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資料・・・アメリカのオーガニック・スーパーマーケット   
http://www.asyura2.com/0510/dispute22/msg/776.html
投稿者 hou 日時 2006 年 2 月 19 日 23:24:39: HWYlsG4gs5FRk
 

(回答先: 自然に満足できない過剰な意識 投稿者 ワヤクチャ 日時 2006 年 2 月 18 日 18:11:55)

http://www.ecology.or.jp/member/pio/0004.html

「自然に学ぶ世界のグリーンパイオニア」のコラムで数回にわたり、世界の先進的な環境企業を紹介してきたが、今回は急成長しているアメリカのオーガニック・スーパーマーケットを紹介したい。前回までに検証した、21世紀において生き残る大切な5つの要因をあわせ持つスーパーである。       

Price:価格 
Quality:品質 
Availability:商品・サービスへのアクセス
Mass Customization:単なる大量生産ではなく、多様なニーズに合わせながら(customization)、大量に市場に 送り出せる能力  
「サステイナビリティ」(持続可能性)  

アメリカ最大のオーガニックスーパーマーケットにみるグリーン・スピリッツ


 今回、2月末に取材してきた「ホール・フーズ・マーケット(Whole Foods Market)」はアメリカテキサス州のオースティンにその本部を持つアメリカで最大の自然およびオーガニック食品のスーパーマーケットチェーンだ。  飛行機に乗って、たくさんのCO2を出してきた分、アメリカの環境事情を肌で感じ、グリーンコンシューマ意識の違いを感じた。今月のエコロジーシンフォニーではそのレポートをお届けしよう。  

  1980年に「ホール・フーズ・マーケット」が最初の店鋪をオープンしたときは、従業員は、たった19名。ヒッピーがメインで作ったという会社ということだが、1998年の決算時には、店舗数は全米19州で87店鋪(現在約100店舗に急増)を運営するようになり、従業員数も14,000人を超えるほどにまでなった。現在の店鋪面積の平均は24000平方フィートで年間売上は1500万ドル規模という。売上は925万ドルから1億4000万ドルまで急増し、純益は160万ドルから4650万ドルまで上昇した。これらは年間47%と62%の成長率を反映しており、IT関連企業に勝るとも劣らないほどの、ものすごい勢いだ。
 1992年1月には、ナスダック(Nasdaq)株式市場に上場し、1998年と1999年にフォーチュンマガジン(Fortune magazine )の“アメリカで最も働きたい会社トップ100”にランクインしている。従業員がやる気を起こし、それぞれの能力を最大限活かせるような職場の雰囲気を作るという企業姿勢どおり、取材で会った人たちも、店内で働く人たちも、みんながみんないきいきしていたのが印象的だ。  


おいしいものを探していった結果、たどり着くのがオーガニック


 では、なぜ、オーガニック食品のスーパーマーケットチェーンが、ここまでの成長を可能にしたのか、そのポイントを整理してみた。 その答えは、何も「オーガニック食品」を扱っているからという理由だけではない。目新しいものでは決してないかもしれないが、まずは、「高品質な商品」そして、「フレンドリーなサービス」「きめこまやかな情報提供」「バラティーに富んだ商品」「競争力のある価格」などである。ただ、何よりもすごいと感じたのは、とにかく「買い物が楽しい!」という環境づくりを徹底してして行っていることである。
 アメリカ西海岸のレストランでも、現在「オーガニック」がひとつのムーブメントになっている。最も人気のレストランのシェフたちは、素材の本当の味を追求していき、その時期に一番おいしいものを探していった 結果、無農薬のものやオーガニックの飼料を使った牛や羊、豚などの肉にたどり着いたと言う。「オーガニックだからおいいしい」という図式ではなく、おいしい食材を求め、そのクオリティを高めていったら、オーガニック(無農薬有機栽培)のものに出会ったのだ。農作物や酪農品の素材だけの話ではなく、オリーブオイルやチーズなどの加工品もオーガニックのものを使うというのが一般的になっていて、日本の有機食品と比べ、その基準も数段厳しく定められていて、きちんと生活者にも受け入れられているという印象を受けた。

