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「為替」 ユーロ圏の継続利上げ観測後退でユーロ急落、ドル・円118.55円→119.12円／ニューヨーク外国為替市場概況
「ユーロ圏の継続利上げ観測後退でユーロ急落、ドル・円118.55円→119.12円」ニ
ューヨーク概況 2005年11月22日（火曜日）−株式会社フィスコ 平松 京子 片
山 善博
[ニューヨーク外国為替市場概況]
*07:28JST 「ユーロ圏の継続利上げ観測後退でユーロ急落、ドル・円118.55円→119.12円」
【ロンドン市場概況】
21日のロンドン外為市場では、トリシェ欧州中銀総裁の欧州議会（欧州経済金融問
題委員会）での証言を控えて、先週末の利上げ示唆発言を材料にユーロ買いが優勢
となり、ユーロ・ドルは1.1833ドルまで上昇、ユーロ・円も140円74銭まで連れ高
に推移した。ドル・円は東京市場終盤に119円46銭まで上昇したものの、ドル売り
圧力に上値を抑えられて反落、ユーロ・ドル主導のドル軟調地合いを受けて118円
80-90銭のストップ・ロスをヒットして118円74銭まで下落した。ポンド・ドルは
1.7223ドルまで上昇、ドル・スイスは1.3092フランまで下落した。
ユンケル・ルクセンブルク首相兼財務相（ユーログループ議長）は、トリシェ欧州
中銀総裁の議会証言を控えて、利上げ牽制発言をしており、議会証言での説明責任
が注目されている。
イスラエルのシャロン首相が、与党リクードを離党した、と伝えられた。
【経済指標】
ユーロ圏・9月の貿易収支：14億ユーロの黒字（8月-22億ユーロ）
【要人発言】
ユンケル・ルクセンブルク首相兼財務相（ユーログループ議長）
「欧州中銀による利上げは二次的影響が懸念されるためまだ必要ない」
「ユーロ圏では欧州中銀の利上げを正当化する賃金インフレの兆候はない」
中国商務次官
「人民元改革は、世界経済の不均衡是正のためでなく、経済・金融上の必要性に応
じて進めていく」
「人民元レートの調整だけでは米国の貿易赤字を是正することはできない」
福井日銀総裁（内閣府幹部）
「CPIがゼロに近づくにつれ、時間軸効果は低下している」
「景気判断、政府の情勢判断とまったく相違ない」
「将来のある時点で量的金融緩和解除しても、ゼロ金利効果は続く」
【ニューヨーク市場寄付】
ドル・円：118円91銭、ユーロ・ドル：1.1815ドル、ユーロ・円：140円45銭、ポン
ド・ドル：1.7199ドル、ドル・スイス：1.3116フラン
【ニューヨーク市場概況】
週初21日のニューヨーク外為市場では、ドル・円はトリシェECB総裁の「継続的な
利上げの計画はまだ無い」との発言をきっかけにユーロが急落し、ユーロ・ドルの
下落を受けて118円55銭から119円12銭まで上昇し、119円00銭前後で引けた。
ユーロ・ドルはECB総裁発言によるユーロ圏の継続的な利上げ観測の後退で1.1838
ドルから1.1718ドルまで急落した。中南米、欧州中銀とされる買いが下値を支え
1.1725ドル前後で取引を終えた。ユーロ・円はユーロ・ドルの下落に連れて140円
57銭から139円30銭まで急落した。ポンド・ドルは1.7245ドルから1.7155ドルまで
下落した。ドル・スイスは1.3080フランから1.3207フランまで上昇した。
【原油市場】
原油相場は3日ぶりに反発。先週末の一段安で約5ヶ月ぶりの安値水準まで下落した
事での反動や先週からの欧米での気温低下に伴い暖房需要が増加するとの観測を受
けて買戻しが優勢となった。しかしながら、市場では、原油価格が最高値水準に向
かった場合には価格高騰で需要が減少する上に、政府の戦略備蓄が放出される可能
性が高まる事から“上値は限定的になる”との見方が多く、相場先安観が高まる事
から上値は重い。NYMEX原油先物価格（1月限）は朝方から買いが先行し57.70ドル
（先週末比0.8％高）で引けた。
【オプション動向】
ドル・円スポット相場は、ユーロ・ドル主導のドルを買い戻す動きに連れ、ドル・
円も安値から反発した。しかしながら今週は23、24日とそれぞれ日米祝日にあた
り、レンジ内での薄商いが予想されている。このためオプション市場での変動率は
1週間物が7.375％から7.000％へ低下した。一方、期日物は上昇しており1ヶ月物は
7.750％から8.000％、2ヶ月物は7.750％から7.850％へそれぞれ上昇している。3ヶ
月物は8.025％で変わらず、6ヶ月物は8.125％から8.175％へ上昇している。
リスクリバーサルではドル上昇勢力が衰えている事から円コール買い意欲が若干強
まり、25デルタ円コール・ドルプット1ヶ月物は+0.250％から+0.325％、2ヶ月物は
＋0.350％から+0.400％へそれぞれ拡大、3ヶ月物は+0.40％、6ヶ月物は+0.525％で
