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RENKの「日本米横流し」北朝鮮情報の信憑性と問題点(05/6/27)
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投稿者 ミネルヴァの梟 日時 2005 年 7 月 01 日 03:19:22: 7usxHQAUfPfZM
 

http://www8.ocn.ne.jp/~hashingi/page019.html#NK-J4
RENKの「日本米横流し」北朝鮮情報の信憑性と問題点(05/6/27)

 WFPピョンヤン駐在代表が「事実無根」と全否定
 6月21日、ソウル鍾路区体付洞にある「北朝鮮民主化ネットワーク」の事務所で同ネットワークと日本のNGO「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)」が「緊急記者会 対北援助物資 横流し現場」をもち、時事通信が「昨年5月の日朝首脳会談で合意し、日本から送られた援助米が住民に渡らずに横流しされ、市場で販売されているとして、日の丸が印刷されて『日本政府寄贈』と書かれた袋が売られている映像を公開した」と報じた。
 脱北ビジネスが横行し、北朝鮮情報が高額で売買される最中、この種の情報は慎重な検証が必要である。
 日本の新聞各紙の反応を見ると、「日本政府が北朝鮮に人道支援として送った食糧が市場に出回り、支援物資が横流しされた可能性の高いことが、ビデオで裏付けられた」(産経新聞22日)、「日の丸などが印刷された食糧袋入りのコメが市場で売られている『証拠写真』を公開した」(毎日新聞同)などと報じた。毎日は「証拠写真」と括弧を付けて慎重を期しているが、産経は「ビデオで裏付けられた」とほとんど鵜呑み調である。
 各テレビ局も競って報じ、記者会見に出たRENK代表の李英和・関西大教授の主張に沿って、RENK提供のビデオを流した。そこには安州市の市場の模様が映り、WFPの紋章と「日の丸」が大書され、英語と朝鮮語で「世界食糧計画」と書かれた、コメと思われる食糧袋がはっきり認められた。李氏は、「これは、昨年5月に小泉首相が二度目に北朝鮮を訪問した際に表明した25万トンの食糧援助のうち、実施された12・5万トン(約4000万ドル相当)の一部である」と断定した。映像で見る限り、袋は世界食糧計画(WFP)を通じて送られたパキスタン米のものと思われるが、中身は不明である。なお、市場ではコメはキロ1000ウォンで売られていた。
 しかし、相変わらず勉強不足だ。
 一局(どれかは忘れたが)を除いて、どのテレビ局も「闇市で売られている」と見出しを付け、説明していたが、今の北朝鮮に、闇市はない! 北朝鮮は02年7月1日に闇市を公認し、今はすべて誰でも自由に入れる市場である。
 「そうだ、そうだ」といった類の無責任な調子合わせはあるが、検証らしきことはほとんどない。日本のメディアには、「北朝鮮に関してはどんないい加減なことを言っても、いちゃもんめいたことを言っても許される」といった風潮がいまだに残ると言われる。拉致問題への腹いせでもなかろうが、もう少し冷静に、理性的になるべきであろう。
 ついでに言うと、李英和氏が“朝鮮語らしき言葉”を話していたが、脱北者らとの意思疎通を図ろうとするならもう少し勉強する必要がある。 
 結論から言えば、「日本の支援物資を横流し」は誤報の可能性が高い。
 当のWFPは、李氏らの記者会見翌日、李氏らの主張を「全くの事実無根」であると否定している。私が直接WFPに問い合わせたところ、ピョンヤン事務所長のRichard Ragan名による「北朝鮮での食糧配分についての主張への解答」なる英文声明がメールで送られてきたので、要約を紹介する。

 「WFPは9年前に活動を開始してから、支援食糧を入れた160万個の袋を配ったが、どの国もそうするように、北朝鮮でも袋は再利用されている。WFPは問題のNGO(RENKのこと)が問題とする袋も再利用されたことを少しも疑っていない。日本の国旗が付いた袋は船便で到着後にすべて空にされ、再利用されたものである。配給を監視するWFPメンバーはそれを見ており、また、北朝鮮の農民が自己の生産物をそうした袋に詰め、真新しい装いで大量に送り出されるのも目撃している。
 WFPは、問題のNGOが数百万の飢えた北朝鮮住民に食糧を届けようとしている我々の努力を水泡に帰すような主張をしていることが残念でならない」

