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2006年 新年のごあいさつ(浅野ゼミホームページ) 浅野氏が記事に関して言及されています
http://www.asyura2.com/0510/hihyo2/msg/598.html
投稿者 熊野孤道 日時 2006 年 1 月 27 日 21:51:58: Lif1sDmyA6Ww.
 

(回答先: 「事実無根の記事で名誉棄損」 同大教授が文春を提訴(京都新聞) 浅野健一教授が文春に対して 投稿者 熊野孤道 日時 2006 年 1 月 27 日 21:28:26)

全文を引用しますが、途中で「週刊文春の名誉毀損記事」という項目で記事に関して言及されています。文の最後あたりに電子メールとファックス番号が記されていますが、いたずら等防止のために伏字にさせて頂きました。

浅野ゼミホームページhttp://www1.doshisha.ac.jp/~kasano/から
http://www1.doshisha.ac.jp/~kasano/FEATURES/2006/newyearmassage.htmより引用

新年のごあいさつ

Happy New Year 2006!  

みなさん明けましておめでとうございます。
年の初めに当たり、みなさんへのメッセージを送ります。


 2006年元旦
浅野健一

日本の反動化を止めよう

 「9・11」は日本にとっても大きな転換点になった。昨秋の総選挙で自公が圧勝し、日本の反動化がさらに進んだ。政治的なビラを配っただけで逮捕。労組や朝鮮総連への強引で暴力的なガサ入れ。早大の年末のビラ逮捕では大学当局と警察が共謀して恥じない。「学の独立」はどこへ行ったのかと呆れる。権力のやりたい放題が横行している。
こういう時代だからこそジャーナリズムの権力監視機能が重要なのに、マスメディア企業の権力擦り寄りはあからさまだ。

 安倍晋三氏らが日本軍「慰安婦」に関するNHKのETV特集番組を検閲したことを朝日新聞が調査報道したのに、報道界は憲法と放送法に違反した政治家とNHKを全く追及せず、朝日新聞も「取材資料流失」などで謝罪し、安倍=NHK追究の幕引きをはかった。朝日新聞は魚住昭氏が「現代」05年9月号でスクープした取材記録を紙面で発表すべきだ。
 
 NHKは3段階の番組ビデオを開示して、研究者、市民に見せて、討論すべきだ。

 朝鮮新報の連載(http://www.korea-np.co.jp/sinboj/など)で報告したが、昨年12月5日、ETV番組をめぐる東京高裁の民事裁判で12月5日、松尾武・元NHK放送総局長が初めて証言台に立った。ウソをついているのがよく分かった。「現代」9月号に載っている松尾氏の様々な発言について原告代理人に聞かれた松尾氏は、「その通り言った」「間違いありません」などと認めた。ただし、「朝日記者の執拗で巧みな誘導によって、そう答えてしまった」と弁解した。裁判官たちが「記者に誘導されたと言うが、そうだとしても、発言した内容が、事実などかどうかが問われているのではないか」と指摘した。
 
 また、12月21日には当時のデスク、長井暁さんが証言した。長井氏は松尾氏とは違って、正直に自分の言葉で語っていた。

 長井さんは、VAWW-NETジャパンが原告になったこの裁判でNHKが事実を隠蔽していることが許せなかった。長井さんは、当時の伊東律子番組制作局長(現在、理事)が、番組放送が直前に迫った01年1月29日夕、伊東局長の部屋で行われた試写を上司の部長、CP(チーフプロデューサー)と共に見たとき、「もうすぐ松尾さんと、野島さん(直樹・国会対策担当の局長)が帰ってくる。この時期、NHKは政治とは闘えない。『天皇有罪』とかはなしにしてよね」と伊東局長から言われたことを明らかにした。松尾氏らの行き先は永田町(自民党)だと伊東局長は言っていたという。その後、戻ってきた野島氏がCPのところへ来て、台本を広げながら改変の指示を行い、部長らが拒否して、混乱する中で、番組が4分も短いひどいものになったと証言した。

