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アチェ問題に対する辻雅之氏の解説 2003年
http://www.asyura2.com/0505/war70/msg/445.html
投稿者 田中大也 日時 2005 年 5 月 18 日 00:03:43: wfVksbjV/Swxo
 

(回答先: アチェ問題に対する田中宇氏の論説 投稿者 田中大也 日時 2005 年 5 月 17 日 23:56:55)

これもやや古いですが、アチェ問題を包括的に理解するには適していると考え、引用させていただきました。
以下引用
解体? 人工国家インドネシアの将来

インドネシア・アチェ紛争の泥沼 ガイド記事一覧 >>

2003/06/17
(2003.06.17)

1ページ目 【泥沼化するインドネシア・アチェ情勢】
2ページ目 【アチェ情勢はなぜこんなに泥沼化した?】
3ページ目 【どうなる「人工国家」インドネシア】

【泥沼化するインドネシア・アチェ情勢】
和平交渉決裂で国軍とゲリラの衝突が
 
●こちらも要チェック! 政治についての基本知識と基本用語

 インドネシア国軍によるアチェでの軍事活動が本格化し、多数の住民が避難を余儀なくされたり、死傷するなど、混乱が続いています。

 アチェとはスマトラ島最北部の地域。15世紀末くらいからこの地域には王国が栄え、19世紀後半のオランダによる侵略まで、独立を保ってきた地域です。

 戦後は他のオランダ領と同様、インドネシアとして独立。しかし、アチェの独立への気運はおさまらず、「自由アチェ運動(GAM)」のゲリラ活動と、それに対するインドネシア国軍の応戦によって、この地域は長年不安定な状態に置かれていました。

 1970年代末からのGAMと国軍との闘争のの過程で、1万人以上の住民が死亡したといわれています。

 2002年末にはいったん東京会議でGAMと政府との和平が成立したのですが、実際にはうまくいかず、今年(2003年)5月に東京で会議を開き、和平にむけた話し合いをしたのですが、GAMがあくまで独立放棄を認めなかったため、会議は決裂。

 その直後、国軍による激しいGAM掃討作戦が展開され、多くの死傷者が出ているようなのです。

 アチェとは、どのような地域なのでしょう。宗教はイスラム教。これはインドネシアの90%を占める宗教で、宗教的な少数派ではありません。それでもなぜ、アチェの人々は独立を求め、インドネシアはそれを強硬に拒んでいるのでしょうか。


以上一ページ目の内容
以下二ページ目
アチェの人々が独立を望むのは、2つの点からです。

 1つには、世俗的な政治を行い経済発展を遂げようとする政府に対し、イスラム教への信仰の強いアチェ人が大きな不満を持っているということです。

 そのため、いったんインドネシアに「併合」され、さらに「スマトラ州」に「編入」されかけた人々は大きな危機感をつのらせ、1953年からほぼ10年間にわたって、イスラム教指導者を中心とした独立闘争を行いました。

 しかし、反乱は失敗。しかし、インドネシアの初代大統領スカルノはアチェを自治州として認め、ある程度の自治権を認めました。

 しかし、スカルノから権力を奪い取ったスハルトが大統領につくと、彼はアチェの豊かな石油・ガスなどの天然資源や森林資源などの権益を中央政府のもとにおき、またジャワ人などを移民させ、アチェの独自性を事実上反故(ほご)にしてしまいます。

 そこで、このような収奪に対し、資源をアチェ人のもとへとりもどそう、というのが、アチェの独立をのぞむ2つめの理由となりました。

 1976年には、現在も武装闘争を展開するGAMが結成。中央政府は、アチェを事実上の戒厳令地域である軍事作戦地域(DOM)に指定し、徹底的な弾圧を行います。非常に多くの人が殺害されたばかりか、行方不明になったり、レイプされたりした人たちも多くにのぼったようです。

 DOM指定はスハルト政権の崩壊により解除されましたが、依然として地域の不安定さは残ったまま。1999年にはGAMによる「独立宣言」が出され、国軍とGAMの衝突は逆に激しさを増してしまいました。

 そして今回の和平決裂。アチェに平和が来る日は、いつのことなのでしょう。

 そしてそして、さらにインドネシアには、ほかにも独立を訴える地域がこんなにもあるのです。そのあたりについても、解説していきましょう。
以上二ページ目の内容
以下三ページ目の内容
インドネシアの地域紛争は、これだけではありません。

 たとえば、イリアンジャヤ(西イリアン)。ここはパプア系の住民が多い地域で、旧宗主国オランダの思惑もあり、1963年にやっとインドネシアに併合されたのでした。

 しかし、パプア系住民の独立を願う気持ちは強く、はやくも1965年、「パプア独立組織(OPM)」が結成され、ゲリラ活動を行ってきています。

 ここにも豊富な地下資源があり、中央政府が権益を狙っていることが、アチェとの共通点としてあげられます。

 また、インドネシアのアンボンという地域では、植民地時代にキリスト教に改宗した現地民が、移民してきたイスラム教徒と激しい宗教抗争を続けています。アンボンもまた、インドネシア建国期に独立を目指していたということがありました。

 世俗的な政策をとり、多民族国家をうたうインドネシア。それでも、このような紛争が絶えないのはなぜでしょう。

 やはり、いちばん大きな理由は中央政府がインドネシア各地の豊富な資源権益を収奪している、というところにあるのではないでしょうか。

 地域的な独自性の強いインドネシアで、自分たちの地域で環境破壊だけ行われ、富は中央に行ってしまう。とうぜん、不満を持つ人々は少なくないようでしょう。

 また、ここにきてメガワティ大統領の再選対策のため各地域の紛争を徹底的に鎮圧する、という動きも重なってきました。依然力を持つ国軍と歩調を合わせ、インドネシアからの分離独立は許さない、ということで大統領再選を狙っているということです。

 いずれにしてもインドネシアは20世紀になってできた「人工国家」(くわしくは「インドネシアとバリ島」をごらんください)。政府の大規模な掃討作戦で独自性の強い各地域の紛争がおさまるのかどうか、ちょっと疑問なところです。
引用ここまで URL http://allabout.co.jp/career/politicsabc/closeup/CU20030617/

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