それぞれ先週末と同水準となっている。
【株式市場】
NY株式相場は上昇。好調な年末商戦を予想する見方が増えているほか、長期金利が
低下したことも好感され終日堅調な展開となった。セクター別では、ソフトウェア
サービスが下落したほかは全面高となっており、特にエネルギーや消費者サービス
の上昇が目立った。DVRのティーボ(TIVO)は、アップル(AAPL)やソニー(SNE)の携帯
端末に録画した番組を配信する機能を追加すると発表して上昇。ニキビ治療薬のメ
ディクス・ファーマスーティカル(MRX)は医療器具メーカーのメントール(MNT)から
の買収提案を受けて急騰となった。一方でサンディスク(SNDK)は、インテル(INTC)
とマイクロン(MU)が合弁企業を設立しNANDフラッシュメモリの分野に進出するとの
報道で急落した。ダウ構成銘柄では、GM(GM)が3万人の人員削減と12箇所の施設閉
鎖を発表して下落した。一方でボーイング(BA)は新型旅客機787の受注が好調で過
去最高値に迫る水準まで上昇した。結局ダウは53.95ドル高の10820.28、ナスダッ
クは14.60ポイント高の2241.67で取引を終了した。年末商戦の人気商品となる事が
確実視されているマイクロソフト(MSFT)の次世代ゲーム機「XBox360」は、米国時
間の本日深夜から発売開始となる。ソニーの「プレイステーンション」の牙城を切
り崩す事ができるか、当初の売れ行きに注目が集まっている。
【経済指標】
米・10月の景気先行指数：前月比+0.9％（予想+0.8％、9月-0.8％←-0.7％）
【要人発言】
トリシェ欧州中銀総裁
「継続的な利上げの始まりは見られない」
「ECBは米国FF金利との金利差を見ているわけでない」
「ECB内に意見の相違は見られない」
「ECBは具体化したインフレリスクに対して防ぐ必要がある」
「ECBが防止策を行うのは正当」
「価格安定と成長の矛盾は見られない」
「財政赤字の削減はドイツ、ユーロ地域にとってよい」
「ECBは必要である事は行う」
「1999年以来インフレは平均2％以上であり2％以上のインフレの継続はリスクとな
る」
「原油価格が物価に与える2次的な影響は高まっている」
「2％の政策金利は過去最低水準である」
「ECBは緩やかな利上げの準備は整っている」
「ECB政策は引き続き緩和的である」
「ECBの行動は成長、雇用創出に寄与」
「消費は徐々に回復基調にある」
「経済成長見通しは引き続き下方リスクがあり、原油価格や消費者信用がそのリス
クとなっている」
「短期でのインフレは高い」
「原油高騰のインフレへの影響は継続している」
「価格予想の上方リスクは長期化」
「価格予想の上方リスクが存在している事には懸念」
パラモECB理事
「市場はトリシェECB総裁を理解している」
「スタンスの変更は驚きではない」
「前回の会合以降ECBは利上げの準備が整っている」
「トリシェ総裁の発言は必ずしも変更を示したものではない」
「利上げに関してはまだ決定していない」
モスコウ・シカゴ地区連銀総裁（投票権有）
「更なる金利引き上げは必要」
「インフレは引き続き抑制される模様」
「中立的な水準に達した後も引き上げは必要となろう」
「長期的インフレ抑制は継続」
「コアインフレは容認レンジの上方」
「経済のたるみはほとんど解消」
「住宅価格、エネルギー価格は成長のリスク」
「連銀の政策は機械的に指標に左右されるものではない」
【ロンドン市場始値-ニューヨーク市場終値】
為替市場： （始値） （高値） （安値） （終値）
ドル・円 118.97 119.32 118.55 119.04
ユーロ・ドル 1.1778 1.1838 1.1718 1.1724
ユーロ・円 140.42 140.74 139.30 139.58
ドル・スイス 1.3122 1.3207 1.3080 1.3199
ポンド・ドル 1.7188 1.7245 1.7154 1.7154
株式市場：
NYダウ 10766.33 10835.33 10761.05 10820.28
ナスダック 2225.74 2242.30 2219.25 2241.67
債券市場： （始値） （終値）
米国債30年物 4.683 4.660
米国債10年物 4.492 4.461
先物市場：
NY金先物 488.6 490.2 487.1 489.5
NY原油先物 57.60 57.95 57.10 57.70
シカゴ日経平均先物 14710 14785 14680 14765
（フィスコ） - 11月22日7時31分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051122-00000002-fis-brf
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。