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[戦後60年」「『戦争責任』を再点検したい」(読売新聞)
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投稿者 彗星 日時 2005 年 8 月 15 日 11:41:43: HZN1pv7x5vK0M
 

8月15日付・読売社説

 [戦後60年」「『戦争責任』を再点検したい」

 60年目の「戦後」である。今年も、東京・九段の日本武道館で政府主催の全国戦没者追悼式が開催される。

 追悼対象者の中には、いわゆる「A級戦犯」も、含まれている。過去、その遺族らにも式典の招待状が送られてきた。しかし、そのことが、とりたてて国民の間で議論されることはなかった。

 他方で靖国神社への「A級戦犯」の合祀(ごうし)は、しばしば国内でも議論の対象となり、国際問題にもなってきた。

 戦争の記憶の風化がいわれるが、「A級戦犯」問題は風化していない。むしろ「60年」という区切りもあって、例年にも増して議論の熱度が高いようだ。

 「A級戦犯」問題の複雑さの表れといえるだろう。

 なぜ複雑なのかといえば、一つには、いわゆる「A級戦犯」とされた人たちも個々に見れば、「あの戦争」への関(かか)わり方は多様だったということである。

 たとえば、死刑になった7人の中で唯一の文官だった広田弘毅元首相については、極東国際軍事裁判(東京裁判)の判事たちの間でも意見が割れた。死刑確定は6対5の1票差だったという。

 靖国神社には、死刑の7人を含む「A級戦犯」14人が合祀されている。この中には、開戦回避に尽力し、開戦後も早期講和の方途を探り続けた東郷茂徳元外相がいる。

 こうした人物も「A級戦犯」と位置づけられていることが、議論を複雑にしている。

 ほかにも「A級戦犯」がいる。合祀された14人を含めて、全部で25人である。この中には、後に池田内閣で法務大臣を務めた賀屋興宣元蔵相もいる。重光葵元外相も含まれている。重光元外相の死去に際しては、国連総会で黙とうが捧(ささ)げられている。

 「A級戦犯」問題が風化しない要因として、さらには東京裁判そのものの「性格」についての疑問が付きまとっていることもある。

 インド代表のパル判事は、東京裁判そのものは勝者による敗者への「儀式化された復讐(ふくしゅう)」とし、被告全員を無罪とする長大な「パル判決書」を提出した。

 ただし、この「判決書」は、講和条約が発効して日本が主権を回復するまで、連合国軍総司令部(GHQ)により、公表、出版は禁じられていた。

 東京裁判の国際法的「性格」については、パル判事だけではなく、当時、欧米の多数の国際法学者などから疑問が投げかけられていた。

 たとえば、米国の最高裁判所のダグラス判事は「司法的な法廷ではなかった。それは政治権力の道具に過ぎなかった」と述べている。

 他方で東京裁判の間、裁く側の国際法違反や侵略行動も同時進行中だった。

 ソ連は約60万人の日本人捕虜をシベリアで奴隷労働に従事させていた。

 フランスはベトナムを、オランダはインドネシアをそれぞれ再び植民地化しようとして、現地民族独立軍と“再侵略戦争”中だった。

 今年5月7日、ブッシュ米大統領は、ラトビアの首都リガで、第2次大戦後の世界の枠組みを決めた米英ソ3国首脳によるヤルタ会談の合意について、「中東欧の人々を囚(とら)われの身とした歴史上最大の誤り」と演説した。

 いわば米大統領による「歴史の修正」である。日本にとってヤルタ会談は、米国がソ連に対し日ソ中立条約違反、日本侵略を誘った米ソ“共同謀議”の場でもあった。

 とはいえ、「あの戦争」が東アジアの人々に惨害をもたらしたことは間違いない。それは、いまだに歴史的負い目になっている。

 結果的に、欧米植民地の独立を早めたとしても、日本はそれを目的に開戦したわけではない。

 そして戦争は、日本国民をも塗炭の苦しみに陥れた。

 しかし、当時も開戦に反対した人たちは、政・軍・官・民の各界にも少なからずいた。それなのに、なぜ、あのような無謀な戦争に突入してしまったのか。

 対米英蘭戦争の責任は、東条英機内閣だけにあったのか。その前の近衛文麿内閣は、どうだったのか。対米英蘭戦争につながることになった日中戦争は、どういう人たちの責任なのか。広田元首相の死刑は不当だったとしても、責任はなかったのか。

 開戦後も、戦局の悪化にもかかわらずいたずらに早期講和への道を阻んで、内外の犠牲を増やし続けていった責任はどうなのか。

 東京裁判がきわめて疑問の多い粗雑なものであったとすれば、こうした「戦争責任」を、日本国民自らが再点検してみるべきではないか。

 戦勝国による政治的枠組みの中で規定された「戦犯」概念とは一定の距離を置いた見直しが、必要だろう。

 それは、「A級戦犯」14人を合祀した靖国神社の論理とも一定の距離を置いた見直しでもあろう。

 「60年」という区切りにどういう意味合いがあるにせよ、そうした国民的な歴史論議を始める「時代の節目」を迎えているのではないだろうか。
(2005年8月15日2時0分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20050814ig90.htm

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