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敗退の弁、合成酒を飲みながら
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投稿者 愚民党 日時 2005 年 12 月 31 日 19:43:47: ogcGl0q1DMbpk
 

敗退の弁、合成酒を飲みながら

 どうにか午後3時に、大きな郵便局に応募原稿を窓口に出すことができた。
 しかしこれは校正と推敲が不完全の原稿である。
 締め切り12月31日当日消印有効で、応募失格には、ならないはすだが
 下読みの方が10枚読めば、基本的な日本語が書けない応募者であると
 判断されてしまうのは明確だった。
 
 
 ゆえに、来年からは日本語の「文」、その基礎を独習しなくてはならないと思った。
 
 小説とは糸である。糸を編む作業。
 糸を編んだのが布であるが、布を解いても糸は線として存在する。
 物語は両手に持つ一枚の布である。そして基軸は糸。
 糸がほつれては布を編めない。糸が切れては布を編めない。
 糸という線こそが小説の必然である。
 それは人間と出来事の偶然を設定する。決定していく。
 
 1+1=2、これが小説の時間論理である。
 何故なら小説の人物も年齢を重ねていくからである。
 人物の時間の進行を読者は読んでくださる。
 過去への進行も時間。
 人間と社会の出来事を日本語によって表示する小説は、時間である。
 そして場所。人間の関係糸。糸地獄。
 小説は読者を牢獄へと誘惑する。牢獄の世界へ魅了する。
 記述されたもうひとつの歴史に小説は照明を当てる。
 そのとき、人物の時間の経過は厳密であり正確に時を打つ。
 時に誤りがあれば、小説は読者に読まれることはない。
 読者が糸の誤りを察知すれば、その時点で小説はゴミ箱に捨てられる。
 
 生身の俳優が演ずる舞台は、どうにでもごまかせるが
 小説が文と文字において誤れば、読者はそれを捨てる。
 読者との糸がそこで切断されるからである。
 これが「本」だ。
 小説とは「本」という商品へ飛躍かもしれない。
 「本」になるためには、厳密と体系からの校正が、格闘となる。
 劇場の観客は俳優が台詞を間違っても、席を立って、途中から帰らない。
 舞台の俳優の身体は劇の糸であり、俳優に身体が舞台にある限り、劇という布は
 「劇的なるもの」をめぐって風を孕む。
 しかし小説の身体は、ただ読者の読む行為としての「文」へ没入する進行時間にある。
 身体は読者の側に現有している。
 おそらく小説とは読者の身体の時間であろう。
 ゆえに「本」に従事する人間は校正に全力投入するのであろうか……
 
 日本語という共通言語による原稿が「本」という社会の商品となるために
 上部構造がある。
 記述された言語が「本」に生成することは、上部構造への挑戦でもある。
 言語市場という小説「本」の市場へと飛躍する商品とは社会化される可能性を持つ商品。
 小説の「文」とは商品を生成するのだが、そこにおける戦略的部品が
 不良品であっては商品が成立しない。不良品を使える部品とするのが校正であり推敲であろう。
 小説家のパソコンは小説という「本」を誕生させる工場であるが
 手元に国語辞典を置かないと、市場の商品として飛躍する製品に生成する部品を作れない。
 「文」とは部品であり糸である。
 
 いずれにしても書きながら自己学習していくしかながっぺ。
 来年から勝負だっぺ。
 
 郵便局にはいっぱい年賀状を出す人が来ておりました。
 おら、その風景、もらったんべ。いいシーンだんべ。
 紅白歌合戦よりも、郵便局の方が大晦日の雰囲気が出ているっぺ。
 
 男は大晦日の中央郵便局の窓口に年賀状を出しにいった。
 そこで出会ったのは女だった……男と女は明日年が越える街を歩いていった。
 「故郷に帰らないか?」男が聞いた。
 「……」女は黙っていた。女のコートが冬の風に踊っている。
  街は生活者が往来し、家族連れが目立った。
  男は女の手を握った。
 「ふたりで年を越さないか?」
  女は黙って、うなづいた。
  
 さぇてぇとぉ、これから飯を食って、12月31日、夜の街、人間様の群像を
 すこし観察してくっぺ。小説のネタはやっぱ、テレビじゃなくて、街の群像だっぱ。
 12月31日は、やっぱ、雰囲気あるわぁ。なんでだんべぇ……、過去と望郷があるんだんべか。
 やっぱ、なんか郷愁がただよっているんだわぁ。
 
 
 

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