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米国を見ればわかるように、「新自由主義」と「ケインズ主義」は対立するものではない。
http://www.asyura2.com/0510/dispute22/msg/229.html
投稿者 あっしら 日時 2005 年 10 月 25 日 15:50:34: Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: 要するに、中国に於いても、唯物論と修正ケインズ理論は消滅したということだろう。 投稿者 ODA ウォッチャーズ 日時 2005 年 10 月 25 日 13:45:48)


「新自由主義」は経済社会の在り様をめぐる一つの思潮であり、「ケインズ主義」は政治国家の経済政策をめぐる一つの思潮である。

米国がレーガン政権以降にさらなる財政赤字(政府債務)を積み上げたように、「ケインズ主義」は「新自由主義」で得られる経済的利益をさらに増大できるものとして採用される(できる)のである。
(「新自由主義」者は、そのようなことをおくびにも出さない卑劣な連中が多いが..)
「新自由主義」は、政府に対し、経済活動の規制や経済活動成果の吸い上げ(課税など公的負担)を極力減らすよう求める一方で、赤字財政で需要が増大することを“政治的に”求める。
「新自由主義」らしく、赤字財政は、企業所有者に直接利益が流れ込む軍事費を志向し、社会保障費など不特定多数の国民に流れるものは抑え込もうとする。
(軍事費は“国益”を旗印として要求でき、「新自由主義」には抵触していないように説明できるからである)


これが「古典的自由主義」と「新自由主義」の一つの大きな差異である。
(根本的な差異は、産業主義なのか金融主義なのかである)

供給活動を増大させない経済状況に対応して赤字財政を行わなければ、「新自由主義」で得られるはずの利益も減少してしまう。


「社会民主主義」も、自由主義経済をベースにしていることでは「新自由主義」と根底において異なるわけではない。

覇権国家・国際基軸通貨国である米国と経済的に成熟しただの一近代国家となった欧州西方諸国家という経済条件の違いが、「新自由主義」と「社会民主主義」という思潮の違いを生み出しているのであり、ともに有力供給活動主体の所有者の利益を志向したものであることに違いはない。


中国政府は、近代的発展のために自由主義的経済社会の構築が必要と判断し、それから生じる社会の歪みをケインズ主義的政策で緩和しようとしている。
中国政府は、「左派」の台頭を防ぐため、ケインズ主義的政策で地域間格差を緩和しようとしている。
だからと言って、中国政府(中国共産党)が自由主義的経済社会を志向し続けるとは限らない。
あくまでの現在及び中期的見通しのなかで、自由主義的経済社会を“国益”と判断しているのであって、自由主義経済が“国益”を阻害すると考えるようになれば左派的な揺り戻しが起きることになる。
それは、中国経済の高度成長が終焉を迎えたときであろう。


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