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転載「中華帝国の再興とアジア世界の台頭」
http://www.asyura2.com/0510/dispute22/msg/681.html
投稿者 ジャン 日時 2006 年 1 月 29 日 18:54:59: tV9DFzLB7Zpg6
 

同じく、ワーカーズより一部転載する。
http://www.workers-2001.org/w312.html#w312n


二、世界の三大工業圏の形成と東アジア共同体

 2002年の全世界のGDP総額は、31兆5864億9千万j(「データブック・オブ・ザ・ワールド2005」二宮書店刊)であり、そのうちアジアは8兆5827億ドル、アフリカ5277億5000万j、ヨーロッパ9兆3837億j、北米11兆6498億j、南米1兆2億j、オセアニア4423億4千万jとなっている。  
 これを見ても、世界にはもう既に、北米・EU・アジアと、3つの工業圏が成立していることははっきりしている。だが、これは三大工業圏の実力を正確に表しているものではない。
この統計では、日本4兆3239億jに対して中国はホンコン・マカオを含めて1兆4081億jでしかないが、実際には購買力平価(アメリカで1jで購買し得るのと同量の財・サービスを、その国・地域で購買するのに要する通貨量)で換算すると、中国のGDPは7兆ドルを超え、日本のおよそ1・7倍に達している。(谷口誠著「東アジア共同体」岩波新書p81など)
 「中国情報ハンドブック2005年版」(蒼蒼社刊p195)によれば、2003年度の中国のGDI(国民総所得=国民総生産から固定資産減耗分を引いたもの)は、購買力平価に換算して、6兆6050億jで、日本=3兆6290億jの1・82倍である。
 またアセアン10カ国のGDPも、このデータブックの統計では5836億jであるが、中国と同様に購買力平価で換算すれば少なくとも2兆ドルを超え、これに日本と韓国(4730億j)を加えたアセアン+3の総計は、少なくとも14兆jを超えることになる。
 確かに人口で言えば、ヨーロッパの7億2千8百万人、北米の5億1千万人に比べて、アセアン+3の13カ国の人口は、19億8500万人もおり、広大な農業地帯を抱えているから、一人当たりの生産性においては欧・米工業圏の30〜40%程度で、アセアン+3ははるかに劣っている。
 だが逆に、その農業地帯に滞留する10億人(中国だけでも4、8億人)を超える莫大な低賃金労働力の存在こそが、外国資本を引き寄せて東アジアの急激な工業化の推進力となり、また巨大な市場ともなっているのであり、それこそが欧米(そして日本)に対して絶対的な比較優位となっているのである。
 そして、その経済規模においては、アセアン+3は、もうすでに欧・米の工業生産高を凌駕しており、更に急速にその格差を広げていくのは確実である。

 9月7日の日経新聞はその一面トップで、「中国が10月の共産党中央委員会第五回全体会議(五中全会)で決める2006年からの第11次五カ年計画草案で、経済成長率を年平均9%以上とする方向で検討していることが明らかになった」と報じ、さらに、「中国政府は2020年までに国内総生産(GDI)を00年の4倍、約36兆元に増やす目標を掲げている。次期計画でも9%成長を続けた場合最終年度の10年にはこの目標の6割を達成することになり、現在の人民元レートで換算したGDPの規模は今の日本の6割程度になる計算だ。」と解説している。これを購買力平価で換算すると、2010年には中国の経済規模は日本の3倍にもなるということである。
 この予測を裏付けるように、アメリカのハドソン研究所が最近まとめた報告によると、2010年には中国のGDPは10兆5千億ドルになり、一国でEUと肩を並べ、日本の2・5倍となるというのである。(日高義樹著「日米は中国の覇権主義とどう戦うか」2005年7月・徳間書店・p18)
 日高はNHKのアメリカ総局長を務める中で、アメリカの政権中枢との関係を強め、NHK退職後は、とりわけキッシンジャーのスポークスマンのような形で、ハーバード大学の客員教授やハドソン研究所の主任研究員を務めて、アメリカの政策決定の中枢と深く結びつき、その一員といってもよい人物であるが、彼はこの本の中で、21世紀前半にも、アメリカの覇権主義を凌駕していくであろう中国に対する警鐘を乱打し、米日が一層強力に同盟して中国に対抗すべきと絶叫している。だが、もはや手遅れであり、歴史の趨勢を逆転することは出来ない。
 
