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無害の農薬の混合物が蛙を殺す 農薬が世界中の蛙の減少の一要因(農業情報研究所) ― 人間で起きないとは保証できない
http://www.asyura2.com/0510/bd42/msg/950.html
投稿者 シジミ 日時 2006 年 2 月 09 日 23:19:06: eWn45SEFYZ1R.
 

無害の農薬の混合物が蛙を殺す 農薬が世界中の蛙の減少の一要因ー米国の新研究
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/earth/chemical/06020901.htm

06.2.9

 ネイチャー・ニュースが、それ自体ではほとんど毒性のないいくつかの農薬の混合物が毒性を増し、蛙を殺すまでになったという新たな米国の研究について伝えている。この研究は、米国のトウモロコシ栽培で普通に使われているそれ自体ではほとんど無害な農薬が混合して排水中に”有毒なスープ”を作り出すことを示した。それは蛙の性的発達を妨げ、致死的な感染症にも罹りやすくする。研究者は、農薬が世界中で蛙が減少している原因の一つであることは間違いないと考えているという。

 Pesticide cocktail kills US frogs,news@nature,2.7
 http://www.nature.com/news/2006/060206/full/060206-4.html

この研究は、カリフォルニア大学・バークレー校のTyrone Hayesが率いる環境毒性学者が行ったもので、彼らは米国中西部のコーン・ベルトに住む蛙に対する農薬の影響を4年間にわたり調べてきた。そのために、4種の除草剤、2種の殺菌剤、3種の殺虫剤の混合物を含む水の中でヒョウガエルを育て、その成長への影響を調べた。これらの農薬は、畑から流れ出る水の中で産卵する時期に施用されるものだという。

 0.1ppmの濃度で試験すると、これらの農薬のうちの6種は何の影響もなく、1種は小さいが目だった成長への影響があり、1種ーEUでは全面禁止されたが、米国ではなお使われ、飲料水にも基準を超える濃度で検出されるという(USDA/ARS,Monitoring Herbicides in Midwest Drinking Water,06.1.30;http://www.ars.usda.gov/is/pr/2006/060130.htm)アトラジン(除草剤)ーは深刻な発達問題を引き起こしたが、致死性はなかった。しかし、これらが混合すると、35%の蛙が死に、オタマジャクシから大人になるまでの期間が15日、25%長くなった。研究者は、混合が蛙の発達を遅らせるホルモンの生成を刺激することを疑っている。

 01ppbという濃度は、蛙が成長し、繁殖する夏季にトウモロコシ畑からの排水に検出される最低の濃度であり、濃度は10ppbに達することもあるというから、これは地域の蛙にとっての現実的脅威になる。大人になるまでの期間が延びることは、蛙が繁殖のチャンスを迎える前に池や水たまりが枯れてしまうかもしれないことを意味する。さらに免疫の抑圧は、さもなければ無害な感染のえじきになり得ることも意味する。

 こうして、研究者は農薬が、まさに蛙の生息数が世界中で減少している原因の一つであると言う。蛙の世界的減少傾向の原因としては様々な環境要因ー太陽からの紫外線放射の増加、気候変動、湿地の排水、新たな病気の出現などーが指摘されてきたが、研究者は、農薬に曝された蛙では、これらの要因によるダメージが一層大きくなるのではないかと疑っているという。

 これは筆者の感想だが、この研究は、農薬混合の蛙への影響だけでなく、人間の健康への影響の懸念も掻き立てるように思われる。

 2001年、英国の研究者が食品中に残留する混ざり合った複数の農薬の毒性は個別の農薬の毒性よりも数倍も強く、脳の損傷と発癌のリスクをもたらすことを明らかにした(食品中に混ざりあった複数の農薬は、個別の農薬より数倍も危険ー英国研究者,01.12.3)。

 02年6月、英国環境団体は、個々の許容量の範囲内では人間を害することはないとされる農薬化の「カクテル効果」は試験されていない、「我々の健康のために一日に5食の果実または野菜を食べるべきだ」と勧奨されているが、そうすると、我々は5倍の農薬を摂取することになるかもしれないと、多種の農薬の混合効果に懸念を表明した(イギリス:フルーツを食べる人の農薬の恐怖(02.6))。

 同年10月、英国食品基準庁(FSA)は、独立毒性委員会(COT)の研究に基づき、食品中の低レベルの農薬の混合から生じる健康リスクは小さそうだと発表だが、証拠は限定されており、予め予測できない化学物質の相互作用もあり得ると発表した(イギリス:低レベルの農薬の混合物は危険な「カクテル」ではなさそう(食品基準庁)(02.10))。

 その後、この問題がどこまで解明されてきたのか、筆者は情報を持たない。わが国の農薬工業会は、そのQ&Aで、「少しであっても、いろいろな農薬が残留していると複合毒性が出るのではないでしょうか」という問いに、「複合毒性を示す事例はありません」、「「複合毒性の問題は、科学的には「毒性を示さないような量以下の物質が複数存在することにより毒性が現れるか」という研究テーマとなり、内分泌攪乱化学物質の問題以来、多くの研究者が研究を続けていますが、肯定するような事例は報告されていません」と答えている。

 http://www.jcpa.or.jp/qa/detail/07_08.htm

 研究は進んでおり、問題もないようだ。しかし、蛙の研究は”妄想”を掻き立てる。蛙で起きたことが人間で起きないとは保証できない。人間は水の中には住まないが、農薬の「カクテル」は毎日摂取している。新型インフルエンザがいつ起きてもおかしくないと言われる今、免疫が抑圧されるというのはとりわけ気になる。先進国住民も、栄養不足やエイズの蔓延で抵抗力が落ちているアフリカ住民と同様な脅威に曝されているのかも知れない。こんな”妄想”だ。

 関連ニュース
 New frog centre for London Zoo,BBC,05.10.2
 http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/4298050.stm
 Global plan to rescue amphibians,BBC,05.9.19
 http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/4262384.stm
 Hunting threat to big amphibians,BBC,05.9.19
 http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/4259596.stm
 Pregnancy test link to frog fall,BBC,05.9.18
 http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/4257232.stm
 Lethal amphibian fungus 'in UK',BBC,05.9.15
 http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/4249136.stm
Farewell to the frog?,The Guardian,04.10.15
http://www.guardian.co.uk/conservation/story/0,13369,1328057,00.html
Amphibians face a bleak future,news@nature.com,10.14
http://www.nature.com/news/2004/041011/full/041011-12.html

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