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投稿者 ウソ捏造工場 日時 2006 年 1 月 04 日 22:30:31: OszuLYfIhReeI
 

無線ICタグを使った電子ナンバープレート導入へ 国交省版Nシステム!? あなたのクルマの走行履歴も追跡可能

2005年10月25日

来春から金沢など一部地域で試験運用
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「いつ、どのクルマが、どのポイントを通過したか」を国が管理する。しかもその情報はすべてデータベース化されてサーバーに蓄積されるので、リアルタイムはもちろん時間をさかのぼって自由に検索したり調査できる――まるでSF小説かマンガにでも登場しそうなことだが、にわかに現実味を帯びてきた。国交省が進める電子ナンバープレートシステム「スマートプレート」だ。その実態に迫った。(文・瀬下美和)

 今、RFID(Radio Frequency Identification)という技術が注目されている。これを利用した無線ICタグは、アンテナ付きのICチップを内蔵したタグ(荷札)から無線で発信されたデータをリーダー/ライターという装置で読み取ることで、物体や個人の認識をするというもの。JR東日本のSuicaなど、実際に利用されている例も増えている。この無線ICタグを自動車のナンバープレートに組み込んで利用しようというのが、国土交通省による電子ナンバープレート、いわゆる「スマートプレート」構想だ。

 一つの冊子がある。A4版カラー、総10ページ。白地の表紙の右下にはナンバープレートが描かれ、そこから電波を想起させる薄緑のラインが、「国土交通省」と書かれた文字へ向かって伸びている。「次世代のナンバープレート『スマートプレート』で安全で快適な自動車社会に!」 そんなキャッチコピーも表紙を飾っている。これは今年2月に国交省が作成したPRパンフレットだ。

 しかし、政府系研究機関に勤務するある人物は、この冊子に「この話は消えたはずなんだが」と目をみはった。スマートプレートとは、「要はクルマのナンバーに発信機をつけ、道路にアンテナを立てて、走行データを国が集めるという計画」。しかし、「クルマの管理はしやすくなるが、そんなことをしたら国民から反発が起きることは必至。仮にデータを集めても、こんどは民間企業が活用させろと言い出すだろうし、その方が威力を発揮するんだろうが、プライバシー侵害や情報漏洩など、いろいろ問題や事件を誘発する可能性が出てくる。どう考えても実現はムリだし、近ごろはうわさも聞かないので国交省もあきらめたのだと思い込んでいた」という。

 なるほど現在のナンバープレートも、外部から丸見えなのだからプライバシーなんて気にする必要ないという意見も一部にある。また現在の制度では、クルマの登録番号(ナンバープレートの番号)が分かれば、陸運局へ問い合わせるだけで簡単に所有者の氏名や住所を割り出すことができる。

 だが、人間の目と記憶力のようなあいまいな情報に頼るしかない状態と、それが電子データとして集められることでは意味合いが大きく異なるはずだ。電子化したデータなら検索やコピー、加工の容易性など、その性質がまったく違うからだ。たとえば、信号機に設置された読み取り装置は、あなたのクルマがその下を通った際にナンバーと日時のデータを勝手に収集する。いずれいろいろな場所に読み取り装置が設置されれば、ある特定のクルマがいつどこのルートを通って、どこに行ったのかがかなり正確にわかるデータが記録されることになる。ある自治体職員は不安をもらす。

「テロ対策なんて名目がついたら、交差点ごとにアンテナが付く事態になる。いくらなんでも、休日にクルマでどこへ買い物にいって、どこで食事をして、どのホテルに泊まったかまで、国に監視されたくはない」

タクシーとバスで試験運用

 スマートプレート導入に向けて着々と準備は進められている。すでに、「走行する自動車から発信したデータを読み取るための実験は終わって、技術的には可能なことはわかっています」(国交省担当者)。また、来年から千葉市と金沢市の2地区がスマートプレートを試験導入する予定だ。

 一つはJR千葉駅周辺のタクシー1200台を対象とするもの。千葉駅は千葉都市モノレール、京成線、JR東日本の3路線が乗り入れ、1日平均で10万 3618人(2004年度JR東日本)の乗降客がいる。しかし駅前にタクシープールがないため、客待ちのタクシー列ができ、慢性的な交通渋滞を引き起こしている。そこで、駅前から離れた地点にタクシーが待つための駐車場をつくり、必要に応じてタクシーを順次呼び出す方式を来年3月末から導入する。そのシステムにスマートプレートを利用するわけだ。あるタクシーが乗客を乗せて、駅前ロータリーから出る際に、その情報をスマートプレートから読み取り、自動的に駐車場に知らせが届く。それを受け、次のタクシーが駅前ロータリーに入れる仕組みだ。だが、この程度のシステムなら、人間がトランシーバーで連絡を取り合うだけでも可能なはずだ。

