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ドイツでの総選挙では与党社会民主党への批判が高まり、野党の勢力が拡大したが、
それでも両者の獲得議席数に大差が無く、
大連立に進みつつある。喜んで連立してファシズムに走るわけではない。
やむを得ず、連立しようと言うわけだ。
そうであれば、両者は互いに譲り合い、協力し合うことになるだろう。
この有様は「手堅い政治的様相」である。
日本の９・１１選挙では、
選挙制度のせいもあるが、
野党とくに民主党は振るわず、
小泉自民党の大勝？となった。
これを、「手堅い様相」とはとても言えない。
日本でも批判票は高かったのであるから、
与野党の獲得議席数は拮抗しても良かったのではないのか？
小選挙区比例代表並立制の弊害は大きいのであるが、
しかし、民主党の獲得票が自民党を上回る地域が沢山出ても良い筈であった。
そうはならなかった大きな理由の一つは、民主党が頼りないからであった。
今では、前原民主党は小泉自民党に推進力として作用している。
馬鹿げた軽佻浮薄な有様だ。
ドイツ人は生き方が手堅く、
日本人は、軽佻浮薄な人達がまだ沢山いる。
今回の有様を見て、私は過去に読んだことのある一人のシベリア抑留者の手記に書かれていたことを想い出した。
この手記を書いた人は、ソ連の中央部にまで連れてゆかれて、そこで働かされたのであるが、その時にドイツ兵捕虜の一団と共に収容されることになったそうである。
ドイツ兵捕虜達は何時も必ず集団で行動して、ソ連兵に対して集団で対抗していたそうである。そして、個人でソ連にたいして対応することは決してなかったそうである。
ところが、これに対して日本人抑留者達は全く違っていて、敗戦になれば個人がばらばらで、全く組織をなしていなかったそうである。
その様な有様なので、ソ連軍の側は「警備兵達」を、ドイツ兵捕虜達に対する割合を日本人達に対する割合の十倍も付けていたそうである。
ソ連軍は、負けた日本人はバラバラで組織性がないので、少ない警備兵で十分と考えていたのである。
この様に、日本人は警戒心が薄くてアッケラカンとしているのである。
ドイツ人のほうが優れているとは言わない。
日本人の美徳が表れているとも言える。
しかし、ソ連軍は日本人抑留者達よりもドイツ人捕虜達の方を明らかに恐れていたと手記の作者は書いていた。
現在の米国は、日本人よりもチャイニーズを明らかに恐れている。
チャイニーズは米国の思惑を読みきっているからだ。
日本人政治家達は全く警戒していない。
飼い犬の様に従順だ。
いまだに日本国民の多くがアッケラカンとして政府に警戒心が無く、役者コイズミにファン投票をする有様だ。
この様な国民性であるから、政治家達もフヤケテシマッていて民主党は野党ではなくなり、単なる「特権階級としての国会議員の集まり」になってしまった。
社民党や共産党は体たらくの有様である。
この様な有様の中で、小泉自民党への批判票が支持票に肉薄していた事の意味は大変に大きい。
まともな判断力を有する国民が大変に多いということである。
この健全な有権者の人数は、遠からず軽佻浮薄な有権者の人数を大きく超えるだろう。
その時には、マスコミの騙しも有効ではなくなる。作用しなくなる。
フヤケタ政治家達の総員が役に立たないことが明らかになり、退場する事になる。
日本での政治的変化は、
ドイツの様に「手堅い変化の積み重ね」と言う形をとるのではなく、
劇的な変化をとるだろう。
ドイツでのナチスの登場は第一次大戦の敗戦を引き摺った経済の破滅の故である。
今のドイツは経済破滅ではない。それゆえに政治は「手堅い」のである。
日本は、敗戦後に経済が破滅したわけではない。
であるから、日本の政治的変革は幕末の時代と変らない条件下にあるといえる。
幕末の権力交替は怨念と権力によるクーデターであり、その事は近代日本政治社会を歪めてしまった。
しかし、明治以後には経済風俗は場面が変るように全く変ってしまった。
現在では、日本の政治は与野党共に「単なる粗大ごみ」である事が、賢明で真っ当な多くの有権者の目には明らかになったがために、
変革は、明治維新の様なクーデターとはならないであろう。
国民による政治への道が開けるはずである。
有り得る悪いシナリオは対米傀儡強権政府の登場である。
これの登場さえ許さなければ、未来は明るいと言えよう。
ドイツの様に手堅い変革ではなくて、
大地震のようなひっくり返るような形の変革となるであろうと予測する。
日本人は短気で身が軽いからである。
簡単に衣装を着替えてしまう事が出来るからである。
日本人は方法と歩む道さえ知れば、簡単にそれを実行して生活を立てて行くことが出来る。
日本人の軽佻浮薄は身の変化の早い事の一面を表している。
決して馬鹿ではない。
従って、思索し行動する者の役割は大きい。
変革を招くのは政治家達ではない。他ならぬ有権者達なのだ。
その動きはもう始まったと言えよう。
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