 現地で長く配給に携わってきた国際機関であるWFP現地責任者の言うことだけに、外部からうかがうだけの李氏よりもはるかに信憑性はある。袋は再利用されたものであろう。

 中川昭一、安倍晋三両氏と事前に打ち合わせた!?
 「日章旗のついた袋」はビデオにあるように事実だが、「横流し」云々はいつものように李英和氏の自己流の解釈である。
 当初、北朝鮮では援助物資が政府機関や軍に横取りされたり、飢えた住民に届きにくかった。そのまま市場に流されて暴利を得るために利用されることもあった。WFPなどはそれに気付いて是正を求め、今ではそうしたことはほとんどなくなっている。
 李英和氏らは、支援米を打ち切らせるために、過去の話を誇張してしゃべっていると見られる。
 それをうかがわせるような書き込みが、6月22日付で同ニュースを写真入で報じた中央日報記事に散見される。なお、インターネット普及率で世界ダントツの韓国では、ブログが流行で、すべてのテレビ、新聞のオンライン記事には書き込み欄があり、読者が感想や情報を寄せ、意見を闘わせている。
 特に、李氏と行動をともにしていると思われるハンドルネーム「ソウル在住3年」の書き込みは興味深い。
 「この会見現場に同席する機会があり、行ってきました。この会見の前後李英和氏とも数時間にわたり話をさせていただく機会もありました(会見現場に一緒にタクシーで行きました)。・・・横流しなぞすでに分かりきったことでしょうが、これを撮るため、命がけで北に潜入した協力者がいます。そしてなにより、袋に日本の国旗を入れるべきだとこの方が中川経済産業相、安倍副幹事長に働きかけて今回初めて国旗が入り、証拠の撮影ができたそうです。そしてこれは、最近関心が薄れてきている拉致被害者家族の横田滋さんへのプレゼントだと真剣に言っていました。注意喚起するためのね」
 「中川経済産業相、安倍副幹事長」云々の部分が事実かどうかは、今後、李氏はもちろん、中川、安倍両氏にも確認する必要がある。書き込みはログインが条件だから、本人確認は難しくない。
 しかし、仮に事実なら驚くべきことで、李英和氏は中川昭一経済産業相、安倍晋三・自民党幹事長代理ら日本政府与党要人と、援助米に日本国旗のロゴを入れるように事前に入念に打ち合わせ、横流しの「証拠」を撮るために「協力者」を送り込んだ、ということになる。
 事と次第では、国際的な外交問題に発展しかねない重大事である。

 「密入国」を犯した疑惑
 国境を越えて罠を仕掛けるなど、ちょっとした劇画もどきのプロットであるが、これをどう理解するか、意見の分かれるところである。
 RENKのように、北朝鮮への不信感に凝り固まり、金正日政権を打倒しない限り何も変わらないとして、食糧を一切断つ兵糧攻めにし、多少の餓死者が出てもかまわない。そのためには手段を選ばず、日本など海外からの食糧支援横流しの「証拠」を掴んで反北朝鮮世論を喚起する、とするなら、こうした謀もやむなし、ということになるのかもしれない。 
 しかし、北朝鮮で活動する最大の人道支援団体であるWFPのように、北朝鮮当局に是正を求めながら、歩一歩改善を重ね、飢えている人々に救いの手を差し伸べている立場からは、相手側を無用に刺激し、これまでの努力を台無しにしかねない背信行為と映るであろう。
 実際、北朝鮮に「協力者」を送り込むRENKの方法は重大な問題を孕んでいる。現地の朝鮮族が雇われる場合が多いと聞くが、「カネに物を言わせる強引な方法は反発を引き起こしている。北朝鮮ばかりか、中国当局にまで睨まれ、平穏な朝鮮族社会に不安と混乱を引き起こしている」と李氏らを非難する声が現地の朝鮮族社会に高まっているのを知っているのだろうか。
 延辺の朝鮮族自治州には約200万人の朝鮮族が住んでいる。私が聞いた朝鮮族の研究者によると、30万人前後が北朝鮮から来た人で、大半は人手が少ない農家の嫁になったり働き手となり、わずかながら北朝鮮へ仕送りしながら、ひっそりと暮らしてきた。ところが、「脱北者」が騒がれ、「脱北」を手引きするブローカーらが入り混じって暗躍するようになってから、状況が一変したという。
 RENKの背後に何者が存在するのか定かでないが、仮に、北朝鮮に密かにもぐりこませた「協力者」が国境の検問を逃れた密入国としたら、ことは犯罪行為である。
 そこまではないと思うが、中川、安倍両氏がそれを承知していたとしたら、他国の主権を侵害する違法行為を日本の現職の閣僚と公党の幹事長代理という要職にある人物が、教唆、ないしは、幇助していたということになり、国際問題化することは必至である。

