★阿修羅♪ > 雑談専用15 > 631.html
 ★阿修羅♪
児童虐待 身体と心の傷は日本の家族制度の中で覆い隠されていた!
http://www.asyura2.com/0510/idletalk15/msg/631.html
投稿者 デラシネ 日時 2005 年 11 月 12 日 11:56:27: uiUTTMWMO8Vq6
 

http://www.geocities.jp/supernil_mh/sabra/sabra_9.html

家族制度も子育てもそう、日木は内へ内へこもる傾向にある。プライパシーの名を借りた"閉鎖的空間=家庭"の中で、愛し合う者たちがお互いを追い詰め合ってゆく……。その犠性者はたいてい、力の弱い幼い子供たち。それも当然、両親の欲求不満・嫉妬がカタチを変えた暴力に対し、受け入れる以外に生きる道はないのだから。そして、そんなふうに暴力を振るってしまう親たちもまた、心の奥底に痛ましい幼児体験を抱えているケースが多いのだ。

児童虐待を受けた主人公たちの魂の遍歴を描いた『永遠の仔』がベストセラーを続け、また今年5月に児童虐待防止法が成立するなど、近年児童虐待に対する関心が高まっている。児童虐待というと身体的虐待だけをイメージしがちだが、実際はその内容は幅広く、一般的には身体的虐待、性的虐待、惰緒的虐待(心理的な傷を与える罵りなどの言動)、放置・遺棄(育児の放棄)に分類される。児童虐待を見つけたら通報義務があるアメリカでは、年間300万を超える通報件数がある。一方日本では、児童相談所に寄せられた児童虐待に関する相談件数は99年度で1万2411件。アメリカに比べると桁違いに少ない。だが、これは子供にとって日本が安全な社会であることを示しているのではない、と斎藤氏は言うのだ。

よその家庭へは介入できない、したくない日本人

--日本では家庭内暴力というと子供が暴れることばかりが騒がれるけれど、じつは一番多いのは親から子への虐待である、と先生は再三おっしゃっていますね。

斎藤●暴力というのは強者から弱者に向けられるものです。とすれば、親から子への虐待が一番多いのは当然ですよ。特に女児に対するものね。子供で女性というのが一番の弱者だから。ところが日本の場合はその実態が覆い隠されてきた。それが特徴です。

--なぜ隠されてきたんですか。

斎藤●私が90年代の初めにこの問題に本格的に関わり始めた頃、ある小児科学会の権威に「この仕事を30年間やっているけれど、子供を虐待する母親なんか見たことがない」と言われたんです。小児科学に関する日本の教科書には、アメリカのそれと違って児童虐待についての記述がまるまる欠けている。教わらず、頭の中にないものを医者は見ることはできないし、母親だって、わかってない人に「私は子供を…」とは言えませんよ。それと、弱者に対するセーフティーネットがないまま、明治以降家族のプライバシーが言われ、コミュニティーによる家庭内暴力に対する抑止力が効かなくなった。それで子供が割を食ったんです。でも、91年に相談電話を開設したら、びっくりするくらい多くの電話がかかってきた。去年45人の児童が虐待によって死亡したけれど(警察庁調べ)、事前に児童相談所が関与していたケースはないんです。児童が死んで、不審に思った医者が調べて虐待が明らかになるケースだって実際の何分の1かでしょう。こうしたことすべてが潜在件数の多さを物語っている。それに、アメリカでは児童虐待を見つけて通報しないと罰せられるけれど、日本では今度の法案でも罰則規定がないから通報も少ない。とすれぼ、日本でも年聞100万件ぐらい児童膚待があると考えたほうが自然なんです。

「子供も一個人」それが見えなくなる日本の母親たち

--相談電話の内容はどういうものなんでしょうか。

斎藤●80%が母親からですね。その3分の1は育児相談で、このままだと子供を叩いてしまいそうなんですがって。たまには叩いたっていいんだよと(笑)、安心させるのが必要な人ですね。残り3分の2は実際に叩いてしまって悩んでいる。たとえば、子供に無理やりピアノの練習をさせていたら子供が嫌がり、気がついたら子供を椅子から引きずり下ろして踏んづけていたとかね。自分で自分のことが怖くなった、このままだといつか子供を殺しちゃうんじゃないか。どうしたらいいのか…。