 もう一つは金沢市内を循環するコミュニティーバス3台にスマートプレートを装着するもの。運行ルートにある横安江町商店街の入り口と中央部に読み取り装置を設置して、バスが近づくと商店街内のスピーカーからそれを知らせるアナウンスが流れるようにする。開始は3月末ごろ。この商店街は市の歩行者優先モデル地区で、金沢市交通政策課によると、「歩行者の安全や利便性と、公共交通が共存できる方法を検討した結果がスマートプレートだった」という。

 だがクルマの走行記録を管理することに懸念はないのか。市の担当者はいう。「対象はバスなので、自家用車の問題とは一線を画していると理解している。ICチップに入るのは登録番号だけなので、個人情報には当たらないだろうと聞いている」。

 そもそもスマートプレートは、1999年秋に旧運輸省が設置した「ナンバープレートの活用方策等に関する懇談会」で提言された。2000 年度から「スマートプレート実用化に向けての検討調査委員会」が設けられ、技術実験や運用制度面の検討が重ねられてきた。PR向けのパンフレットには車両の情報を正確にすばやく識別でき、環境、交通安全、車検やクルマの整備、盗難防止・ナンバー偽変造の防止などの活用が想定できると、カラフルなイラストを交えて描かれている。さらにナンバープレートとの一体構造、書き込み情報の正確性、高いセキュリティーなどの特徴が並ぶ。だが、具体的な費用や運用ルールの記載はない。

 いくつかの資料で明かされた情報をつき合わせていくと、現在の計画ではICチップのデータ容量は2000バイト以下(セキュリティー階層のほかに、公的エリアと民間エリアを確保)で、ICチップに格納される情報は大型・小型の車両分類、低公害・燃料種別、ナンバープレートに記されている登録番号、車台番号・重さ・幅・高さなどの車両諸元情報など。

 このICチップと志向性の小型アンテナ、内蔵電池がクルマ前面ナンバーに埋め込まれる。ただしバイクの取り付け位置はまだ決定していない。使われる電波はクルマ専用の5.8GHz帯で、路側に設置したアンテナとのあいだで1Mbpsの速度で通信を行う。5.8GHzまで高周波になると、狭域通信となり通信エリアを限定できるが、同時に遮蔽物による影ができやすくなるので、必然的にアンテナは上方に設置する。クルマに搭載した無線ICタグはアクティブ型で、アンテナに近づくと反応して、通過する際に情報を発信する仕組みだ。

新しいクルマ社会のインフラ?

 5.8GHz帯を利用する似たようにシステムにETCがある。ETCとは何が違うのか。

「ETCは料金決済をするためのもの。必要な人が自分の意思で購入して取り付ける。スマートプレートは、新しい車社会のための共通インフラです。このインフラが整備されれば、交通渋滞や環境問題など自動車をとりまくさまざまな問題をIT技術によって解決できる可能性がある。クルマ社会をよくするための対策ツールです」。国土交通省自動車交通局の畑井慎司専門官はそう説明する。とはいえ、そのメリットとなると、「パンフレットに記載した例は、こんなこともできるということで、具体的にはこれから」(畑井専門官)という。

 アンテナを設置して、一台一台のクルマを電子的に識別するとなると、どのクルマが、いつ(日時)、どのポイントを通過したのか記録することになる。情報を制御、蓄積、管理するサーバーとデータベース、通信システムが必要になるはずだ。そうしたシステムを管理運用するセンターも必要になってくる。そのセンターでは、クルマの送信記録を蓄積したデータベースを自由に検索、走行記録を過去にさかのぼって調査追跡することもできるようになる。たとえば、移動ポイントと経過時間から走行スピードを計算して、速度オーバー車を抽出したりすることも瞬時にできるだろう。もちろん、蓄積したデータをそのまま警察などが利用できるわけではないと国交省は主張する。だが、読み取り装置を設置する主体はまだはっきりせず、たとえば警察が信号機に設置するとなれば、そのアンテナから集めたデータの利用を警察が主張しないはずはない。

 また同じパンフレットには、「近い将来全車に装着されることを目標として」とあり、ナンバーの取り付けを定めた道路運送車両法を改正すれば、外交官ナンバーのクルマや自衛隊関係の車両などの一部を除いて、国交省がナンバー交付する全車にスマートプレートの装着を義務化できる。「ですから、そういったことも含めて国民が自分のニーズに応じて判断をして、スマートプレートをつけて行けばいいと考えています」と畑井専門官は答える。