 人道問題と政治問題を混同した独りよがり
 また、李氏は「横田滋さんへのプレゼントだと真剣に言っていました」というが、事実なら、拉致被害者をもてあそぶあるまじき行為、と言わねばならない。独りよがりな売名行為の謗りを受けても弁明の余地があるまい。
 中央日報記事書き込みにはこんなものもあった。「李英和氏に確認しましたが、22日夜から23日いっぱい、韓国の政府機関から数十回に渡り『帰国勧告』の電話が入っているそうです。そこで、24日政府関係者に会うことになったそうで、そこで、出国させられるかが決まるということです。自由民主主義の国なら、こんなことはありえない!と主張し抵抗を試みるようです。氏は北寄りの韓国、言論の自由が保証されていない現状の韓国に半ば絶望しており、そこで敢えて抵抗するためこの会見を韓国でおこなったようです」
 これが事実なら、人道問題と政治問題を混同した李氏の独りよがりは、常軌を逸していると言わざるを得ない。言論は自由だが、自ずと責任というものがある。
 「密入国」という非合法の疑いがある活動を放置することは一般論としても、また、北朝鮮と南北対話を進めている韓国政府の立場としても許されることではない。それを「自由民主主義の国なら、こんなことはありえない!」と抗議するなど、身勝手な履き違えと言うべきものである。
 李氏はどうしても記者会見を開きたいというなら、ソウルではなく、東京で、中川、安倍両氏同席の下に包み隠さず真相を明らかにすべきであったろう。
 
 食糧支援を「カード」にする米国、「袋に日章旗」を付ける日本
 WFPワシントン事務所は6月24日、米政府が22日に発表した北朝鮮に対する食糧支援に関連して声明を出し、「北朝鮮は収穫前の食糧不足時にさしかかっており、WFPの(支援食糧)備蓄は危険な水準まで下がっている」と、他の関係国の緊急援助を求めた。
 それによると、北朝鮮では過去1年間だけで米の価格が4倍、トウモロコシは5倍に跳ね上がった。市場での自己調達へと切り替えつつある北朝鮮政府は、国民への食糧配給を段階的に減らしており、1日1人当たりの穀物配給は300グラムから05年1月には250グラム(最低必要カロリー量の40%水準とされる)に減らされ、近い将来、200グラムに減らされるとの情報があるという。
 WFPは今年、650万人が飢餓に瀕しているとして50万4000トンの支援を呼びかけた。現時点では24万トンが確保され、その大半はすでに配分された。米政府が支援表明した5万トンを入れてもまだ20万トン以上足りない計算となり、200万人に対する支援の削減が検討されている。
 こうした北朝鮮の食糧危機の原因は、固有の内的要因以外に、米国の経済封鎖も大きい。しかし、それもようやく解かれる雰囲気になってきた。
 なお、北朝鮮は「食糧問題の解決」を今年の主要課題に掲げているが、大洪水や日照り被害の復旧や、市場での売却利益を見越した農民の生産意欲の増大で、ここ数年少しずつ生産が上向いてきており、私は、相当な前進があるものと見ている。
 米政府は、5万トンの食糧支援を行うことを決めた声明で「北朝鮮当局の政策に対するわれわれの懸念とはかかわりなく、困難な状況にある北朝鮮国民の救済が目的だ」とあくまで人道支援であることを強調した。さる5月のWFPの緊急支援アピールを受け、北朝鮮の食糧不足量、同国以外の各国の食糧事情、軍への転用を防ぐ監視体制の三項目について検討、支援を決定した。米国は北朝鮮に一昨年10万トン、昨年5万トンの食糧を供与している。 
 だが、6月17日に金正日総書記が韓国の鄭東泳統一相に6者協議について「七月再開可能」と伝えたことを受けて「食糧支援というカードを切った」とする見方が支配的である。外信も「米国は6者協議復帰に関して何らかの良好な感触をすでに得ているのではないか」という観測が米国内で広がりつつあると伝えている。
 米国は、安全の保証、武力不行使の確約とともに、北朝鮮を6者協議に引き戻すために即効性が期待のできる「切り札」として食糧支援を温存してきた。
 日本にはそうした深謀遠慮がなく、常に場当たり的である。三人集まれば文殊の智恵というが、「袋に日章旗を付ける」程度の子供だましみたいな智恵しか浮かばないようでは、先が思いやられるというものである。

