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赤肉(牛肉等)は大腸癌のリスクを高める そのメカニズムを解明する新研究(農業情報研究所)
http://www.asyura2.com/0510/health11/msg/262.html
投稿者 シジミ 日時 2006 年 2 月 02 日 23:08:26: eWn45SEFYZ1R.
 

http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/agrifood/food/06020201.htm

06.2.2

 大量の赤肉(牛肉・羊肉)の摂取はDNAを損傷する物質を腸内に作り出すことで大腸癌のリスクを高めるという新たな研究が発表された(1)。赤肉を大量に食べる人の大腸癌発生率が相対的に高いことは従来の研究で示されているが(2)、何故そうなるのかを説明する研究はなかった。新たな研究は、このような結果をもたらす生理学的根拠を明らかにした。

 研究者は、赤肉が大腸癌のリスクの増加と強力な発癌物質であるN-ニトロソ化合物(NOC)の増加に関連していることから、赤肉消費から生じるNOCの遺伝子損傷効果を調べようとした。そのために、21人のボランティアを募り、大量の赤肉(420グラム)を含む食事、菜食、大量の赤肉と繊維を含む食事の3種の食事を15日間続けてもらった。

いささか難解になるので詳細は省くが、研究は赤肉食が菜食に比べてNOCを増加させること(糞便に現れたNOC総量を測ると、赤肉食では菜食に比べてNOC生成が確実で、有意な増加を示した)、赤肉・高繊維食ではこれが中間的になること、赤肉から生じるNOCの量とそのDNA特異的有害付加生成物・O6カルボキシメチルグアニン(O6CMG)に対する染色陽性細胞の率の間には正の相関関係があることを確認するとともに、赤肉から生じる糞便のNOCがO6CMGの生成を可能にするメカニズムも明らかにした。これにより、研究者は、O6CMGは修復できないから、またその他の付加生成物が生成され・修復されないならば、赤肉と大腸癌の関連が説明できると言う。

 この研究について伝えるガーディアン紙によると(3)、科学者たちは、大腸癌の80%が食事に関係しており、従って大部分は予防できると考えられるからと、この発見を歓迎しているという。

 この研究チームの一員であり、以前に肉から生じるNOCとDNAの変化の関係を確認したオープン大学のDavid Shuker氏は、この発見は赤肉消費を大腸癌のリスク増加に結びつけることを可能にし、この病気に関連した非常に早期の変化のスクリーニング検査開発の手がかりも与えるかもしれないと言う。

 また、この研究に資金を提供したケンブリッジ大学医学研究委員会(MRC)のColin Blakemore委員長は、この研究は、昨年発表された疫学的研究とともに、西欧諸国で2番目に多く、世界中で100万人近くを襲う大腸癌の理解と予防に向けた重要なステップだと語る。

 Cancer Research UKの専門家は、研究は、繊維、果実、野菜が多く、赤肉・加工肉を減らした食事の必要性を強調するものだと言う。

 ただし、産業の利害にからむこの種の研究への批判はつきものだ。食肉・家畜産業団体(食肉・加畜委員会)は、この研究の対象となった人々は一日に420グラムも食べており、普通の男性が平均的に食べる量の5倍、女性が食べる量の8倍にもなる、平均的なヒレステーキは140グラム、バーガーは100グラムだと言う。人々はこの研究を赤肉は安全でないと受け止める危険性がある、バランスを欠いた食事をする人には誰でも問題が起きると批判する。

 BBC Newsによると(4)、この団体は、この研究の規模が小さすぎることも問題にする。この小規模な研究の結果は赤肉・加工肉が個人の大腸癌発癌リスクを高めるかもしれないメカニズムを示唆するにすぎず、研究者自身が一層大規模な研究の必要性を認めていると言う。

 とはいえ、この研究が、野菜や果実を嫌い、赤肉を偏食する人々への警鐘を鳴らすことだけは確かであろう。ファスト・フード全盛のなか、そのような人々が増えていることも確かである。ファスト・フードは肥満者・糖尿病患者の急増の元凶として非難されてきたが、 Bowel Cancer UKの顧問であるAnnie Anderson教授は、肉・肉製品が多く、野菜が少ないこのような料理は大腸癌のリスクにも寄与するかもしれないと言う(BBC)。

 1.Sheila Bingham et al, Red Meat Enhances the Colonic Formation of the DNA Adduct O6-Carboxymethyl Guanine: Implications for Colorectal Cancer Risk, Cancer Research 66, 1859-1865, February 1, 2006;Abstract

 2.例えば、Chao A, Thun MJ, Connell CJ et al. Meat consumption and risk of colorectal cancer, Journal of the American Medical Association ,2005;293:172-182.(参照:http://www.bupa.co.uk/health_information/html/health_news/260105redmeatcancer.html)。

 3.DNA damage from eating red meat linked to cance,The Guardian,2.1
   http://education.guardian.co.uk/higher/news/story/0,,1699276,00.html

 4.Red meat cancer risk clue found,BBC News,2.1
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/4662934.stm

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