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公務員労働者への卑劣な攻撃   国民のためのサービス守る     【労働新聞】 
http://www.asyura2.com/0510/hasan43/msg/320.html
投稿者 hou 日時 2005 年 11 月 06 日 15:29:35: HWYlsG4gs5FRk
 

(回答先: 一般的な数字は、82兆円、地方を足すと166兆円、特別会計などを加えると412兆円 広義の公務員900万人【日経新聞】 投稿者 hou 日時 2005 年 11 月 05 日 23:47:01)

http://www.jlp.net/union/051025a.html

山本 幸司・公務労協事務局長 に聞く

 「改革加速化」をも掲げる小泉政権は、公務員労働者の給与や人員の削減、事業民営化などの攻撃を強めている。これは財界が望む「安あがりな政府」のためのものである。攻撃は公務員に対するものというだけでなく、国民には公共サービスの切り捨てとしてあらわれるもので、断じて許せない。支配層の狙いなどについて、自治労、日教組などでつくる、公務労協の山本幸司事務局長に聞いた。


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 現在の公務員労働者に対するバッシングは、公務員の賃金問題を政治的な道具とする、周到(しゅうとう)な組織破壊攻撃と言わざるをえない。官公労労働組合を「反社会的団体」であるかのように決めつける、武部・自民党幹事長の発言まである。先日の総選挙でも「政府規模の大胆な縮減」が叫ばれ、野党の前原・民主党代表も、「公務員給与は高すぎる」などと述べている。
 これらは、公務員労働者が経験したことのない、新しい情勢だ。
 現在の攻撃は、憲法に認められた労働組合の存在を否定するものであり、政権への批判者に圧力をかけるという、思想・言論の自由の否定でもある。さらに、労働基本権の制約に飽きたらず、労使関係制度をも否定するものだ。これは、官民を超えた、すべての労働者の権利の否定につながるものだ。

不当な公務員バッシング
背後に増税という狙いも

 公務員労働者の給与は、民間と比べて「高給」であると言われる。だが、公務員の中には、弁護士資格が必要なもの、教員のように試験に合格しなければならないものなどもある。民間との比較には、それらと同じような仕事をしている、同種同格の給与水準と比べるべきで、民間全体の平均と比較するのはおかしい。
 しかも、かつて公務員との比較対象であった、終身雇用や年功序列という民間「モデル」は、九〇年代後半以降壊れている。雇用形態、就労形態、企業規模や男女差などによる、徹底した差別的な格差賃金政策が貫徹し、非正規労働者が被雇用者の三分の一を占めるに至った。規模別では二倍、男女差では六〇%の賃金格差がある。こうしたことを利用して、公務員と民間を分断している。
 ここでは、公務員の賃金を下位平準化させるのか、それとも不当に低い労働者の賃金を引き上げ、均等待遇を実現するなどで上位平準化するかが争われている。つまり、官民を超えた仕事賃金というようなものをどう形成するかが、労働運動の課題であるはずだ。
 自民党内にはストライキ権を含む労働基本権の付与を認めるかのような意見もあるようだ。だが、公務員の削減(解雇)を前提に権利を返還し、しかも「ストをやれば国民から批判されるから、権利を返しても大丈夫だろう」というような見解は不見識で、政治謀略以外のなにものでもない。
 もちろん、公務員への国民の批判は真摯(しんし)に受けとめたい。だが、「財政健全化には公務員人件費の削減が不可避」というような主張は「政治的呪文」であり、国民感情を扇情(せんじょう)し、格差拡大や社会への不満のはけ口に公務員を利用するもので、断じて認められない。
 しかも、「徹底した歳出削減なき増税なし」という政府・与党のスローガンは、逆に言えば「歳出削減を通じた増税」ということである。公務員賃金や人員削減には、定率減税廃止など増税できる政治的社会的環境づくりという狙いが隠されている。その中に、公務員が「生け贄(にえ)」として位置づけられている。