 「NHKが事実を明らかにせず、司法判断を仰いだことに憤りを感じる」と述べた。「本当のことを今言わないと一生後悔すると思った。組織の人間としては間違っているかもしれないが、人間として正しくいきようと思って決意した」。傍聴席にいた人たちの眼から涙があふれた。長井氏は「安倍氏らがNHKに圧力をかけて番組が改変された」と何度も断言した。最後に、「公共放送としてのNHKは絶対必要だ。しかし、政治家と与党と良好な関係を保っていればいいという姿勢では、視聴者、国民の信頼は絶対得られない」とNHKの現在の幹部を批判した。
 
 NHKに政治介入した男が官房長官になって、次期首相の最有力候補だという。自分が首相になったら靖国へ参拝すると公言する政治家が21世紀に通用するはずがない。国家公務員や秘書を使って、朝鮮に二元外交を持ちかけた彼がもてはやされる。大手メディアの中で講談社の雑誌以外に追及するところがないからだ。 

 日本のジャーナリズムはもう存在しない。ネットでオルタナティブ・メディアとしてジャーナリズムを創生したい。昨年「論座」とオ・ヨンホ著『オーマイニュースの挑戦』の解説で書いたことを実現させたい。


警察の匿名発表を招いたのは実名主義

 日本にはメディア責任制度がないため、被害者名発表の判断を警察に委ねる項目を含む犯罪被害者基本計画が昨年末決まった。今すぐメディア責任制度を設置すべきだ。
日本の報道界は人権と報道・連絡会などが20年前から提唱してきた事件事故の当事者の匿名報道主義を無視、敵視してきた。そのつけが今回ってきた。

 大事件・事故の度に繰りかえされる集中豪雨的な取材・報道による人権侵害(media frenzying)を経験した市民は、メディア企業を信用していない。報道界が今頃になって「警察の匿名発表」を非難して、警察を監視できなくなるなどと主張しているのは滑稽極まりない。事件報道で捜査官から非公式情報をとるために奔走し、被疑者の人権なんかお構いなしの取材をしている。警察をチェックするというなら、なぜ全国紙・大通信社は、北海道新聞、高知新聞、愛媛新聞などの記者による警察の組織犯罪に関する調査報道から学び、警察庁、警視庁を頂点とする公安警備警察の組織犯罪を糾明しなかったのか。松橋忠光さん(元警視監)が1984年に『わが罪はつねにわが前にあり』(オリジン)で明らかにしたキャリア警察官僚の罪を暴くべきではないか。

 1月末に発行される「評論・社会科学」78号で同基本計画について詳しく論じる。送付を希望する人は、連絡をください。

極右の妨害

 一一月二五日午後、福岡市人権啓発センターの担当者から、一二月六日に私の講演が予定されている会場の九州産業大学に、「浅野の講演会に会場を貸すな」というメールが来ていて、問い合わせがあった。悪質な言論妨害だ。

 一二月六日、福岡の講演会は予定通り行われた。この講演会に対し、「救う会」関係者が組織的に妨害活動を行っていたことも分かった。当日も会場にいたが、何の行動もしなかった。
福岡市人権啓発センター所長が私に語ったところによると、関係者たちは、私が社会民主党の機関誌などに書いた記事のコピーを持参して、安倍批判をしている人間を講師にするのは、人権侵害だと主張したという。
もともとは福岡市東市民センター(五〇〇人収容)で行う予定だったが、アスベスト問題で、九州産業大学に変わった。
 福岡市では、部長まであがり、講演会の中止も検討されたが、予定通り実施となった。