生活者のニーズにあわせたこだわりづくり


 話を「ホール・フーズ・マーケット」に戻すと、ここで扱っている商品もまた、高品質な食品を求める生活者のために、「とにかく新鮮で、栄養があり、おいしい、最高品質の商品をそろえること」にこだわった。それが結果として、「オーガニック」になったということだ(ここでいう「オーガニック」とは、第三者の評価団体の認定を受けたもののこと)。
 今回、AMY(エイミーさん)に店内ツアーのガイドをしてもらったので、それもレポートしよう。この店内ツアーは普通のお客さんでも予約さえすれば無料でしてもらえる。初めてお店を訪れる人にも、どんな考え方で商品を扱っているかをきちんと伝えたり、お客さんが探している商品を一緒に探したりもしてくれるというコミュニケーションを目的としている。
 まず、店内に入ってみての感想としては、とにかく商品が見やすいし、買いやすいくて、「買い物が楽しい!」ってイメージ。その理由のひとつは、ほとんどすべてが量り売・閧ノなっていること。大きなはかりが店内のあちこちに置いてあり、それぞれ好きなものを(オレンジ1個でも、ポテト1個でも買える。他にも、コーヒーやコーンフレークやチョコレートや塩などに至るまで、買いたいものが好きなだけ買えるのが嬉しい。日本のスーパーで買い物すると山のように出る、トレイや袋のゴミもない。必要な人は備え付けの袋に入れるセルフ形式が徹底していた。

オーガニック店内ツアーを体験


 ここからはAMY(エイミーさん)のお話をそのまま紹介しよう。
「お客様に商品がオーガニックかどうかをわかるようにすべての商品に表示がされています。また、どこで栽培されたかを公開し、オーガニック商品についてはオ−ガニックと認定された物しか扱いません。収穫時はもっと多いかもしれませんが、だいたい100種類以上のオーガニック野菜を扱っています。なかには輸入品もありますが、これは、お客様にできるだけ選択権を与えるために、扱う品数をできるだけ多くしているからです。牛乳やジュースなどもオーガニックのものを中心に扱っています」

「加工品には、防腐剤、保存料、人工着色料は一切使っていません。また、動物実験も行いません。鶏肉は放し飼いにした鶏を使い、卵も普通の物と比べると少し高くなりますが、飼料もオーガニックの物だけを使って、抗生物質などはいっさい投与しません」
「また、店内には、大型浄水タンクを設置しています。飲み水はここから量り売りをしています。また、店内で調理している食品にもこの水を使っています。家庭用の浄水器も販売しています」

「最近は、ベジタリアンの方も増えてきたので、ベジタリアン食品も品揃えに力を入れています。何%の人がベジタリアンかはわかりませんが、ダイエット目的の方も多いのではないでしょうか?栄養価も高くてヘルシーなので、関心を持っている人は増えてきています」

「他にも環境のことを考えて、商品を入れる袋は、ビニール袋と紙袋の2種類を使っていて、お客様に選んでいただくようにしています。これらはすべてリサイクル製品ですし、ほとんどの店内の容器もリサイクル製品です。リユースは、瓶以外はしていません。(ビールや清涼飲料にもペットボトルはほとんど使われていない) また、州の条例もあるので、できるだけグリーン建築を心がけています。例えば、フロンなどのガスの出ない空調システムや断熱効果を高めるためのペアガラスも採用しています」


