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『つくる会』教科書攻防 【東京新聞 特報 8月6日】
http://www.asyura2.com/0505/war72/msg/1013.html
投稿者 木田貴常 日時 2005 年 8 月 06 日 18:49:48: RlhpPT16qKgB2
 

(回答先: Re: 8月4日杉並についての記事4点 (つくる会のは↑) 投稿者 木田貴常 日時 2005 年 8 月 05 日 15:37:51)

『つくる会』教科書攻防
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050806/mng_____tokuho__000.shtml


 来春から中学校で使う教科書の採択で、地域の教育が揺れている。東京・杉並区教委をはじめ、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の扶桑社版を使う動きが現れて、採否についての攻防が激しくなった。「つくる会」の教科書は「日本の戦争を美化している」などと批判がある。教室で使うのにふさわしい教科書選びをめぐる問題とは。

■町田市教委では扶桑社版“落選”

 五日午前、教科書を決める東京・町田市教委の会議には、傍聴希望の市民百人余りが詰めかけ、立ち見も出た。

 町田市では事前に、「つくる会」教科書に共感を示した委員がいたことから、市民の間には「扶桑社版が採択されるのでは」との見方が強まった。採択に反対する立場の市民グループが見守る。

 まず、「教科書展示会」を見た市民の意見が紹介される。扶桑社版の歴史教科書には「三十四件の肯定的意見、六十三件の否定的意見があった」。同じく公民は順に「二十件と五十四件だった」。いずれも否定的な意見が上回っていた。

 続いて、保護者や教員らでつくる調査協議会が、扶桑社など八社の教科書への評価を説明した。扶桑社版に対しては「わが国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる配慮がされている。日本国民としての自覚の育成・指導に重点がおかれている」との判断を示した。その評価がほかの七社より断然高いというほどではなかった。

 これを受け、五人の委員が意見を述べた。ある委員は「歴史の流れは扶桑社が、よく書けている」などと扶桑社をたびたびほめた。事務局員が投票箱を持って回り五人が投票すると、会場は一気に緊迫した。

 しかし、開票結果は「大阪書籍三票、東京書籍二票です」と扶桑社版は落選。続く中学用公民教科書でも扶桑社に票を投じた委員はいなかった。

 結果を見て、市民グループ「町田教育連絡会」の大島高行代表(45)は「市民の反対意見が賛成の倍もあったことが、委員の投票に影響したのではないか」と指摘した。

 プロテスタントのキリスト教徒が中心となる「町田から平和と人権を考える会」のメンバー(47)は「扶桑社の教科書が採択されないということで、ほっとしていてはまずいだろう。出版社も食べてゆかねばならない。今後、心ならずも愛国心教育に迎合した教科書を作らざるを得なくなってゆくかもしれない」と、不採択の結果にも慎重だ。

 前日の四日、杉並区教委は中学校の歴史教科書選びをめぐり決定を十二日に持ち越した。会場の杉並区役所には傍聴を求めて約五百人の市民が集まる中、教育委員の意見も割れ、議論が紛糾した。

 「杉並の教育を考えるみんなの会」のある母親は「つくる会の教科書は、日本に都合が悪い歴史事実を伏せる点で危ない歴史観ではないか。子どもには渡せない。もし、採択されたら公立学校には通わせられなくなってしまう」と話す。

■「杉並区民は無関心過ぎる」

 別の区民は「杉並区は住民運動が根付いた先進地域のイメージがあるが、実は区民は無関心過ぎる。『リベラルでやり手』の印象を与える区長の下で、つくる会の教科書を支持しなかった区教育長が辞めていても、その事実に関心を持たない」と指摘した。

 一方、つくる会の教科書に賛成のプラカードを持った男性は「愛国心をバランスよく教え、生徒に国際感覚を身につけさせることが大切だ」と訴えた。

■大衆運動から地下的政治へ

 四年前の前回と比べ、今回の「つくる会」の動きについて「子どもと教科書全国ネット21」の俵義文代表は「つくる会は会員を毎年、倍加していくという方針が行き詰まった分、大衆運動より、文科省、自民党を巻き込んだ地下的な政治運動に変わった印象がある」と話す。

 それを端的に示す事例が二つある。つくる会教科書の白表紙本の漏えい問題と、四月十二日付の「初等中等教育局長通知」だ。

 白表紙本とは文科省検定に提出された各出版社の申請本に当たる。過去に内容が漏れて中国、韓国などから検定中に非難を受けたとして、つくる会自らの訴えで「教科書用図書検定規則実施細目」により、都道府県教委などへの事前配布が禁じられた。

 しかし、実際は扶桑社が、少なくとも一都一府十七県で教育委員会関係者らに「営業狙い」とみられる事前配布をしていた事実が判明。昨年七月にはこうした漏えいが指摘され、文科省が同社に管理を指導したにもかかわらず配布が続けられた。しかも文科省のおとがめはなく検定も通った。

 四月の通知については、事前に文科省の教科書担当課長らが三月初旬、つくる会支持の自民党議員の集団「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の会合に出席し、内容を公表。

 「選定資料について」として、学習指導要領を盾に歴史では「文化と伝統の特色」「神話・伝承」「明治維新」、公民では「北朝鮮による拉致事件」「領土問題」「国旗・国家」「家族共同体の意義」などの観点から、各教科書を比較するよう求めると明かした。

 関西大の上杉聰講師(日本史)は「明らかに、つくる会教科書の採択に有利なように、文科省の指導により、評価の数量化を狙ったもの」と指摘する。

 これを受け、東京都教委は「わが国の歴史に愛情を持てる内容か」「神話を扱っているか」などを採択基準にするよう、杉並区をはじめ区市教委に示している。

■採択終了までつくる会は静観

 神奈川県議会はことし三月、教科書採択に当たり教組が内容に口を出さないよう求める請願を採択した。前回二〇〇一年の時点から既に政府委員会の通知により、「一九九七年の採択までは存在していた通称『学校票』がなくなった。現場の教員の声は反映されない」状態にある。それが一段と強化された。こうした請願のひな形は「つくる会が準備した」(前出の俵氏)との指摘がある。

 つくる会は現在、全国の採択が終わる八月末までは各教委の採択が適正に進むよう、影響を考えてコメントしないとの立場だ。

■「全国584地区で1%程度か」

 八月五日現在、つくる会教科書は、公立校では都立中高一貫校四校の歴史、都立ろう学校、肢体不自由養護学校などで歴史、公民の双方、栃木県大田原市も双方の採択が決まっている。

 すでに全国五百八十四に分かれた採択地区のうち六、七割の採択が決着した。結果について、俵氏は言う。

 「当初、つくる会は全国で10%の採択を得ると豪語していた。しかし、結果は1%行くか、行かないかだろう」


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