「6月から、情報通信技術の進展に対応した自動車の登録手続きの見直しを検討しています。年末までに『登録制度等の見直しに関する検討会』を5、6回開き、そこで報告をまとめる予定です。そういった事柄はすべてその場で、いろいろな方を招いてヒアリングをしたうえで、有識者の方に議論して頂いてます。その報告がまとまらないと何も決まりません」(畑井専門官)。その一方で、「技術的には完成したので、出そうと思えば、来年の通常国会に道路運送車両法改正を提出できます」とも語る。 法改正から施行まで大概は時間差があるが、車検有効期間は自家用車で3年間。法律が施行されたら3年ですべてのクルマのナンバーがスマートプレートに入れ替わることになる。

旧運輸省OBが要職を兼務

 00年度から05年度までの「検討調査委員会」(座長・原田昇東大大学院教授)のメンバーと、「登録制度等の見直しに関する検討会」のメンバー(委員9 人、オブザーバー4人)を丹念につき合わせていくと、興味深いことに、重複しているメンバーや所属団体が相当数あることに気づく。なかでも日本自動車工業会、日本自動車整備振興会連合会、全国自動車標板協議会からの委員は、出席者は別でも「調査委員会」「検討会」両方を兼務している。調査する側と、検討する側が兼務していたら、果たしてどこまで公平な議論ができるのか。

 また、自工会の下平隆常務理事が元運輸省自動車交通局技術安全部長、日整連の樋口忠夫専務理事が元運輸省交通安全公害研究所長、全標板の松木洋三会長が元運輸省関東運輸局長といったように、どれも典型的な旧運輸省OBの天下り先。スマートプレートを推進する自動車交通局の前身も運輸省だ。

 調査委員会が01年3月にまとめた報告書によると、スマートプレートを運用するには、ICチップ代や情報書き込み費、通信費など合計で新たに年間約 386億円の費用が必要で、その他にデータ読み取り機器(1台100万円)、コントローラー(1台300万円)、設置用ガントリー(1台300万円)などの機器がないとシステムとして成り立たない。さらにスマートプレートを使って排出ガス規制値の自動読み取りなどの行うには、上積みで費用が生じる。いざ、導入となれば、多大なコストのかかる公共事業になりそうだ。しかもスマートプレートの交付手数料は、現行のナンバープレート同様、クルマの持ち主負担で、「1000円ぐらいの上乗せが目標」(前出の畑井専門官)。

 こうしたスマートプレートに実態には批判や疑問の声もある。「総務省の住基ネットとつなげたら、世にもまれなスーパー管理システムになる。だが当面はタテ割り行政が安全弁として働き、そうした懸念は無用だろう」。個人情報保護法に詳しい岡村久道弁護士はそう言ったうえで次のように言う。

「まず十分な説明がされ、同意があれば、走行記録を国が管理しても問題はないが、いまの状況では、スマートプレートについて、どこまで国民が知らされているか疑問が残る。さらに安心・安全とプライバシーは常に緊張関係にあるものなので、その議論をしないで、一部の人間で制度作りだけを進めていくといびつな社会を招くことになる」。

 新たな国民監視装置になる可能性を指摘するのはNシステム(車両ナンバー自動読み取りシステム)に詳しい櫻井光政弁護士だ。運用次第では、(1)交通違反のような軽微な犯罪でも過去にさかのぼって捕捉できるので、法律を恣意的に運用できる、(2)社会的な信用を失墜させるために、権力者に批判的な立場の人物のスキャンダル暴露に利用される、(3)従来の人間関係をもとにした犯罪捜査の方法が変わり、クルマで通過した時間や地点といった条件さえ合致すれば捜査対象になり、冤罪が増える、と予想する。

「10月のモーターショーに出展する。国民への広報はしている」と国交省はいうが、実際どれだけの国民がスマートプレートの存在を知っているか。そもそも関係者の口が重いし、国交省も様々な事情が重なったとはいえ、なかなか取材に応じようとはしなかった。IT化が時代の趨勢とはいえ、なぜクルマのナンバーまで電子化しなくてはならないのか、その利用による具体的なメリットとプライバシーへの配慮、セキュリティーについてはなんら明確にはなっていない。現時点で見えるのは、新たな利権と国家にとって都合のいい管理システムの誕生だけだ。

(ASAHIパソコン2005年10月15日号News&Viewsから)

http://www.asahi.com/digital/apc/TKY200511110253.html

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