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天木直人・メディアを創る ( 5/13) 核の先制攻撃を視野に入れ始めた米国
http://www.asyura2.com/0505/war70/msg/245.html
投稿者 天木ファン 日時 2005 年 5 月 13 日 15:31:32: 2nLReFHhGZ7P6
 

5月13日―メディアを創る

◇核の先制攻撃を視野に入れ始めた米国

 しんぶん赤旗の情報力については頭が下がる。大手新聞もこういう報道をして欲しい。
13日のしんぶん赤旗は、一面トップで、米軍統合参謀本部が核使用の具体例を記した作戦文書を準備していることを明らかにした。「統合核兵器作戦ドクトリン」がそれだ。そこには、例えば、日本に寄港する原潜を海洋発射巡航ミサイルが搭載できる状態に保っていることが明記されているという。これだけでも国会で大問題となる非核三原則違反である。ところが、もはや今の自民、民主の二大親米政党が主導する国会では、安保議論はまったく行われない。
 驚くべきは、このドクトリンの中で「米軍・多国籍軍・同盟軍から市民に対して、大量破壊兵器を使用する意図を持つ敵」に対し、戦域核兵器を使うと述べている事だ。「意図を持つ」だけで、核兵器の先制攻撃を行うというのである。
 ときあたかもニューヨークでは核不拡散防止条約の再検討会議が行われている。多くの非核保有国が核兵器の廃絶や不使用を求めている。そんな時に、米国は非核保有国の願望を真っ向から否定する方針を平然と進めているのだ。
 問題は、イラク戦争で米国の有志連合に参加し、さらに米軍再編で今後世界のどこであれ米国の先制攻撃に参戦していく小泉政権が、日本を核兵器使用の「共犯者」にしてしまう危険性がある事だ。
長崎・広島の筆舌に尽くしがたい原爆被害を経験した日本が、その原爆攻撃の加害者となる。こんなことは決して許されてはならない。日米軍事同盟の見直しを、本気で真剣に考えなければならない岐路に差し掛かっているのだ。

◇国連常任理事国入りをめぐる三人の発言

 13日の朝日新聞は「三者三論」と題して、明石康氏(元国連事務次長)、フォルカー・リットベルガー氏(独チュービンゲン大学教授)、辻井喬氏(作家)の意見を乗せている。
明石氏は、「加入し平和構築を果たせ」と主張する。しかしその主張の中の次の文章を読んで、私は明石氏の正体を見る思いがした。
「・・・政治的、外交的に、世界に責任ある国家として理事国入りを目指すのが日本に課された使命である・・・日本の平和主義と国連憲章51条に記された『個別的または集団的自衛の固有の権利』に関しては混乱がある。これに関連し、日本国憲法の9条だけを取り上げるのは間違いだ。PKOの参加は9条をそのままにしてもできる。どうしてもというなら9条2項(戦力の不保持)を削除すればいい・・・」あまりにも乱暴な意見だ。
私はかねてから明石康氏の言動に疑問を抱いてきた。元国連事務次長としてカンボジア暫定行政機構や旧ユーゴ問題担当の国連事務総長特別代表など国連の要職を歴任し、緒方貞子氏とならんで国連で日本を代表する顔になっている人だ。しかしそれは、適任者を外務官僚のなかで見出せなかった外務省が、明石氏を押し立てて国連の顔にしようとした結果に過ぎない。あつかましくなければ生き残れない国際公務員の特性を存分に発揮した明石氏は、そんな外務省の思惑を巧みに利用したのだ。その明石氏が政府・与党の側用人よろしく発言するのもうなずける。
これに比して私は他の二人の発言を評価する。辻井喬氏は言う、「・・・安保理が抱える最大の問題は国連を無視してイラク攻撃を行った米国の単独行動ぶりをどう抑えるかである。日本は米国に追従して武力攻撃を後押しする役割を果たした。『日本の常任理事国入りは米国の票を増やすだけ』と言われるのは当然である。60年もたった今も信頼してくれる仲間がアジアにいないという日本の現実も見る必要がある・・・」
またリットベルガー教授はこう述べている、「・・・戦後わが国の歴代首相は、ナチスの侵略戦争に至った強い反省を踏まえて、自国民の利益を声だかに叫ぶ事を極力慎み、欧州の一員の立場で外交を組んできた。シュレーダー首相は、こうした歴史から一歩踏み出し、自国の利益を少しずつ口にするようになってきた。この変化に国民は戸惑い、違和感を抱いている。首相と同じ社会民主党の重鎮、シュミット元首相は『ドイツが自国のみの利益を叫ぶのはエゴに過ぎない』と強く批判している・・・欧州統合の『推進役』を自任してきたはずが、欧州連合(EU)の分裂すら招きかねない・・・ドイツは自らの意思が最大限生かせる、EUが常任理事国入りをする道を目指すべきだ・・・」

