★阿修羅♪ > 日本の事件18 > 136.html
 ★阿修羅♪
民間にできることは民間に任せる「官から民へ」の一環だが、マンション建設ラッシュが続くなか、落とし穴はなかったのか。
http://www.asyura2.com/0510/nihon18/msg/136.html
投稿者 TORA 日時 2005 年 11 月 19 日 13:27:03: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu107.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
--------------------------------------------------------------------------------
民間にできることは民間に任せる「官から民へ」の一環だが、
マンション建設ラッシュが続くなか、落とし穴はなかったのか。

2005年11月19日

偽造対象となったビジネスホテル「京王プレッソイン茅場町」


◆マンションラッシュに落とし穴 11月19日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20051119/mng_____tokuho__000.shtml

耐震設計に必要な構造計算書が、書類作成を請け負った建築設計事務所によって偽造されていたことが分かった。そのチェックを任されていたのは「指定確認検査機関」という民間機関。これまで自治体などが行ってきた建築確認申請を審査している。民間にできることは民間に任せる「官から民へ」の一環だが、マンション建設ラッシュが続くなか、落とし穴はなかったのか。 

 「設計書類を再チェックすると、すぐに気づきますよ。専門家ならパッと見れば分かる。率直に言って、指定確認検査機関がしっかり見ていなかったのではないか」

 姉歯(あねは)建築設計事務所が作った書類を急きょ再検査している東京都中央区の担当者は、あきれながらこう明かす。同区では、ホテル、マンション各一棟で構造計算書の偽造が見つかった。

 今回、「姉歯」は設計業者の下請けとして構造計算書を作成していた。元請けの設計業者は、「姉歯」のずさんな偽装を見抜けなかったのか。

 そのひとつの不動産会社「シノケン」役員は「うちの社名で建築確認申請をしているので、全く偽装をチェックできなかったという言い逃れはできない。応分の責任はあると思う」と認める。その上で、「ビジネスは信頼関係に基づいてやっている。すべての書類をひっくり返してチェックするのは難しい」と強調する。

 姉歯秀次・一級建築士がコスト削減の圧力を感じたと発言したことについては、こう言い切る。

 「うちはマンションの設計・施工を下請けに出しており、(下請けから孫請けの『姉歯』に仕事が回ったため)『姉歯』の存在も知らなかった。うちが下請けにコスト削減のプレッシャーをかけ、そこが『姉歯』に圧力をかけるなんて構図はない。ムダを削る努力はするが、法令を犯してまでするわけがない。うちはある種、被害者だ」

 国土交通省によると、建築確認を代行する民間検査機関は、阪神大震災時に建物の倒壊が相次いだことを受け、一九九八年の建築基準法改正で設立された。

 建築確認業務の民間開放の一環で、同検査機関は毎年増加=グラフ。今年九月現在で百二十二機関にのぼる。うち株式会社が五十法人(二〇〇四年現在)と一番多く、財団法人、社団法人などは計四十六法人(同)とほぼ同規模だ。

 「財団法人、株式会社を問わず、『建築確認』が民間開放されたとき、役所で建築主事として業務に従事した経験のあるOBを採用してスタートしたところが多かった」と、ある大手の検査機関幹部は指摘する。

 一方で、姉歯建築士が仕事に追われていたと説明しているように、背景にはマンション建設ラッシュもある。首都圏では、バブル経済崩壊後の九二年に分譲マンション着工戸数は約四万五千戸まで落ち込んだが、その後増加傾向に転じ、二〇〇〇年から〇四年は十一万五千戸前後の高い水準で推移している。

■5年前全体の1割、昨年5割超

 これに伴い、民間の検査機関が設計審査を行う確認件数は、五年前の二〇〇〇年が全体の約一割だったが、昨年度は約七十五万件のうち56%に達した。今回、マンション五棟で計算書偽造が分かった千葉県船橋市では「年間約四千件前後の建築確認申請が出されるが、うち八割以上を民間の検査機関が扱う」という。

 検査機関の受注が増えたことについて、建築主側の関係者は「建築申請側にとっての最大のメリットは審査期間の短縮。自治体による審査は早くても一カ月かかるのに対し、民間の検査機関では一、二週間で確認が下りる場合もあり、助かる」と話す。

 検査機関側も「役所の担当者はいくつもの業務を兼務しており、事務量が膨大で時間がかかるが、われわれは建築確認が本来業務なので、役所よりスピードが速いというのが売り物。懇切丁寧に対応している点も申請者側から評価されているのでは」と話す。

 しかし、住民にとり最も重要な構造計算書が偽造された上、設計、施行、検査のいずれの段階でも、この不正行為が見抜けなかった。「姉歯」が偽造したとされる建物の建築確認審査を担当した検査機関「イーホームズ」は十八日の記者会見で「偽造は非常に巧妙で分かりにくい。われわれは検査機関として適切に業務をやっている。過失はなかった」と主張。逆に十月の内部監査で偽造が分かったとした上で「通常の審査業務で発見できなかった偽造を見破った」と強調する。

 だが、ある大手の設計会社は「言語道断の行為」とした上で「大手の場合、設計と構造計算は分離せず、一体的にやるのが一般的だが、専門家がみれば、例えば設計図と構造計算書を見比べて、鉄筋の量が足りないとかはすぐに分かる。また施工段階でも、二重三重にチェック可能で、偽造された構造計算をもとに建物が完成することなどありえない」と首をひねる。