週刊文春の名誉毀損記事

 みなさんへ報告が遅れたが、「週刊文春」(以下、文春)2005年11月24日号(17日発売)に《「人権擁護派」浅野健一同志社大教授 「学内セクハラ」を被害者が告発!》という4頁の記事が掲載された。この記事がネット上で引用され、記事の真偽を確認もせず、私を誹謗中傷、侮辱する「言論」が横行している。
メディアによる人権侵害を調査研究してきた私自身が、文春の報道被害に遭った。この人権侵害記事を受けて、私は「文春記事は事実無根である。名誉毀損だ。民事裁判を提起する」とだけコメントしている。大学の講義、ゼミでもそう述べてきた。

 長期戦になるが、文春記事の不当性を法律に基づき、証拠によって明らかにし、損害賠償、謝罪を求めていく。
文春記事に登場するA子さん(女性)とDさん(男性)は記事の中では、セクハラ被害に遭って苦悩しながら、「今も学問の世界に身を置いている」という表現になっているが、現職の同志社大学嘱託講師と推測される。2人に学内の委員会に申し立てを勧めたと記事の中で言明しているB教授は同志社大学社会学部の専任教員であろう。
この3人が本当に文春の取材を受け、取材に協力し、文書類を渡したかどうかは分からない。3人のコメントをすべてでっちあげることだって、文春ならやりかねないからだ。3人と文春との関係は、裁判の中で明らかになるであろう。それを待ちたい。

 このHPで私が「反論」「抗議」をするのではと考えていた人も少なくないと思う。しかし、諸般の事情があり、私のサイドから、記事についての詳しい表明などはしなかった。連絡をくれた人だけには、概要を説明してきた。

 学内の教授会、学科会議、専攻会議などの諸会議で、記事に書いてあるような私にかかわることが問題になったことは一度もない。記事にあることのほとんどが初耳であり、悪質な捏造、虚偽、歪曲であるが、私は今、積極的に反論していない。こちらから動けば、それを報道されて、でたらめな文春記事を世の中に広めることになるからだ。「出た記事の名誉毀損を明らかにして、法の適正手続きに従って潔白を主張する」という方針だ。

 フリー・ジャーナリストの山口正紀氏が「週刊金曜日」(11月25 日号)の「人権とメディア」に《週刊文春「浅野告発」記事 匿名・伝聞による闇討ち報道》を書いている。文春記事は「メディア・リテラシー」「客観報道原則」「報道倫理」「報道の社会的責任」などメディア学を学ぶ学徒にとっていい教材になるであろう。週刊誌ジャーナリズムのあり方を考えるときにも、いい研究対象だろう。

 山口氏は記事の中で、《浅野氏は「文春記事は事実無根の捏造」として近く、名誉毀損で提訴する。記事が並べた「セクハラ疑惑」について、『文春』は法廷で「真実性」の立証を迫られる。ただ、裁判を待たずとも記事自体から指摘できる問題がある。記事が「匿名の告発者」の一方的主張と伝聞情報で構成され、「告発対象」のみ実名、というアンフェアな手法で作られていること。こんな「闇討ち報道」がまかり通れば、だれでも「疑惑の主」にされる。》
 《『文春』はかつて「ロス疑惑」報道で一市民を「疑惑人」に仕立てた。それを最も早く批判したのが浅野氏だ。〇一年の「大分聖嶽遺跡捏造疑惑」報道では、私怨を持つ人の話による「疑惑」記事で別府大学名誉教授を自殺に追い込み、遺族が起こした訴訟で昨年、賠償と謝罪広告を命じられた敗訴判決が確定した。今回もまた、それらと同じ手法の「疑惑」記事で浅野氏を社会的に葬ろうとしている。
 B教授らは、それに利用されたのか、利用したのか。「メディア研究者」なら、『文春』の「疑惑報道」手法、数々の「人権侵害の前歴」を知らなかったはずはないのだが。》

 これまでの人生でいろんなことがあったが、これはある種の「テロ」というか、闇討ちに遭ったという感じだ。
私は報道被害、報道加害のことを調査研究してきたが、「週刊文春」というメディアの怖さを思い知った。
文春の報道被害者となった私は、この記事の問題性を社会化して、将来のジャーナリズム改革につなげたいと思っている。

