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Re: 辺見庸氏、がんで手術へ 書きかけの小説は何とか仕上げたい。書くためにあと二年はほしい。(酔醒漫録)
http://www.asyura2.com/0510/news2/msg/313.html
投稿者 gataro 日時 2005 年 12 月 17 日 13:29:07: KbIx4LOvH6Ccw
 

(回答先: 辺見庸氏、がんで手術へ 今月中に(共同通信) 投稿者 熊野孤道 日時 2005 年 12 月 16 日 23:01:54)

有田芳生さんのホームページ
http://www.web-arita.com/sui0512b.html から引用。

 12月16日(金)辺見庸さんが大腸ガンで入院したと報じられた。昨年3月に新潟で講演中、脳出血で倒れ、リハビリをしているさなかに、新たな病魔が襲った。最近は毎日新聞社から出すエッセー集を左手でパソコンに打ち込んでいるという。これからは小説執筆に力を注ぐはずだった。偶然だが、いまこの机の上には辺見さんの掌編小説集『銀糸の記憶』(角川書店)がある。時局を論じて苛立っていた辺見さんにとって、小説世界に集中できる環境に生きることが「内なる声」だったはずだ。ところが日本の現状はそれを許さなかった。ハノイのホテルで夜な夜な酒を飲んだとき、「オレは共同(通信)の日野啓三になるんだ」と語っていたことを昨日のように思いだす。ベトナム特派員だった読売新聞の日野さんが作家として芥川賞を取ったことを意識していた辺見さんは、帰国すると本当に芥川賞を受賞した。辺見さんが意図しているのは江戸時代から現代にまで連綿として続く死刑制度に文学的構想力を通じて真っ向から対抗することだ。「東京新聞」(16日付朝刊)は小さな記事で辺見さんの肉声をこう伝えた。

 書きかけの小説は何とか仕上げたい。小説の完成が先か、私が死ぬのが先か。その作品の中で最も重要な死刑確定囚の友人がくびられるのが先か……。書くためにあと二年はほしい。

 ジムで泳ぎ、青山ブックセンターに行った。米原万里さんの『必笑小咄のテクニック』(集英社新書)を買うのが目的だった。米原流文章講座を読みたいからであり、そこにはご本人に聞くことがはばかられる「ある」ことが書いてあると思ったからだ。神保町へ向かう地下鉄のなかで「あとがき」を読む。やはり書いてあった。いまから2年前、米原さんは悪性の卵巣腫瘍に冒された。それから1年4か月、ガンは左鼠蹊部リンパ節に転移したという。その病状を米原さんは隠すことなく公表してきた。米原さんは55歳。辺見さんは61歳。独自の世界と文体を持ったお二人は、わたしにとって常に気になる存在であり、先達である。いま病を抱えながらまさに生命を赤々と燃焼させつつ仕事に取り組む姿を想像する。内田樹さんが行ったレヴィナスの「他者」概念の解釈が蘇る。「違うときに、同じ場所にいるもの」としての「他者」。〈わたし〉より先に「ここ」にいたひと。〈わたし〉が去ったあとで「ここ」に来るひと。「生きる」とは生物学的に存在していることとは違うとレヴィナスはいうのだ。

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