   関連情報↓

 中川昭一、安倍晋三両氏に質問のメールを送致(05/6/28)
 事実関係確認のため、以下のようなメールを05年6月28日付で両氏のHPに公開されているメールアドレスに送致した。
 前略
 突然ながら、一つ確認いたしたい儀がございます。
 先頃NGOのRENKが、北朝鮮が日本の支援米を横流しした現場を撮ったとするビデオを公開しましたが、問題の袋に日章旗を付けるのは李英和氏が中川昭一、安倍晋三両氏と相談して決めたとの投書がありますが、事実でしょうか。
 なお、私はこの件に関してHPでコメントしています。
 「RENKの「日本米横流し」北朝鮮情報の信憑性と問題点」http://www8.ocn.ne.jp/~hashingi/page019.html#NK-J4
 現在、日朝関係に関する本を執筆するため資料を集めている最中であり、この件に関しまして関係者の意見を求めるのが筋であろうと考え、とりあえずメールでお伺いしているものです。
 それ以外に他意はございませんので、あしからずご了承ください。
 2005年6月28日 河信基

 RENKが写真公表(05/6/30)
 
 RENK速報 No.8(2005年 6月21日)によると、今回公表したビデオ画像(写真左=市場入口、中=とうもろこしを売買、右=問題の袋)は、05年4月26日午前11時ごろ、ピョンヤンから中国国境の新義州のほぼ中間地点に位置している平安南道安州市にある「南興(ナムフン)市場」で撮影された。「撮影者は、北朝鮮民主化運動に献身している脱北青年の金萬鉄(キム・マンチョル=仮名)氏で、この間、勇敢にも中朝国境を頻繁に往来しては北朝鮮の実状を次々と映像におさめたり、北朝鮮当局の公式文書を大量に入手し、外部世界の人々に対して注目を呼びかけている」

 フォトジャーナリストの伊藤孝司氏の反論(05/6/30)
 薔薇に寄せた声明は要旨、次の通り。
 日本政府による支援食糧が「横流し」されたという悪意に満ちた宣伝がいまだに行われていることに驚く。 
 私は昨年、10月7〜23日までDPRKでの取材を実施し、WFPピョンヤン事務所の全面的な協力が得られたため、日本政府から最初に届いた支援食糧について取材を行うことができた。(TBS系列「報道特集」04年11月7日放送、月刊「現代」04年12月号、「週刊金曜日」04年11月19日号に発表)
 WFPはピョンヤン以外に5カ所の地方事務所を持ち、34カ国から40人のスタッフを配置して、毎月500回もの監視活動を実施してきた。米国人のリチャード・ラガンWFPピョンヤン事務所代表は「私たちは監視活動によって、支援物資は住民たちに確実に渡っているとはっきり言える」と語っている。
 私は穀物袋が再利用されている光景を見たことがある。ピョンヤン市内の「統一通り市場」の穀物売り場では、WFPや韓国政府からの食糧支援で使われた古い袋が並んでいた。破れた箇所は丁寧に補修して使っていた。また、チョンドン協同農場の精米所にはWFPの表示がある空の穀物袋が大量に積まれ、農場で収穫した米を詰める作業が行われていた。
 RENKが横流しの証拠とした穀物袋は、かつての食糧支援で使用された袋が再利用されたものであるのは確かだ。WFPは今までにもこうした映像が公表されるたびに、再利用の袋であると反論してきた。RENKが同じことを繰り返すのは国際社会によるDPRKへの食糧支援を破綻させようとしているとしか考えられない。
 WFPの食糧は社会的弱者に対して支給されており、その活動を妨害すれば子供やお年寄り、妊婦などの命を確実に奪うことになる。日本の新聞・テレビ・通信社の多くは、RENKの発表をそのまま報じた。WFP日本事務所に電話取材さえしていない。RENKによる事実に反した発表をそのまま流すならば、DPRKでの多くの庶民の餓死に加担することになる。

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