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【SUNDAYウォッチ】 各局、「ライブドア事件」一色 [JANJAN]
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投稿者 white 日時 2006 年 1 月 23 日 20:13:51: QYBiAyr6jr5Ac
 

□【SUNDAYウォッチ】 各局、「ライブドア事件」一色 [JANJAN]

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【SUNDAYウォッチ】 各局、「ライブドア事件」一色 2006/01/23
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 1週間の動きを受けて、日曜朝のニュース特集は各局とも「ライブドア事件」一色だった。おととしの近鉄球団買収騒ぎ以来、堀江氏を時代の寵児のごとく扱ってきたテレビが、一斉にライブドア叩きを始めた。「耐震偽装」はどこかに消し飛んだ感さえある。刺激の新しい方に飛びつきがちなテレビ報道の性格が出た。

■報道2001(フジ)

前半
ゲスト:伊藤達也・前金融担当相
    M&Aコンサルタント安田育夫氏
    箕輪幸人フジテレビ解説委員

「ライブドアによる法律違反やウソが次々と明るみに出ています。『金さえあれば何でもできる』という風潮を見直す時期に来ているのかもしれません」―司会者・黒岩祐治のオープニング・コメントは、番組の趣旨を象徴する言葉だった。

●最初のコーナーはライブドアの錬金術
 M&Aコンサルトの安田氏が「ライブドア錬金術」をボードで説明。複雑な資金の流れとカラクリを表す図は、新聞や連日の新聞報道ですっかりおなじみになった。

 安田氏は特に株分割に力点を置いて説明した。「違法性はないがシステム(制度)の不備をついてきた」「工夫をすれば株価は上る。これを続けているうちに、どこかで一線を越えた」と分析した。

 気になるのは今後の動きだ。
・箕輪フジテレビ解説委員「ライブドアグループは堀江社長と一心同体。(堀江氏)逮捕もありうる」
・安田氏「上場廃止に向かって動いている。(ライブドアグループには)幾つか上質な企業もあるので、株価が下がりきったところで買収するファンドが現れるのではなかろうか」

●続いてのコーナーは、東証のシステムダウン
 1949年の設立以来初めてというシステムダウンは、取引量世界第2位の東京市場の信用を失墜させた。株価の回復に暗い影を落としかねない。東証のシステムダウンは海外でも大きく報じられた。

 司会者「東証は40年間、大蔵省(現財務省)の天下り先だった。それとの因果関係は、どうでしょうか」

 伊藤・前金融担当相「東証は『民僚』と呼ばれていた。民間でありながら官僚よりも官僚的という意味。そこで東芝会長だった西室さん(現東証社長)に(改革を)御願いした」「東証の中にシステムの専門家はいなかった。業者にまかせ放しだった」。金融行政の元最高責任者にしては評論家のようなもの言いだ。

後半
ゲスト:平田雅彦・元松下電器副社長
    加藤紘一・元自民党幹事長
    堀主知ロバート・サイバード社長

●司会者「若者にとって憧れの象徴であるヒルズ族。そのまた象徴に司直の手が入りましたが……」

 加藤・元自民党幹事長「何か大丈夫かな。何か起きるんじゃないかなという不安があった」「テレビに出て、選挙に出てで本業の経営ができるのだろうか」。加藤氏は、昨年の総選挙で堀江氏出馬の際「お金があれば何でもできるという人が、政治の世界に入ってきてもらっては困る」とクギをさした人だ。

 自民党の中でも数少ない良識派の苦言を、執行部はどう受け止めているのだろうか。小泉首相も武部幹事長も言い訳に終始しているが、映像は選挙戦当時を振り返る。選挙戦で竹中さん、武部さんが応援に入り、小泉さんは「新しい時代の息吹を感じる」などと持て囃しているのだ。これらの次のシーンがライブドア強制捜査後の小泉さん、武部さんの言い訳だ。政治家のご都合主義がよく伝わってくる。

●今回の事件では、最近ではトンと聞かれなくなった企業倫理が問われている。勝ち組、負け組みなどの言葉が半ば世に定着し、儲けることがひとつの価値観になっていることへの警鐘と受け止めたい。

 松下幸之助の直弟子である平田・元松下電器副社長がゲスト・コメンテーターとして登場した。平田氏はマネーゲームが幅を利かす現在のビジネス界にあって一貫して企業倫理を説き続ける財界の御意見番である。

 平田氏「耐震偽装に似ている。基盤ができていないのにもかかわらず時価総額の花が咲いている。(ライブドアが)本当にフジテレビを買収できるような企業なのか。コンプライアンスにかければ無くなってしまうような(ライブドアの)時価総額だ」「お客さまに金を出してもらおうと思ったら、良い物を作って、良いサービスを続けなければならない」。

 ヒルズ族からはサイバードの堀主知ロバート会長(サイバードは携帯のコンテンツを制作するIT企業)が登場した。

 堀氏「松下幸之助さんは『人が集まる家は栄える』と言った。(だから)求心力を持った場所であるヒルズに我々はいる」「世界中見渡せば堀江氏のような者もいるし、もっとエクストリーム(極端)な人もいる」。ホリエモンは財界を「老人クラブ」と揶揄した。平田氏のような古き良き時代の財界人はサイバード会長のこの発言をどう感じただろうか。司会者に突っ込んでほしかった。

【番組総評】
 M&Aコンサルタント、自民党元幹事長、前金融担当相、財界の御意見番、ヒルズ族と各界の代表が口角泡を飛ばして論じ合った1時間半。良し悪しは別として、ホリエモン騒動の大きさがそれなりに伝わる番組だった。
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■日曜討論(NHK)

