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Re: 唯物弁証法は、人類史、世界史に対する一つの見方
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投稿者 南青山 日時 2006 年 3 月 01 日 13:02:09: ahR4ulk6JJ6HU
 

(回答先: Re: 世界を変革 <-- 変革したいという気持ちから編み出した、としか言えなさそう 投稿者 健奘 日時 2006 年 3 月 01 日 01:03:55)

健奘さん、どうもです。

>国王の圧制から、自分たちを守ろうとして、イギリス市民革命も、フランス革命もあった。植民地支配から独立しようとした、ガンジーの運動もあった。悲惨な(屈辱的な)現実を、変えようとして、実行した。その背景には、市民革命を導いた思想があった。非暴力抵抗という考え方もあった。
>これらは、唯物弁証法によって生み出された考え方だったわけ?

唯物弁証法は、人類史、世界史に対する一つの見方といっていいと思います。
同時に、現在の社会、国家、個人のあり方を考える上で、やはり一つの有力な見方であると。
人類史、世界史から、社会、国家、個人に至るまで、非常に興味深い視点を提供するところが、唯物史観に小生が関心を持つ理由です。
ご質問の、種々の革命は唯物弁証法によって生み出された考え方だったのか、については、何度も記しているように、唯物弁証法という何かが現実の社会に具体的に何かの作用を与えるわけではありません(もちろん、マルクスは彼が生きた時代に対して何か働きかけようとしました、またマルクス以降、マルクス主義(政党)として現実に何か働きかけようとした動きがありましたが、そうした党派的な活動はここでは別の話と思います)。
歴史上に起きた革命や動乱がどうして起きたのか、何か必然があるのか、偶発的なものなのか、単に無益な血が流れただけなのか、多くの人々の犠牲から何か学ぶところがないのか、といったことを考えるときに、唯物史観は一つの有力な見方、考え方を提供するのではないかということです(もちろん、ほかにもいろいろな考え方があります)。

健奘さんは冒頭で次のようなことを書かれています。

>この悲惨さを生み出しているのが、人間の活動であり、それを支える考え方がある。考え方は、歴史的に発達してきた。これには、賛同する。

「この悲惨さを生み出しているのが、人間の活動であり、」のところまでは小生も賛同しますが、「それを支える考え方がある。」には少し疑問符がつきます。
「それを支える考え方」が何を指しているのか、いま一つ不分明なのですが、小生も、(たぶん)ヘーゲルも、「それを支える考え方がある。」「考え方は、歴史的に発達してきた。」というところまで目的論的な(擬人論的な)思考はしていません。
健奘さんは、「それを支える考え方がある。」というときの「考え方」は誰が「考えている」と考えているのですか?
この健奘さんの目的論的・擬人論的な歴史解釈は、はじめに取り上げた一節にも共通しています。
健奘さんは、「これらは、唯物弁証法によって生み出された考え方だったわけ?」というときの「考え方」は、誰が「考えている」と考えているのでしょうか?
人類の(自然の)歴史は偶然と必然とが織りなす綴れ織りのようなものです。
その中にある必然、システム、構造、意味を見いだそうとした思考の成果の一つが、ヘーゲルの歴史哲学や弁証法的歴史観であり、マルクスやエンゲルスが提唱した唯物史観です。
たとえば、ネグリとハートの『帝国』や『マルチチュード』、柄谷行人の『トランスクリティーク』は、(必ずしも唯物史観オンリーとはいえないのですがマルクスつながりということで(笑))そうした思考の成果として挙げることができると思います。
これまでの悲惨な歴史の背後に唯物史観の影をさがすことよりも、悲惨な歴史の意味を唯物史観的に考えるとどのようなことが見えてくるのか、いま我々は何を為すべきなのか、を考えるべきではないでしょうか。

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