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10/30 17:34 電力、初の域外供給 九電、広島ジャスコに 競争激化必至、値下
九州電力が中国電力の営業区域内にある広島市の大型スーパー、
ジャスコ宇品店に十一月から電気を供給することが三十日、明らか
になった。電気事業連合会（東京）によると、東京電力、関西電力
など既存の十電力会社が営業区域を越えて他地域へ電気を供給する
例は初めてという。
全国の既存の電力会社間で顧客獲得競争が激化するのは必至。ケ
ースによっては電力料金の引き下げにつながる可能がある。
ジャスコ宇品店は中国電力から電力供給を受けている。ジャスコ
を統括するイオンによると、九電に切り替えることにより現在より
７％程度電気料金が安くなる見込み。
コスト削減を狙うイオンと、大口取引先のイオンとの取引を継続
したい九電の思惑が一致したとみられる。
今年四月の電力自由化で、地域をまたいで電力を送る際に送電線
の所有者に使用料を支払う制度が廃止され、電力会社の営業区域を
越えた送電費用が安くなった。
九電はこの制度変更を利用し、安値でイオンに電気を提供する。
ジャスコ宇品店の年間消費電力は約千三百万キロワット時。イオ
ンは「本当にコスト削減になるのか検証したい」として、電気の安
定供給に問題がなければ、ほかの店舗への導入を今後検討するとし
ている。
九州電力は「まずは自らの供給地域である九州を固めたい」とし
て、中国地方の大口供給先に自ら営業活動をすることは考えていな
いと強調。他の既存電力会社とのあつれきを極力避けようという意
図がみえる。
九州電力は、イオングループのイオン九州（福岡市）が四月に開
業したイオンスーパーセンター佐賀店（佐賀県東与賀町）をオール
電化店舗として、独占的に電力を供給。九電とイオングループは取
引関係があった。
20051030 1734
[2005-10-30-17:34]
10/30 19:01 新たな競争段階に突入
【解説】九州電力が広島市のスーパーに直接電気を供給すること
が明らかになった。電力の自由化が進んで全国規模の電力流通市場
の枠組みが整う中で、電力会社のライバルは他の電力会社という新
たな競争段階に入ったといえる。
電力自由化で二〇〇〇年以降に新規参入した発電事業者との値引
き競争が激化しており、電力各社は域外顧客に対する電気の直接販
売を狙っていた。
東京電力は原子力発電所が営業地域外にある。北陸電力や四国電
力などは、営業地域内に大口の需要先が少ない。これらの会社を中
心に、電気を区域外に販売する動きが今後加速する可能性もある。
東京電力は二〇〇二年三月、仙台市にある中央卸売市場などの電
力入札に参加した。この時は電力各社の営業地域をまたいで電気を
送る際に送電線の使用料を支払う制度があり、送電コストがかさむ
東京電力は、東北電力に敗れた。
しかし、この制度は今年四月の電力自由化の拡大で廃止。今後は
、大企業や大工場が新規の発電事業者だけでなく電力会社間でも値
段を競わせる状況が考えられ、電気料金の値引き競争の激化は必死
必至だ。
20051030 2022
[2005-10-30-19:01]
10/30 17:36 電力自由化
電力自由化 政府の規制緩和の一環として、１９９６年に電力会
社に電気を販売する卸発電事業、２０００年に大口顧客への電力販
売の自由化が実現。ことし４月には小規模工場などにも拡大し、全
販売電力量の約３分の２が自由化された。鉄鋼や商社などの異業種
が、官公庁の電力入札で電力会社よりも割安な値段で落札し、販売
するケースが全国的に増えている。
20051030 1736
[2005-10-30-17:36]
共同
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