--母親はなぜそんなふうに子供を虐待してしまうのでしょう。

斎藤●そもそも人間の心というのは欲求不満から成リ立っているんですよ。赤ん坊が泣きますよね、あれは、この世界を滅ぼそうという気持ちで泣いているんです。泣くこと自体の中に大量の攻撃性が含まれている。その欲求不満が授乳なり何なリで充足される。その欲求充足の記憶が心の歯止めになるんです。同じように、母親には母親の欲求不満と欲求充足がある。対象が赤ん坊の場合は、その赤ん坊がいい赤ん坊、おとなしい赤ん坊であって欲しいという欲求です。ところが、1歳半ぐらいになって赤ん坊にセルフ(自已)が芽生えると、母親のセルフと赤ん坊のセルフはそれまでの融合状態からだんだん分離していく。赤ん坊とか幼児はしょっちゅう、どこまでやれば母親は制止するかを試したリ、制止されることを予測した上で何かをしたりするんです。いつもこれに対応していると、母親もくたびれて、カッとしますよ。

--虐待する母親に何か特徴はあるんでしょうか。

斎藤●24時間、365日子供と接している母親つまり専業主婦ですよ。仕事を持っている母親は少ない。それだけ多くの人の手が入っているし、仕事という息抜きがありますから。子供は狂気の存在です。言葉も論理も通じない。そんな存在と何年間も狭い家の中にいれば、おかしくなって当たり前。今の母硯は自分が幸せになるため、夫とやっていくため、そろそろ産まないと周囲がうるさいから…と、戦略的に子供を産むわけですよ。神様が授けてくれたから産むんじゃない。そういう気持ちを押し隠して育児をやっているうちに、いつか爆発するんです。それと、自已評価が低く、自分を責めるような母親だと、自分の一部だと思っている赤ん坊を責めちゃう。乳児に対する暴力はそういうケースが多い。一種の自傷行為ですね。

我が子の誕生、自分が受けていない愛情は注げない

--父親からの相談が少ない、イコール父親による虐待が少ないということではないわけですよね。

斎藤●男は折檻とか躾と称するし、そういうふうに称することを社会が許してきた。放置・遺棄だって、本来は両親の責任ですよ。

--父親の児童虐待も欲求不満が源にあるんですか。

斎藤●父親から子供への致命的暴力のほとんどは嫉妬の感情が源にあるんです。継父に多いのはそのためですよ。相手の女性の連れ子に自分の時間、ふたりだけの時間を取られちゃうじゃない。子供に母親のおつぱいを奪われたことに嫉妬して子供を虐待するんです。あたかも可愛がっているかのように子供を揺するんですよ、高い、高いをやって。簡単に頸椎損傷、腰椎損傷で大怪我しますよ。顔はニコニコしながら、どこかでコノヤロウと思っているんです。

--先生の本を読んで怖いなと思ったのは、虐待された子供は大人になってから子供や女性に暴力を振るいやすいことです。

斎藤●子供は一番最初に接する他者、つまり親との間で言語を覚え、習慣を覚えていく。だとしたら、自分が育てられたようにしか子供を育てられないことが多いんですよ。それを変えようと思ったら、相当意識的に自分はおかしいと自覚しないといけない。だいたい子供は少々虐待的な親にひっつき、「いい親」に置き換えていくんです。親は自分を必要としていないと幼児が知ったら、その子は肉体的にも精神的にも弱い子になり、感染症で死んでしまうこともある。哺乳動物は親子間の関係を絶つと弱くなるという致命的な弱点を持っているんですよ。だから「いい親」という幻想を抱いて生き延びようとするんです。そういう子供が大人になって子供を持ち、配偶者が子供の欲求に応えていると、嫉妬の感情が生まれ、子供に暴力を振るったリもする。暴力は、たとえばそのようにして世代を超えて繰り返されていくんです。

【参考文献】●『子供の愛し方がわからない親たち-児資虐待、何が起こっているか、どうすべきか』(斉藤学/講談社)
●『アダルト・チルドレンと家族 心のなかの子どもを癒す』(斉藤学/学陽書房)
●『イノナーマザーは支配する-侵入するお母さんは危ない一』(斉藤学/新講社)●『家族依存症』(斎藤学/新潮文庫)

 次へ  前へ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ       HOME > 雑談専用15掲示板



  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。