「自己責任」は国の責任放棄
市場万能主義は人心の荒廃生む

 公務員への攻撃の背景には、「小さな政府」を求める小泉改革がある。小泉政権は今年度〜来年度を改革の「重点強化期間」として、「官から民へ」や公務員改革を強めようとしている。
 しかも、こうした改革政策は、閣僚と一部財界人・学者らによる経済財政諮問会議により、トップダウンで決められている。そこには、国民の大多数である働く者の代表はいないし、中小企業も、農民の代表もいない。一部の「勝ち組」企業の代表や米国流市場経済至上主義者らによって、国の意思決定過程が歪められていると言わざるをえない。これはまさに、民主主義が窒息させられようとしている状況だ。
 小泉政権や市場万能主義者が言う「自己責任原則」は、政府や行政が国民生活に責任を負わないということだ。改革の結果は、自殺者数、失業率、倒産件数、生活保護申請数、犯罪件数、家出人数のすべてで、歴代内閣中最悪となっている。日本の自殺者数は先進国中トップで、「平等神話」は過去のものとなっている。これをさらに進めようという小泉改革の「理想郷」は、弱肉強食で人心が荒廃した日本である。
 また、民営化すればなんでもよいかのような見解が横行している。だが、民営化が行き過ぎたニュージーランドでは、救急車を呼べばまず「料金を払えるか」と聞かれ、火事で消防車で呼べば「鎮火料金」を取られる。日本がそんな社会になって本当によいのか。
 どのようなサービスに国や地方が責任を負うのか、そのためには、どのような組織が必要かという議論が先にあるべきだ。「まず公務員の削減」というのは、筋が通らない。

公共サービスへの需要は強い
国民生活破壊と断固闘う

 今後の運動では、給与削減、定員純減、事務・事業の廃止、市場化テスト法、三位一体改革などに対し、公共サービスの確保と雇用・生活と権利を守るため、キャンペーンを行う。
 公務労協は、昨年、大学教授らで構成する「良い社会をつくる公共サービスを考える研究会」を立ち上げた。小泉改革に反対し「労働を中心とした福祉型社会」を対置していくという趣旨だ。この研究成果(基本構想)は、来年一月までに中間報告としてまとめる予定で、これを生かしながら組織内での学習や意思一致を図っていく。
 キャンペーンは、「基本構想」をベースに次のように取り組みたい。
 第一に、小泉改革による経済的・社会的格差の拡大、深刻な公共サービス破壊という現実を暴露していく。とくにその問題点を、子育て、医療、介護などのライフステージに即して、現場から訴えていく。その中で、市場万能主義の誤りを明らかにしていく。
 第二に、「骨太の方針」や「行政改革方針」(〇四年十二月閣議決定)など、政府の具体的な施策と闘っていく。
 具体的には、十一月に五千人規模の中央集会を開き、政府に要求をぶつける。そのほか、市場化テスト法案の提出が見込まれる通常国会がヤマ場となる、来年二月と四〜五月にも中央行動を闘う。中央だけでなく、地方でも具体的な行動を組織し、フォーラムのような組織形成につなげていく。
 第三に、研究会による基本構想を確立することだ。この成果は、春闘の要求にも反映させたい。
 残念ながら、世論には公務員への不信が広がってしまっている。だが同時に、行政による公共サービスには「もっとほしい」という要求は強いし、信頼性は引き続き高い。だとすれば、そこをしっかり踏まえて闘うことだ。
 現実にあった公務員の不祥事にはしっかりした反省が必要だが、労働組合の否定や、労使関係の否定は絶対に認めない。われわれがそうした角度で自己点検を行えば、公務員の仕事の内容や質に対する地域住民の理解も深まる。
 この闘いは自らの生活を守る闘いであると同時に、「小さな政府」づくりによる国民生活破壊、公共サービスの解体に対する闘いとして取り組まれてこそ、われわれの雇用や労働条件、賃金も確保できる。公務員労働者の雇用と生活というだけでは国民的な支持は広がらないわけで、公共サービスの低下の問題として、しっかり闘いたい。



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