◇これがこの国の政治家たちの実態だ

 12日の日刊ゲンダイに、政治評論家三宅久之が書いた自伝、「闘争―渡邊恒雄の経営術」の出版記念会の模様が書かれていた。これが極めて滑稽な記事なのだ。
すなわち去る10日に帝国ホテルで盛大に開かれたこのパーティーには、読売新聞元会長にゴマをする自民党の政治家が集まった。なかには民主党の西村真悟の名前まであったのだが、いずれにしても集まった政治家たちの身勝手、無神経な姿が次のように描かれている。
「・・・まず壇上に上った中曽根は、『大読売をつくった渡邊さん』と持ち上げた。乾杯の発声をするはずだった亀井は、ワケの分からぬことをダミ声でがなりたて、乾杯の発声を忘れてさっさと降壇、乾杯やり直しという醜態だ。『では一言だけ』と切り出した武部は、散々批判されたマスコミへの注文を延々と喋り続けてとまらない。極めつけは扇千景。司会者が『お祝いの言葉を』と声をかけたが返事なし。『扇さん、扇さん』と何度も呼びかけたが、既に会場を立ち去っていた。扇はパーティーが始まって数分で『お土産はどこかしら』ときょろきょろしながらさっさと帰ってしまったのだ。挨拶が終わっても政治家は、主役の三宅をさしおいて、ネベツネの周りばかりにペコペコ・・・こんなところで暇をつぶしている政治家はどうしようもない」
これがこの国を動かしている政治家たちだ。質が悪すぎる。

◇弱者いじめの福祉軽視政策が、恐ろしい勢いで進んでいる

 12日の朝日新聞に、京都市に住む79歳の男性が、「老齢加算」が減額されたのは「最低限度の生活」を保障している憲法25条に反するとして、福祉事務所長を相手取って減額取り消しを求める訴えを京都地裁に起こしたという記事がでていた。
その男性は03年度までは生活費相当分として受けていた月額9万3700円の保護費のうち老齢加算分1万7930円を受け取っていたのだが、生活保護改革のため、04年度はそれが9670円、そして05年度からは3760円に減額されたのだ。京都市内の6畳一間の古いアパートに一人暮らしのその男性は、酒も飲まなきゃタバコも吸わぬ。スーパーのタイムサービスなどで安い食材を買って自炊する、そんなつましい暮らしでさえも困難にする老齢加算の減額である。
そういえば先日は老人介護法の改正案が成立して介護の自己負担が増えることが決定された。また国会で審議の始まった「障害者自立支援法案」も、障害者福祉サービスの新しい枠組みを作るという謳い文句の影で、その趣旨は自己負担を求めるものである。立法反対の座り込みが行われている。
すべては財政改革の名の下に、急速に進んでいく弱者への経費しわ寄せ策だ。わずかばかりの負担増でも弱者にとっては大きな負担だ。その一方で莫大な経費が天下りや防衛経費で無駄遣いされている。こんな不合理はない。
極めつけは消費税引き上げだ。7日の朝日新聞夕刊は、財務省がホームページで財政問題に関する意見を国民から募集したり、自民党が漫画冊子をつくって今後の課題を国民に広報し始めたと報じている。在任中は消費税を上げないなどという無責任な公約をしている小泉首相は、自らの任期切れと同時に消費税を上げると公言しているようなものだ。このような姑息な小泉自民党と、政権党を目指す民主党の二大保守政党のもたれあい政治によって、急速な弱者いじめが進んでいる。

◇夕刊フジが宣伝する鷲尾悦也全労済理事長

13日の夕刊フジが1ページ全体を割いて鷲尾全労済理事長の宣伝をしていた。なんとも奇妙な記事である。
鷲尾の略歴を見ると東京大学経済学部を出て八幡製鉄に入社し、新日鉄の労働組合長をへて、97年に連合会長、2000年に全国労働者福祉・共済協会理事長をへて2001年から全労済理事長に至っている。
そんな鷲尾氏を夕刊フジは次のように持ち上げている。
・・・大きく包み込むような話し方で、笑顔にひきつけられる。「人付き合いについては誰にも負けない」と、鷲尾理事長は言う。すっかり全労済の顔になった・・・
鷲尾理事長は昨年から大学で講座を受け持っている。
「300人の学生に『連合』を知っているかと尋ねたら、知っているのは2,3人だった・・・今の学生は受身のような気がする。もっとぶつかってきて欲しい」と語る。
自身の事を「道楽者」という。「いろいろな事にやたら関心を持つが時間が足りない」歌舞伎はこの6年間毎月皆勤賞。自分で電話して予約を取る。4つも参加している朝食会で知り合った三枝成彰さんに誘われて、六本木男性合唱団のメンバーとなった・・・
読んでいくうちになんとも言えない違和感を持つようになった。官僚や保守政治家にも知己の多いといわれる鷲尾氏はあたかも体制側の人間のようだ。労働貴族のような組合歴である。夕刊フジの特集記事を引き受ける神経も相当なものだ。大企業と馴れ合った果てに骨抜きにされた労働組合運動について、連合会長としての責任は彼にはないのか。小泉政権にここまで痛めつけられた労働者、弱者の生活の厳しさを感じないのか。
これが労働組合の親分とは、とても思えないのである。

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