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南京事件・勝谷誠彦氏はなぜこんな愚かな文章を書いたのか?【クッキーと紅茶と】
http://www.asyura2.com/0505/war72/msg/707.html
投稿者 匿名取締役 日時 2005 年 7 月 27 日 10:38:15: Sq.WGPPrkYiuo
 

(回答先: 櫻井よしこさん、これは意図的デマですか(南京事件関連)【クッキーと紅茶と】 投稿者 匿名取締役 日時 2005 年 7 月 27 日 10:13:36)

http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20050303【クッキーと紅茶と】

2005-03-03 勝谷誠彦氏はなぜこんな愚かな文章を書いたのか?

結局2月は仕事とインフレエンザで終わってしまいました。

さて、たまたま目にした勝谷誠彦氏の文章に関して、多少の考察。

勝谷誠彦氏が「SPA」05年3月8日号の巻頭頁にて、「大地震と南京事件」と題したコラムを発表している。リードには「津波の犠牲者30万人。同数の遺体を南京市内に埋めたらどうなるか?」とある。

勝谷氏の発言を引用する。

南京市の城壁は総延長34キロ。数キロ四方の街の中にスマトラ沖地震で生じた遺体全てを入れたらどうなるか。それこそ枡に遺体を盛ったような状態であり、それが事実であれば前代未聞の光景としてその様子はもっと世上に流布したであろう。以上、遠慮がちに言ってみた。読者諸兄の想像力を喚起するためである


これは旧東京市内で30万人死んだとして、山手線の中に30万人遺体を入れたらどうなる?と述べているのに近い。旧東京市には隅田川河畔もあれば荒川河畔も佃島も大森区・蒲田区もある、それらを無視して「どうなる?」と問いかけているのに等しい珍妙な話だ。

本エントリーでは、基礎知識を確認した後、勝谷氏の発言の珍妙さを指摘し、なぜこのような発言がなされたか推論する。

はじめに;基礎知識。

(1)当時の「南京市」の空間範囲

このサイトに略図があります。

http://www.geocities.jp/yu77799/jinkou.html

南京城の数倍の面積があります。

(20:45補足 当時の南京市は、南京城の内側である城内地区、下関など南京城に隣接した城外地区、さらに3つの郷区(燕磯区、孝陵区、上新河区)で構成されています。決して南京城の内側だけが南京市ではない)

(2)中国の言う「虐殺事件」の空間範囲

南京軍事法廷で中華民国側が「虐殺が行われた」と主張した地点は、このサイトを参照。

http://www.jca.apc.org/JWRC/exhibit/China23.HTM

上で紹介した「南京市」のほぼ全域に重なります。とりわけ、13カ所の大規模虐殺地点が掲載さていますが、そのうち12カ所が南京城の外側です。

(3)中国の言う「埋葬地点」

南京軍事法廷で中華民国側が「虐殺が行われた」と主張した地点は、このサイトを参照(注;ここでは主な2団体の埋葬表を紹介。この他南京市衛生局、紅十字など中小規模の埋葬記録あり)。

http://members.at.infoseek.co.jp/NankingMassacre/mondai/maisou/koumanjikai.html

http://members.at.infoseek.co.jp/NankingMassacre/mondai/maisou/suzendou.html

城内埋葬数よりも城外埋葬数のほうがずっと多い。城内約1万体に対し城外約14万体。これら以外に、日本軍が揚子江に流したというのが中華民国(南京法廷)の主張。

おさらい。

・南京市の空間範囲は南京城内よりずっと大きい。
南京城の内側は南京市の一部にすぎない。
・中国側は、虐殺が南京城の内側だけで行われたと主張していない。
・中国側は、埋葬の大部分が南京城の外側で行われたと主張している。

本論;勝谷氏の発言の珍妙さ

南京市の城壁は総延長34キロ

「城壁の総延長34キロ」自体は事実。

ところが、城壁は南京市内と南京市外を区切る境界ではない。南京城内は南京市の一部にすぎない。南京市の城壁という表現は適切とは思えない。普通は「南京城の城壁」と書くところだし、「南京市」という表記にこだわるなら「南京市内にある城壁」と書くべきだ。