2006年の課題

 昨年9月、野田正彰さんとの対談本、『対論・日本のマスメディアと私たち』(晃洋書房)を出版した。よく売れている。PRをお願いしたい。

 戦争の時代のメディアについて単行本を今年出したい。
 憲法改悪を阻止し、歴史を正確に認識し、アジアの人々との共生を目指す人民のネットワークをつくりたい。
今年は日朝正常化のチャンスの年である。在日朝鮮人の人たちが待ち望んだ正常化が実現してほしい。両国政府に、日本の41年にわたる朝鮮に対する強制占領と60年に及ぶ敵視政策と、朝鮮による日本人拉致事件の両方を解決するよう求めたい。

 在日朝鮮人二世(韓国籍)の弁護士の金敬得(キム・キョンドク)さんが12月28日に死去したという記事が朝日(12月31日)に載っていた。「外国籍司法修習生第1号」の弁護士だ。

 《在日韓国人2世として76年司法試験に合格。司法研修所入所に際し「帰化」を求められたが、「弁護士になぜ日本国籍が必要なのか」と問いかけて最高裁の方針変更を引き出し、外国籍司法修習生第1号となった。
指紋押捺(おうなつ)拒否事件や元日本軍慰安婦の戦後補償、東京都管理職試験受験資格確認訴訟など、外国人の人権擁護のための裁判にかかわるとともに、定住外国人の地方参政権獲得や民族共生教育を目指す運動に取り組んだ。ソウル地方弁護士会名誉会員。》
 《司法研修所入所に際し「帰化」を求められた》という記述を読んでゾッとした。
 1980年代末に共同通信記者に内定した上智大学生は「帰化」させられた。NHKに合格した慶応のゼミの後輩の中国人留学生もNHK人事当局者から、何度も日本国籍をとれと言われた。

 天皇は昨年末の誕生日会見(12月23日報道、会見は、実際には数日前にあった)で次のように語った。《日本は昭和の初めから昭和20年の終戦まで、ほとんど平和な時がありませんでした。この過去の歴史をその後の時代とともに正しく理解しようと努めることは、日本人自身にとって、また、日本人が世界の人々と交わっていく上にも極めて大切なことと思います。

 戦後60年にあたって過去の様々な事実が取り上げられ、人々に知られるようになりました。今後とも多くの人々の努力により、過去の事実についての知識が正しく継承され、将来にいかされることを願っています。》(読売新聞データベースより)

 天皇が政治的な発言をすることには反対だが、彼のこの認識は適切ではなかろうか。
 「歴史の解釈は国よって異なる。正しい歴史認識など存在しない」と言い切り、南京虐殺や日本軍「慰安婦」の存在を否定する極右の政治家や文化人はこの見解をどう聞いたのだろうか。

 日本がアジアで生きていくためには、「より正しい歴史認識を求める努力」(1998年江沢民・前中国国家主席が来日して発言)が日本の人民と政府に求められている。

 今年は憲法改悪を阻止するための人民のネットワークを構築しなければならない。改憲を目論む「あっち側」の意図を暴露して、反戦・非戦の現実的な力になる憲法を生かしていこう。

 昨年4月、私の勤務先の学部の名称が変更しました。3月には「海外から見た日本のマスメディア」を共同研究してきた11期生が卒業します。卒論は力作揃いで。

 4月には同志社でジャーナリズムを学ぼうという新しい学生、院生が入ってきます。

 1月10日9:45から1回生、10:45から2回生の次年度のゼミ登録に関する説明会が、それぞれMK301で開かれます。浅野ゼミについて質問のある人は、私まで遠慮なく連絡ください。メールかファクスでお願いします。

 電子メール:**********************
 FAX:***-***-****(社会学部教員の共用)

 同志社のメディア学科をより充実し、日本のメディアを改革する大きな流れをつくっていきましょう。
 共に元気にすすみましょう。

 本年もどうぞよろしくお願いします。

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