●第1部は「どうするライブドアショック」と題するテーマで、与謝野・金融財政政策担当相をゲストに招いた。与謝野氏はライブドアの錬金術と拝金主義の風潮を批判したうえで、東証にも処理能力の強化を求めた。

第2部は「各党の国対委員長に聞く」
ゲスト:自民・細田博之
    民主・野田佳彦
    公明・東順治
    共産・穀田慶二
    社民・重野安正

 通常国会が始まって最初の日曜日だったが、冒頭のテーマは「ライブドア事件」だった。自民は昨年の選挙で堀江氏を応援したことを野党から厳しく追及された。

 野田・国対委員長(民主)はライブドアの機関誌を取り出し、表紙に武部幹事長が描いたホリエモンの似顔絵があることを示した。「こうして堀江氏にお墨付きを与えたのは、武部さん、小泉さん、竹中さんですよ」と糾弾した。野党は「今回の事件は小泉構造改革が産んだものだ」と口を揃えた。細田・国対委員長(自民)は防戦一方だった。

●次のテーマは「行政改革推進法案」
法案の骨子は――
・国家公務員の5%純減
・政府系金融機関の統廃合
・特別会計の見直し
・規制改革、民間開放の推進

 改革の総仕上げとして小泉政権が意気込む。今国会の目玉法案だ。
野党側の反応は――
 野田氏(民主)「道路公団を民営化したけど、結局道路は全部作ることになった。この5年間、本物の改革をやってこなかった。そこを今国会で追及していく」

 東氏(公明)「構造改革を進めることによって格差が出始めた。貧富の差が広がるんだったら、何のための改革か」

 重野(社民)「小さな政府議論が横行している。公務員削減は問題だ。行革推進法案はナチスの授権法を思わせる」

 穀田氏(共産)「小泉改革5年間の総括。格差が広がっている。消費税アップ、憲法改正、外交の行詰まり、これらを追及していく」

●この後、「格差社会」「米産牛肉問題」などについても各党国対員長の間で議論が交わされた。

【番組総評】
 民放ほど視聴率を気にしなくてすむNHKでさえもメインテーマは「ライブドア事件」だった。事件が大きな展開となる可能性があるからだろうか。政治に弱いと言われるNHKだが、自民党が堀江氏を総選挙で応援したことを質した。米国産牛肉の輸入再開も「早過ぎたのでは」と批判めいた水の向け方をした(田原総一郎氏と比べれば質すことにも批判することにもならないだろうが)。

 総選挙での自民大勝で巨大与党が登場し、意気消沈気味の野党だったが、追及材料が揃ったことで、久々に勢いづく国対担当者の顔が見られた。
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■サンデープロジェクト(テレビ朝日)

●ライブドア事件
ゲスト:永沢徹(M&Aに詳しい弁護士)
    板倉雄一郎(ITコンサルタント)
    佐々木俊尚(堀江氏取材を続けるジャーナリスト)
    甘利明(自民党政調会長代理)
    井上義久(公明党政調会長)
    松本剛明(民主党政調会長)
    小池晃(共産党政策委員長)
    阿部知子(社民党政審会長)

 司会の田原総一郎氏が「検察筋の情報だと、野口さん(堀江氏側近)の自殺は暴力団と関係があるっていうけど、どうだろう」とのっけから飛ばした。この人、センセーショナルな情報を提示して視聴者の感心をそそるのが上手い。良きにつけ悪しきにつけ他の司会者には真似のできない芸当である。

 佐々木氏(ジャーナリスト)「裏社会とのつながりはない」と否定。

 田原「何で特捜が出てきたのか?何を狙っているのか?」と水を向けたが明解に答えたゲストはいなかった。田原氏がオープニングからいきなり飛ばしたことといい、事件は予断を許さぬ展開となるのだろうか。

 各党政治家、ITコンサルタント、弁護士の発言は、前述の「日曜討論(NHK)、「報道2001」(フジ)と同じような内容。ただし自民党が堀江氏を総選挙で応援した件についての追及は、NHKやフジよりもはるかに厳しかった。

●ヒューザー小嶋社長、インタビュー
 国会の証人喚問(17日)で証言拒否を30回も繰り返した小嶋社長だが、田原氏とジャーナリスト大谷昭宏氏の追及に重い口を開いた。

 特筆すべきは「ヒューザーには資産はありません」ということを小嶋社長の口から語らせたことだ。被害住民の救済には総額で70億円はかかるという(建替え、引越し、家賃などで)。

 小嶋社長は「被害住民救済スキーム」として国賠訴訟とイーホムズ、木村建設などへの損害賠償訴訟で費用を勝ち取るとしている。しかし大谷氏(ジャーナリスト)が「国賠訴訟で最終的に(最高裁)勝つまで住民は待てませんよ」と指摘した。ヒューザーにも資産がない。国賠や損害賠償訴訟で勝訴するまでには年月を要する。まして勝訴するとも限らない。

 うつろな目、二転三転する話の内容。小嶋社長がなぜ住民に信用がないのかが、ブラウンから一目瞭然で伝わってきた。

【番組総評】
 誘導尋問にでもかけるかのような田原氏の挑発的な言辞への批判は少なくない。政治を演出しているようだとの厳しい指摘もある。だが、タブーを恐れず問題に踏み込む姿勢は、大事件になるほど強いようだ。

(田中龍作)
     ◇
※SUNDAYウォッチは、毎日曜日朝のNHK、民放キー局のニュース報道番組をウォッチする企画です。時事刻々と移ろう様々な時事ネタ、事象をテレビはどのように選択し、どう編集し、報道したのか。隠し味としてのテレビ報道批判の視点がテレビの現在を鋭く抉ります。ご期待ください(編集部)

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