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米国のボストン大学での実験室感染事故発生とその波紋【バイオハザード予防市民センター】
http://www.asyura2.com/0510/health11/msg/212.html
投稿者 姫子音 日時 2005 年 12 月 29 日 00:51:30: ufZh96zaorBXw
 

(回答先: 危険病原体研究のP4施設、早期稼働へ条件整備【読売新聞】 投稿者 姫子音 日時 2005 年 12 月 28 日 22:25:26)

以下は、バイオハザード予防市民センター幹事の長島功氏の資料 より引用


はじめに

 ニューヨークタイムズの記事(2005年1月24日)によると、アメリカのボストン大学の3人の研究者が実験中に野兎病に感染したという。以下では、この記事に基づいて今回の実験室事故の概要と背景、さらにその波紋と結末を明らかにしたい。また「責任ある遺伝学協会」がこの事故をきっかけに発表した「人為的ミスは起きるもの」と題した報告を別稿で紹介する。

(1)感染事故の経緯

感染した3人の研究者は、P2実験室でバイオテロ攻撃に対処するためのワクチンの開発研究を行っている際に、実験ミスが原因で野兎病という珍しい病気を引き起こす細菌に感染した。野兎病を引き起こす細菌は、直接人から人へ感染する病原体ではないが、バイオテロに使用される可能性のある危険な病原体である。感染は2回に分かれて発生した。最初は5月に2人の研究者がインフルエンザのような症状を引き起こしたが、それが実験と関係があるとは思われていなかった。9月にもう1人の研究者が数日間病院に入院するという事態になってはじめて、実験で扱った野兎病菌との関連が疑われはじめた。

研究者らが実験ミスを犯したのは、扱っている細菌が野兎病菌の無害な「ワクチン株」だと思っていて、そのため実験規則に従わず、細菌を空気濾過していないフード(実験用キャビネットの一種)の中で扱ったからである。しかし、何故か分らないが、そのサンプルには毒性株が混じっていた。これが感染した理由である。

(2)感染事故の背景

 アメリカでは2001年の9月11に発生した同時多発テロ後の炭疽菌テロ以降、生物兵器対処研究費が巨額に膨れ上がり、数百人の能力も経験もない未熟な研究者が新たにバイオ実験を行うようになった。これが今回の感染事故の背景にあると思われる。もちろん、今回のボストンの感染事故の前にも、細菌を扱う実験での取り扱いミスに起因する感染事故は何回かあった。昨年の3月には、毒性の生きた炭疽菌がメリーランド州からカリフォルニア州へ移送する際に事故が起きた。またフォートデトリックにある陸軍の生物兵器防衛研究所で多量の炭疽菌が漏洩したこともその後の調査で判明した。

このような事故を受けて、一部の科学者たちは、2001年以来生物兵器防衛計画に投入された145億ドル(約1兆5560億円)の資金をもとに新設が続いている細菌研究所が、バイオテロによるいまだ不確実な脅威に匹敵する公衆の健康への危険要因となるのではないかとの懸念を表明している。こうした懸念は、バイオテロに使用される可能性のある危険な病原体を扱う実験施設で感染事故が起き、病原体の漏洩事故が発生すれば、周辺住民に感染が広がる可能性があると危惧されるからである。

現在アメリカにはP4施設は4ヶ所あり、さらに6施設の設置が計画されている。また炭疽菌を十分扱うことができるP3施設は50ヶ所あり、さらに19ヵ所の大学や政府の施設が新たに設置される予定である。そしてボストン大学もP3・P4施設(仮称―ボストン大学医療センター)の設置申請を行っているところで、その最中に感染事故が起きたのでこれが波紋を引き起こしたのである。

(3)感染事故の波紋と結末

 ボストン大学は11月に事故を市、州及び連邦の保健当局に報告したが、その頃ちょうどボストン大学が申請したP3及びP4施設の建設のための公聴会が行われていた。ところが、ボストン大学も政府も、野兎病は人から人へ感染しないから公衆の健康には危険はないと言って、その時に公衆に事故が起きたことを知らせなかった。その理由として彼らが主張したのは、今回の事故は安全規則や感染予防設備のレベルが低いP2実験室で発生したものであって、もっとも厳しいレベルの安全対策が要求されるP3・P4施設の建設をめぐる議論には関係ないというものであった。

 これに対し、どんなに厳しい安全対策が施されていようとも今回のように研究者が安全規則を遵守しなかったときにはどの施設でも事故は発生するものであり、人為的ミスは避けられない、と主張する科学者もいる。また人口が密集している都会にP3・P4施設を建設することに反対している「保護法財団」の会長は、今回の事故によって有害な生物物質や化学物質を研究することの危険性が明らかになったと述べている。そして、今年の1月にボストン大学医療センターの建設予定地の周辺住民10人が実験施設建設計画の差し止め提訴に踏み切ったが、その担当弁護士は、大学の環境影響報告書が「医療センターではこれまで実験室感染事故はなかった」と述べていることを指摘している。つまり大学当局は事故隠しをしたことが判明したのである。また医療センター建設に反対しているある団体の代表は、「5ヶ月間に3人の感染者が出ている。しかも彼らがこの危険な実験施設がいかに安全なものであるかと言っている最中にこうした感染事故が起きているのである」と述べている。多くの人々は、「医療センターは思っていた以上にさらに悪い」と語っている。

 このような騒動の結果、市と州当局はついにボストン大学の医療センターに対する規制を行うか、またはその意向を示した。ボストン市は、同市内でのP4施設の設置を禁止する条例を制定した。一方、州当局は、新たにP4施設での研究に対する最も厳しい健康と安全の確保に関する規制を行う法案を提出する計画であることを明らかにした。

参考文献

New York Times January 24, 2005

Exposure at Germ Lab Reignites a Public Health Debate by Scott Shane

(http:www.twinside.org.sg/title2/service160.htm)



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