しかし、そもそも南京城の城壁の長さを持ち出すのは、限りなく無意味に思える。


「数キロ四方の街の中にスマトラ沖地震で生じた遺体全てを放り込んだらどうなるか。それこそ枡に遺体を盛ったような状態であり、それが事実であれば前代未聞の光景としてその様子はもっと世上に流布したであろう。」


数キロ四方の街=南京城内=南京市の一部でしかない。

しかも中国(南京軍事法廷)の提出した資料では、大部分が城外で埋葬したとある。

つまり、南京城内に20万30万の遺体を放り込むというシミュレーション自体、中国の主張の真偽の検証にはまったく意味をなさない。

以上、遠慮がちに言ってみた。読者諸兄の想像力を喚起するためである」

どうみても間違った方向に喚起していると思う。

まとめ;推論

勝谷氏の発言がなぜこのような可能性になったのか、考えられる可能性は2つある。

【可能性その1】

勝谷氏は、「南京市は南京城よりずっと広い」「虐殺地点は南京市全域」「埋葬の大部分は城外」という基礎知識がなかった。

基礎知識を欠いたまま「読者諸兄の想像力を喚起」すべく「シミュレーション」を提示した。しかし基礎知識を欠いていたため、結果として的はずれのシミュレーションとなった。

この場合、勝谷氏は愚かだというしかない。

さらに、結果として「印象操作」がなされたと言えるだろう。

【可能性その2】

勝谷氏は、「南京市は南京城よりずっと広い」「虐殺地点は南京市全域」「埋葬の大部分は城外」という基礎知識を知りつつ、あたかも南京市=南京城内、虐殺地点おか=南京城内、埋葬=南京城内というモデルを前提に、「読者諸兄の想像力の喚起」を試みた。

この場合、確信犯的な「印象操作」が行われたと言える。

そのような印象操作を確信犯的に行った勝谷氏は、やはり愚かだと思わざるをえない。

どちらの場合であっても、勝谷氏の責任、そして掲載したSPA編集部の責任が問われるのは避けられないように私には思える。

ちなみに、私は30万人説を支持する者ではない。犠牲者の数は検証困難だと認識している。



http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20050307【クッキーと紅茶と】
2005-03-07 勝谷誠彦氏コラム問題 南京を東京に置き換えると

■ たとえ話 ○京虐殺事件と雑誌SP●!

3月3日のエントリー「勝谷誠彦氏はなぜこんな愚かな文章を書いたのか?」に多くのアクセスをいただきました。ただ論文みたいな文章で、少し読みつらく感じた方もおられるかもしれません。今回は、勝谷氏コラムの問題を、架空の「東京虐殺事件」のたとえ話を借りて書いてみます。(ここでいう「東京虐殺事件」は架空であり、実在した東京大空襲とは異なります)

[フィクション]ライターK.M氏のコラムと雑誌SP●!編集部員のコメント。

ライターK.M氏のコラム原稿。

東京市の境界である山手線は総延長34キロ。数キロ四方の街の中にスマトラ沖地震で生じた遺体全てを入れたらどうなるか。それこそ枡に遺体を盛ったような状態であり、それが事実であれば前代未聞の光景としてその様子はもっと世上に流布したであろう。以上、遠慮がちに言ってみた。読者諸兄の想像力を喚起するためである。


これに対する、SP●!編集部員のコメント。

・事実関係を確認しました、当時の東京市は山手線の内側だけではありませんよ。山手線は東京市の境界ではありません。

・そもそも日本側は、大規模な殺害はほとんど山手線の外側だと主張していますよ。築地、汐留、佃島、羽田‥。それらの地域で殺害した死体を、わざわざ山手線の内側に埋葬するなんてありえないでしょうに。

・それに日本側は、新宿や赤坂や青山などで捕捉した人間も、多くは湾岸の築地や芝浦に連れ出してから殺害していると主張しているのですよ。ちなみにナチスも、ゲットーのユダヤ人を都市内で殺さず、近郊の森の中まで移送してから殺害し死体を遺棄しています、占領地のリトアニアやラトビアなどでは。

・さらに、日本側の埋葬記録によると、山手線の外側での埋葬数14万以上(占領軍の遺棄した死体を加算するとそれ以上)に対し、内側での埋葬数は1万ですよ。

いいですか、山手線の内側に埋葬した死体は1万体なんですと。「20万〜30万」とは全く主張していないのです、日本側は。

・私は、貴方の意図が理解できません。日本側が埋葬数「1万」と言ってる山手線の内側に「30万の死体」?それを読者に「想像してほしい」?そんなこと想像させてなんか意味があるのですか。これはあなたの無知ゆえですか、それとも意図的ですか?