 中堅ゼネコン幹部も同様の見方を指摘、不正が見破れなかった原因について「検査機関も細かくチェックしていれば、見抜けたはずだ。しかし、構造計算書は膨大な量で、全部見ると時間がかかるため、ポイントだけチェックしたのではないか」と推測。その上で「(姉歯が)『コスト削減のプレッシャーがあった』と言っているように、そこには安全性より利益優先の発想があったと言われても仕方ない」と批判する。

■『検査機関 能力ない』

 構造技術者が一九八一年に設立した「日本建築構造技術者協会」幹部は「日本の建築確認は、まさに確認するだけ。構造計算書も書類をぱらぱらと見る程度で、もともと検査機関にチェックする能力はない。欧米では、構造計算については建築構造士などの専門家がチェックする」とそもそもの能力を疑問視する。

 国交省は「姉歯」と元請け会社を建築基準法違反容疑で告発する方針だが、人命にかかわる設計の審査を民間に任せることに問題はないのか。「欠陥住宅関東ネット」事務局長の谷合周三弁護士は「建築確認が民間に開放されて、速く安くという傾向が出ている。当時の同法改正には私たちも、日弁連も反対した。第三者のチェックをどう担保するかがポイントだったが、事実上、施工業者に関係する検査機関をつくることも可能だ。行政なり第三者の建築士がきちんと検査する仕組みにすべきだ」と指摘する。

 法政大学の五十嵐敬喜教授(公共事業論)は「一体誰が責任を取るのか。一義的には姉歯建築士に責任があるが、個人では賄いきれない。検査機関も同様。施工業者は図面通り造っただけだと言うだろうし、行政は民間の問題だと言う」と無責任な制度を批判、その上でこう話す。

 「問題は、起こるべくして起きた。マンションの周囲の住民にも危険が及ぶ。最大の原因は、建築確認を民間に開放したことだ。非常に公共性が高く、民間委託すべき問題ではない。最終責任は行政が取るべきなのに、街づくりの根本の建築行政が空洞化してしまっている。一番大切な安全性という根本問題を民間に委ねてしまった国交省、国会の責任は大きい」

(私のコメント)
株式日記では政治経済外交など毎日のように問題点を指摘していますが、このようなサイトは読者の関心も薄く、大きな事件が起きた時以外は注目もされない。今でも異常にアクセスのあるのは10月31日の「伊東美咲や佐藤江梨子を食った堤義明」といったタレントものの話題であり、芸能やスポーツといった娯楽もののサイトは異常に人気がある反面、社会問題や政治問題には大衆はほとんど感心がない。

しかし関心がないからといっていると、とんでもない問題が起きたときにパニックを起こしてしまう。昨日から今日にかけて欠陥マンションのニュースが報道されていますが、これも小泉首相の「官から民へ」の政策の欠陥が現れた問題であり、問題が起きた時の責任の所在が分からなくなってしまう。

結局は小泉首相の「官から民へ」という掛け声は、役人たちの責任逃れの手段であり、天下り先を増大させる手段なのだ。郵政の民営化問題にも問題点などを指摘して反対しましたが、思わぬ弊害もいずれ出てくるだろう。裁判員制度なども一度失敗した制度なのに再び制度化しましたがこれも裁判の「官から民へ」の流れのうちの一つですが、アメリカでも問題点は指摘されている。

今回の欠陥マンション事件は一設計事務所に責任をおっかぶせる事では問題は解決しない。民間の指定確認検査機関も責任がありますが、元請の会社や現場の施工会社などが注意すれば簡単に分かるはずだ。同程度の規模の建物で鉄筋の数やコンクリート壁の厚さなど比較すれば、おかしいことに気がつかないほうがおかしい。

今年建てられたマンションでも既にベランダに亀裂が入ったり、床などにも亀裂が見られるマンションがあるそうですが、今回の欠陥マンション事件以外にも表面化していない欠陥マンションがたくさんあるのではないかと思う。坪単価が50万円もしないと言う話を聞くと耳を疑いたくなるからだ。設計段階の設計の欠陥のほかにも施工段階の手抜き工事などは、なかなか表面化しない。

今回の欠陥マンションでも震度5強でも倒れるマンションがあるそうですが、小さな地震でも揺れ方が大きかったそうで、マンションを買う時は建設会社を選んで買わないと財産を失うことになるだろう。このように該当する欠陥マンション以外のマンションでも信頼性を失わせる影響の大きさは計り知れないものがあり、現在の制度そのものに欠陥があることがはっきりした。

私自身も都内にオフィスビルと郊外にマンションを経営しているから他人事ではないのですが、鉄筋コンクリートビルとなると柱や梁は鉄筋でびっしり詰まっており素人が見ても手抜きをしているか施工中を見れば分かるはずだ。建築図面でも配筋図があるから比べてみれば鉄筋の本数などすぐに分かる。

設計も施工も適正なのに30年ほどで取り壊されるマンションなどがありますが、本来なら100年以上もつはずなのに何故立て直しているかというと、コンクリートの材質などに問題があり中性化してぼろぼろになってしまうビルもある。先日もビルの壁のタイルがモルタルごと落ちて怪我人が出ましたが、設計が悪いのか、施工が悪いのか、材質が悪いのか、ビルの管理は難しい。

だから都会などで杜撰なビルやマンションが立ち並べば、都市としての機能にも影響が及ぶから、民間任せにしていい事と良くないことがあり、小泉首相の掛け声に踊らされないことが肝心だ。しかし実際は事件や事故が起きてから出ないと国民大衆は気がつかない。


 次へ  前へ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ       HOME > 日本の事件18掲示板



  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。