 20世紀後半におけるアメリカの衰退と、仏独を枢軸とした群小帝国主義国家連合としてのEUの成立、国際基軸通貨としてのユーロ創設によるアメリカへの対抗については、「粘土の巨人アメリカの衰退と多極的世界の形成」(季刊「コム・ネット」7号所載)の中でいくらか詳しく述べたので、ここでは繰り返さないが、
 EUがその経済的・政治的実力を基礎にして、10数年前まではロシアの従属国家群であった東欧諸国ばかりでなく、トルコや、バルト三国やウクライナなどのロシアに隣接する諸国家までをもその経済圏に取り込んで拡大し続けていること、イラク・パレスティナなどの中東政策やイラン政策ばかりか国連改革やアフリカ政策を巡っても、ことごとくアメリカと一線を画して独自の政策を実行していることが、今では一段と鮮明になっている。
 アメリカとEUとの関係は「対抗しながら協力もする」というものであるが、しかし、帝国主義勢力間の矛盾はきわめて激しいものであって、その市場と資源を巡る争奪戦は、中国・アジアばかりでなく、旧ソ連東欧圏、ラテンアメリカからアフリカまで世界的規模で激化している。
 EU内部における仏・独とイギリスとの矛盾、金融資本集団間の矛盾や先進地域と後進地域の矛盾、そしてとりわけ労働者階級や農民と金融支配階級との矛盾が方々で噴出し、フランスやオランダの国民投票でEU憲法が否決されたり、仏・独で政権崩壊の事態に陥ったりしているが、しかし東欧諸国やトルコなどの周辺諸国がEUへの加盟を熱望しており、いまだその求心力は衰えていないし、その影響力は拡大を続けているといってよいであろう。
 かつての超大国ロシアは、従属国からの収奪システムが崩壊した結果、遅れた生産体系しか持たない後進的資本主義の資源輸出国と成り下がり、西方ではEU,とりわけドイツに対する石油と天然ガスの輸出に大きく依存し、東方では、上海機構によって中国との政治的・軍事的・経済的協力関係を強化し、今も続くアフガン侵略を口実にロシアや中国の裏側のタジキスタンなどに入り込んだアメリカ軍を追出そうと必死になり、同時に、安価な中国商品と中国資本の導入、そして中国への軍事技術とあらゆる兵器の販売によって経済を立て直し、遅れているシベリア開発を進めようとしているが、逆に中国はそれを利用して、軍事力を増強し、極東・シベリアを自己の経済圏に取り込もうとしている。この地域には、もうすでに500万人もの中国人が移住し、経済活動を活発に繰り広げているといわれている(極東地域のロシア人は740万人)。日高義樹はこの動きを、先に挙げた本の中で、「中国は地下資源の豊かな極東地域を、1000億ドルで買い取り、そこから掘り出した地下資源から得る利益の20%を支払うと申し出てロシアの指導者を喜ばせるだろう」というメンギス博士の予測を紹介しながら、「中国は軍事力こそ使わないが、経済力を使ってロシアの極東地域を占領しようとしている」と主張している。だが、事はそんなにも安直なものでは無いし、いくら落ちぶれたとはいえあのツアーリズムの血を引くロシア帝国主義が、そんなにも簡単に領土を切り売りすることなど信じることは出来ない。

 ただ中国は、革命後の1950年に軍隊を派遣して自国に編入したチベット自治区や、1944年に独立した東トルキスタン共和国に軍事介入して中国に編入し(新彊ウイグル自治区)、その独立運動を今も残酷に弾圧しているばかりでなく、ベトナムよりも南にあるスプラトリー群島とパラセル群島(西沙諸島)に軍事施設を建設したり、1995年にはフィリピンが領土であると主張しているミスチーフ岩礁(フィリピンからは180キロだが中国からは1600キロも離れている)を中国軍が武力占領したり、「沖の鳥島は岩である」として日本の領土要求を否定するなど領土拡張政策を強力に推し進めている。
 この極限はどこまで行くかというと、1937年に毛沢東が述べたように「帝国主義諸国は中国を打ち負かしたあと、中国に属する各国を占領した。日本は朝鮮、台湾、琉球、澎湖島、旅順を占領し、イギリスはビルマ、ブータン、香港を、フランスは安南を占領した。」(「中国革命と中国共産党」1969年東方書店刊、毛沢東選集第2卷では改訂されている)というところまで行くことは確実である。だから、シベリア(日高前掲書によれば1950年代に、極東地域はもともと中国のものであるとしてソ連と返還交渉を行ったというーp103)や最近朝鮮の間で論争になった「高句麗は中国の地方政権であった」という主張などはまだまだ序の口であって、かつて直接支配したことがある朝鮮や琉球・ベトナム(安南)を含む東アジアから東南アジアまで触手を伸ばしてくることは確実である。ケ小平以来の中華民族(そんなものはない!)主義の高唱による中華帝国主義の再興とアメリカに代わる覇権国家としての展望の中には、少なくてもそこまでは併呑していく野望があると考えておいた方がいいだろう。

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