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臨床精神病理学序説
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投稿者 デラシネ 日時 2005 年 10 月 24 日 09:40:11: uiUTTMWMO8Vq6
 

(回答先: 無駄に長くて、すいません。 投稿者 NJ 日時 2005 年 10 月 23 日 19:45:40)

臨床精神病理学序説 クルト・シュナイダー 西丸四方訳 みすず書房
第二章 精神病質人格(異常人格)

われわれは次の十種の類型を採る。
(1)感情昂揚者(2)抑鬱者(3)自信欠乏者(4)熱狂者(5)顕耀欲者(6)機嫌軽動者(7)爆発者(8)情性脱失者(9)意志欠如者(10)無力者

感情昂揚者 快活な基本機嫌、活発な多血的な気質、活動性のある人格である。上機嫌で、駈け廻ることが好きで、人付きが良い。また激し易く、せわしく、快活な機嫌のない者もある。その程度が進むと好争者や軽佻者といわれる。活発な気質と昂揚した自己感情のため屡々喧嘩争論を引起し、物事をたやすく納得せず、自分に関係のない事に好んで干渉する。若い感情昂揚者は、活動性、活発、向こう見ずのため、ややもすれば放埓になり、地位や環境を屡々換えるので、社会的に軽佻者の傾向になる。軽佻な不良少年には感情昂揚者が多い。

抑鬱者 多くの点で前者の反対である。終始機嫌が圧しつけられており、厭世的人生観を抱き、何事もむずかしく解釈する。この特徴は必ずしも表面に現れているとは限らない。抑鬱者は感情昂揚的に見えることもある。抑鬱的基本態度は生活様式とはあまり関係がない。レーナウの詩「憂鬱に寄す」がこれを適切に現している。

いましわれにとはに随ふ
思ひにしづむうれひよ
我さだめの星の輝きて昇る折も
光褪せて沈む折もたえて去ることなく

この類型の中に憂愁性のものがある。情に脆い、温良な、内気な、気力のない人格である。また不機嫌性のものがある。冷い、不平をならす、刺激性の、咎め立てする、意地の悪いものである。邪推深い、関係思想を持ち易い妄想性のものもある。

自信欠乏者 これは上記の型に近い。確信の欠如と不全感が著しい。自信欠乏者の狐疑、小心翼翼、不全感は道徳上の行為と関係することがよくある。行状は極端な程良心的で潔白であるが、それにも拘らず絶えず自分のすることを穿鑿し廻し、自分に信を置かず、他の自分より遥に価値の低い人間が自ら進んで物事をなし、確信して行動することのできるのを見て驚歎する。かかる人格を土台として脅迫現象が発生する。強迫神経症という名称より、強迫(制縛)精神病質と言う方がよい。強迫状態というのは、多くは不安を起すような種類の意識内容が頭を擡げて来て、押えられない場合をいう。狭義の、いわば典型的な、強迫という概念には、さらに次のものが加わる。すなわち当人は同時にこの思い付きや不安は不合理であることを承知しているということである。しかしその懸念にはどこか正当性があって、根本的には反駁し得ないこともあり、この場合には、その重要性が正当に高く評価されていることにみによって、強迫現象に数え入れられるのである。かかる人間は、たとえば、他の人間なら拘泥しないような関係の少ない、しかし事実起こる可能性のある事柄を恐れる。大抵の強迫現象は、かかる自身欠乏者の穿鑿であるが、躁鬱病や精神分裂病にも見られることがある。ある表象や思想が、不安を伴わずに付纏うという形の強迫現象は、誰にでも現れ得る。殊に疲労の際、発熱の際、あるいは流行性脳炎の後遺症として現れることが多い。自信欠乏者の社会的価値は大きい。苦しい程良心的なことと潔癖性のために価値がある。その訴えは理解をもって傾聴してやるのが有効である。 ←先生エライ!

熱狂者  個人的あるいは世界観的観念団の優格性が特徴であり、ある強い感情を伴った思想の群がいつもその人間の生活を充たしており、更に著しく能動的な誇大的な人格である。個人的熱狂者すなわち好訴者は、その実際上の、あるいは想像上の権利のために闘い、観念熱狂者はその主義を表明しようと闘う。また静かな、偏屈な、現実から背離した、全く空想的な熱狂者で、あまり闘士的でないものもある。たとえばある宗教に凝った人のごときである。これは温和熱狂者と呼ばれる。医師を訪れるのは賠償好訴者が多い。如何なる考えをも直ちに実行に移すことは、熱狂的にその考えを保証する人間の手で初めてできるのであることを忘れてはならない。

顕耀欲者 自分を実際よりもより多くのものと見せたい、虚栄心の強い、虚偽の人格である。奇矯者という形をとると、注意を自分に引き付けるために甚だしく新奇な意見を抱いたり、異様な恰好や行動をしたりする。大きなことをいって得意になる大言者もある。自分を偉く見せるために空想的な作り話を語ったり、演じて見せたりする空想虚言者もある。現実の生活が与えてくれない役を演じようとする欲望のため、他人に対してまた自分に対して芝居をやってみせる。物質上の利益を眼目として芝居を打つのではなく、役そのものが眼目なのである。もちろん純粋にそれだけではない者も多い。しかしこの虚言者は、妄想病者のように現実の立脚地を全く放棄しているのに気が付かないのではない。その芝居は、先生ごっこ、兵隊ごっこを演ずる子供の芝居と同じである。子供も自分は先生だ、兵隊だと信じはしないが、それにも拘らず全くその役に我を忘れて熱中している。このような欺瞞的な性格の者は医師の治療を困難にする。今まで医師を崇め奉っていたかと思うと、急に冷淡になり、誹謗するようになる。始めは医師がかかる人間に騙されて感心しているが、それを止めれば、医師はその人間の興味を惹かなくなってしまう。

機嫌軽動者 ・・つまらないので省略

爆発者  極く僅かの機縁で激昂する。短絡反応とも呼ばれ、外部に対し興奮し易い、刺激性の、癇癪の人である。その反応はクレッチマーのいう原始反応である。たとえばある言葉にぶつかると、その価値や意味を正しく捕捉し充分に理解しないうちに、口きたなく抗論し、急に激昂して暴力に訴える。このように直ぐにかっと逆上する者に接する時には、用心深く、刺激しないようにすれば扱い易い。酩酊の時に初めて本性を現す爆発者が多い。

情性脱失者 同情、羞恥、体面を重んずる気持、悔恨、良心等のない人間である。性質は陰鬱、冷淡、不平勝ちで、行為は非社交的、衝動的、粗野、惨酷である。犯罪者には情性脱失者が多い。かかる人間は教化矯正し難い。訴えるべき情性を欠くため教化の基礎がないからである。社会的情性脱失者というものもある。鋼鉄のごとく硬い性質の人間で、目的を貫徹するためには(目的は自我的のものと限らず、純粋の理想のこともある)、他人がどう思おうと、どうなろうと、意に介しない。

意思欠如者 ・・面白くないので省略

無力者 ・・疲れてきたので省略

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