ここで買い物をことすること=賢くて洗練された生活者という認識


 「どんな人がお客様が多いのか?」と聞いてみると、やはり主に健康に留意している人がだんぜん多いとのこと。ここのターゲットである「Educate Customers」という言葉が表しているように、ここで買い物をすること自体がハイソな生活者のステイタスであり、かつ洗練された人たちというプライドをくすぐっているのかもしれない。賢明な健康・環境に良い選択が、おいしいオーガニック食品を食べること=健康にいいということでもあり、かつ「地球のこともちゃんと考えている」人たちの仲間入りをするということでもあるからだ。
 確かに、それぞれの食品(特に野菜など)が並んでいる棚には、同じフォーマットで、その食品がオーガニックであるかどうかが一目でわかる表示と、細かい栄養価も書かれていて、う時に比較検討がしやすいように工夫されている。生活者に十分に必要な情報を提供することによって、環境にいい賢い選択を促そうという意図からである。グリーンコンシューマに対してだけではなく、一般の人にもその安全性が一目瞭然でわかるというのも、支持されているポイントだろう。
 さらに、農作物を作っている人が、どんな人かを知らせるために、表示のところに作り手の写真があったり、メッセージが書いてあったりと、その思いを伝えていこうという考え方も伺える。もちろん、「持続可能な農業」のアピールもきちんとされていた。  他にもユニークだったのが、魚介類のコーナーで、自然界の生態系を壊さないようにと、養殖された魚介類を商品が中心になっていたこと。確かに近海が化学物質で汚染されていることを考えれば、化学飼料などを使わずに育てられた養殖魚の方が安全かもしれないが・・・?(ちなみに、日本のグリーンコンシューマガイドでは、養殖ではなく、活けの魚の方を買いましょうと言っている)    

遺伝子組み換え技術への疑問を政府にも生活者にもきちんと表明


 また、乳製品やスナックなども、今、アメリカでも注目されている、遺伝子組み換え(GMO)の技術を使用していないものだけを紹介。基本的にここでは、100%GMOを避けようとして政府にも提言しており、それが難しい場合でも、ラベル表示をすることによって、消費者が安心して商品を選択できるようにと呼びかけている。


遺伝子組み換えのパンフの概要
 とにかく、店の商品のうち30%以上がオーガニックで、その徹底ぶりはなかなかのもの。冷凍食品にも、ナッツ類などのスナックコーナーにも多くの種類があり、オーガニックとわかりやすく表示されていた。化粧コットンやアロマテラピー用のエッセンシャルオイルに至るまで、オーガニックのものがずらりと並んでいた。  


医食同源、そして予防医学からみたオーガニック


 最後にもうひとつユニークだったのは、ここオースティンでは、ホリスティック(東洋)医学にもかなり関心が高かい人が多かったことだ。つぼマッサージや指圧、気功などいろいろあり、カラーセラピーや風水まであった。やはり、健康をつきつめていくと東洋医学の部分につきあたり、対処療法ではなく、予防医学にたどり着くのかもしれない。健康の秘けつは、医食同源であり、治癒力を高めるという病の治し方が見直されていると感じられた。
 日本のグリーンコンシューマ意識はまだまだだなと感じる一方で、健康には関心が高い日本には、この波は、きっと2〜3年ぐらいの間にくるのではという確信が持てた。
 また、テキサス州は、デルコンピュータの影響でインターネットの普及率がカリフォルニア(シリコンバレー)に次いで高いところとして注目されている。
 「ホール・フーズ・マーケット」も、1999年よりインターネットでオーガニック食品の販売をスタート。アメリカでインターネット業界における自然およびオーガニック食品のNo.1会社も目指しているということだ。 今後のIT分野の技術が、飛躍的に伸びていくことを考えると、オーガニックとITが結びつくことも非常に興味深いことだ。  最後に「ホール・フーズ・マーケット」の設立理念は「健康な食品、健康な人類、健康な地球」。この「健康な地球」なしには、企業の存続もないということを、私たちはもう一度、問い直すべき時にきているようだ。

(文責:編集部 薗田)(エコロジーシンフォニー2000年4月号)

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