000年)、筆者は幸運にも徳間書店より作家デビューすることができた。しかし、デビューするまでの長い歳月は(筆者に書き手として多少の成長は促したものの、その大半は)明らかに無駄だった。筆者は、数年前からとっくにプロになる力は持っていた。ただ、それを世に問う機会がなかっただけだ。

お蔭様で、デビュー作の『ゲノムの方舟』は、文学賞を受賞していない「無冠」の新人の作品であるにもかかわらず、朝日新聞、週刊東洋経済など14紙誌の書評欄等で計17回も紹介されるという異例の扱いを受け、好評増刷中である。これは、筆者がとっくの昔に「新人」の段階を卒業していた、つまりデビューまで何年もかかったことが「無駄だった」ことを意味するのではないか。

●埋もれた書き手を発掘せよ
筆者のような不遇を味わっている書き手は多い。また、無能な著者の「タレント本」を買って後悔した読者や、優秀なゴーストライターの文才を「名目上の著者」のそれと勘違いしている読者(一種の「詐欺」の被害者)も少なくあるまい。

そこで、地方紙の記者、編集委員の皆様にお願いしたい。どうか、上記のような埋もれた、優秀な書き手を発掘し、彼らに「デビュー」の機会を与えて頂きたい。

発掘すべき人材は、地方紙の地元(道府県内)の居住者、出身者に限定する必要はない。Web版の地方紙は、地元のみならず、日本全国、いや世界中から読めるのだから、当然であろう。

●育てるな!
間違っても「選考委員会」を設けて「投稿新人賞」でふるいにかけるようなことはしないで頂きたい。1人の記者、1人の編集委員でも「面白い」と思った論文、エッセイ、詩歌、小説等は、独断で即座に紙面に掲載してほしい。その価値判断は市場原理、つまり読者に委ねてほしい。地方紙は全国紙ほどの部数はないのだから、新聞社の方針に反する論調が載って問題になったり世論をミスリードしたりする危険性は乏しく、(自主武装論のような)異端の意見を載せても大したトラブルにはなるまい(ちなみに筆者は自主武装論者ではない)。

記者、編集委員の皆さんにとくにお願いしたいことがある。それは、書き手を発掘する際には、なるべく純粋な「発掘」に留めて頂きたい、ということだ。すなわち書き手へのアドバイスや投稿の修正は必要最低限に抑え、間違っても書き手を「育てる」などという思い上がった発想を持たないでほしいのだ。「育てる」という発想はまさに書き手 を「見下す」ことであり、検閲そのものなのだから。

こう言っては失礼かもしれないが、育てられるべきは、すでにプロになっている(と思われている)記者の方々のほうではないか。

以下は、この2001年3月に、ジャーナリストの田中宇(たなか・さかい)氏が発見した「証拠」である。なんと、異なる新聞社の社説がほとんど同じ、などという「偶然の一致」が起きていたのだ。

同氏は、自分の運営するサイトとメールマガジンで、先月(2001年3月) 「えひめ丸事故と謝罪」と題する記事を配信したが、その中で、山陰中央新報と四国新聞の2月28日付の、えひめ丸事故に関する社説がほとんど同じであることを暴露した。記事には両紙のWebアドレスも載っていたので、おそらく何万人もの読者が実際に読み比べて確かめたことだろう。筆者もその1人である。

2つの社説は、文面の90%近くが共通であるばかりか「探知機(ソナー)」といったカッコの使い方までそっくりで、偶然の一致でないことはだれの目にも明らかだ。

田中氏は、この珍現象の原因は、地方紙の社説の多くが、実は共同通信社の配信する「社説のお手本」をネタにしているからだと指摘している。

この社説を「執筆した」両新聞社の記者は「地方紙はどうせ地元の人しか読まないのだから、お手本を書き写してもバレないだろう」とタカをくくっていたのかもしれない。が、すでに述べたようにWeb版は県外どころか世界中から読めるのである。地方紙の方々は、IT革命のなんたるかが、まるでわかっていないと言わざるをえない。

もちろん、こんな社説を書く記者に言論の自由があり、自分にないのはおかしい(オレにも発言させろ)と怒りを感じた人は少なくあるまい。ぜひ、地方紙の方々には編集体制の「構造改革」をお願いしたい。

基本的人権の1つである「言論の自由」は、元来個人のものであって、大企業(大手の出版社、新聞社)やその意を受けたごく少数の有名人の特権、つまり「基本的『社』権」であっていいはずはない。地方紙は大新聞のまねなどせず、個人の側に立ち、たとえばインターネット上の優れた個人サイトと連携するならば、1940年以前に存在した、地域ごとにバラエティに富んだ、真の「言論の自由」の再現も夢ではあるまい。

尚、あらかじめおことわりしておくが、筆者は、地方紙の社説の「ゴーストライター」を引き受けるつもりはない。
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