・‥つまりあなたは、「ありえなーい」というイメージを強化するように読者を誘導しようとしているのですね。日本側がありえないデマを流布しているという印象をSP●!という大媒体でばらまきたかったのでは。この国の人間のほとんどは、当時の東京市の境界など知りませんから、多くの読者はK.Mさんの意図通りの反応を示すでしょう。でも、小誌としてはこの原稿では掲載できないという立場です。再考をお願いします


言うまでもなく、このたとえ話の「東京」を「南京」に、「山手線の内側」を「南京城」に、旧東京市の地名を旧南京市の地名に置き換えると、3月3日エントリーで指摘した勝谷誠彦氏の文章に当てはまる…ある点を除いて。

では、ある点とは何か。それは、上のたとえ話ではSP●!編集部員がファクトチェックの上問題点を指摘し掲載を認めなかったのだが、現実のSPA!編集部は勝谷誠彦氏の文章を「素通り」させたという点だ。

■ あんなイメージ誘導記事でも通用していく状況ってすごい

この問題に対する私の問題意識は、あのような文章を書いた勝谷氏の問題にとどまらず、あのような愚かな文章が通用してしまうような媒体(あるいは産経グループ)の状況、読者の状況の問題に重点が移りつつある。

たとえ話「○京虐殺事件」は必要に応じて続編をつくるかもしれません。



http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20050426【クッキーと紅茶と】

2005-04-26 勝谷誠彦氏にみる「流言飛語」の作法


先日の櫻井よしこ氏批判に続いて、またもや緊急エントリーです。しかも今回は直接近現代史ではない内容ですが要ご了承。

勝谷誠彦氏については、拙ブログ3月3日にて正面から批判しましたが、

「2005-03-03 勝谷誠彦氏はなぜこんな愚かな文章を書いたのか?」

http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20050303

「2005-03-07 勝谷誠彦氏コラム問題 南京を東京に置き換えると」

http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20050307

今度は、昨日の痛ましい事故の直後にこんな発言をした。


2005/04/25 (月) 号外。福知山線事故を巡る放送中止といくつかの情報

実は昭和53年にこの尼崎駅からわずか2、3キロ神戸寄りの場所で当時の国鉄は貨物列車の大事故を起こしている。12時40分ごろ香椎操車場発東京貨物ターミナル行きのフレートライナーが脱線、巨大な貨車20両のうち11両が線路をふさいで東西の流通に深刻な影響を及ぼした。その時も「脱線しようのない場所で脱線した」と言われたもので私の中では大きな謎として残っている。27年前のこの隣の立花駅での事故は人が亡くならなかったので関係者の中でも記憶が薄れているだろう。しかし国鉄から引き継いだ「妖怪」をまだ社内に飼っているJRを思う時カンのいい公安関係者ならばあまりの偶然にちょっと過去の資料を当たってみる気になるに違いない。下山事件以来日本の鉄道の線路には謎が埋まっているのである。ちなみに。立花駅大事故の2カ月前の8月12日は日中平和友好条約の調印日であった。この不思議な暗合をどう読み解くのかはそれぞれに任せたい。更に言えば事故当日の10月23日にはトウ小平副首相が来日している。「自衛隊の増強は当然」その時彼はそう言ってのけた。

(出典)勝谷誠彦 さるさる日記
http://www.diary.ne.jp/user/31174/


勘のいい公安関係者が「あまりの偶然」と認識するとは思えない‥だいたい、調印式の2ヶ月たってからの事故に意味があると本気で思っているのか?

内容の空疎さはさておき、この文章から読みとれるのは、煽動・煽りという勝谷の意図である。そして、見逃せないのは

どう読み解くのかはそれぞれに任せたい」

という表現をとっていることだ。

実は、拙ブログ3月3日で批判した「SPA!」巻頭コラムにおいても、同じ手法が使われていた。

以上、遠慮がちに言ってみた。読者諸兄の想像力を喚起するためである

予め勝谷自身の責任は回避されるような叙述である。煽っておいて責任はとらない、という手法か?


緊急エントリーなのでこれで終わります。怒りで頭が煮えたぎっています。

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