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望郷樺太(YODAN)
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投稿者 片瀬テルミドール夏希 日時 2005 年 11 月 24 日 19:40:30: x0P0raHFBfKZU
 

http://ch.kitaguni.tv/u/11199/%c0%ef%b8%e560%c7%af%a1%a6%a5%ce%a5%f3%a5%d5%a5%a3%a5%af%a5%b7%a5%e7%a5%f3/0000293216.html

「望郷樺太」 帯広 大平京子

 昭和16年12月8日午前7時「帝国陸海軍は西太平洋に於いて、米英軍と戦闘状態に入れり」と、臨時ニュースが流れた。人々は開戦の経緯をほとんど知らされていず、「寝耳に水」であった。それからの半年間この戦争の華々しい戦果から、必ず日本は勝つものと信じて疑わなかった。だが翌17年8月の米軍ガダルガナル島上陸を境に、戦局は大きく変わっていった。

 昭和16年12月8日午前7時「帝国陸海軍は西太平洋に於いて、米英軍と戦闘状態に入れり」と、臨時ニュースが流れた。人々は開戦の経緯をほとんど知らされていず、「寝耳に水」であった。それからの半年間この戦争の華々しい戦果から、必ず日本は勝つものと信じて疑わなかった。だが翌17年8月の米軍ガダルガナル島上陸を境に、戦局は大きく変わっていった。

 一方北の地樺太も、敗戦は益々色濃くなり、本土決戦が叫ばれるようになっていった。20年8月8日深夜に、ソ連は対日戦線を布告した。ソ連軍の南樺太浸入など、島民は夢にも思っていなかった。国境に近い半田や古屯、気屯で激しい戦いが続いた。そんな状況のもとで8月15日の正午、雑音の入り混じった玉音放送を聞き、日本が無条件降伏をしたのを知った。だがそれからも樺太は激しい戦いが続いた。日本からも見放され、孤立無援となり、国境から攻め込まれ、海から艦砲射撃を浴びて、夜になると真岡の空が真赤に燃えていた。着のみ着のまま山へ逃げ込んだ人達は斃れた人を踏み分けて、逃げまどったと聞いた。

 私の住んでいた豊栄郡落合町字東美保は、農業と林業を営む小さな部落で、父は生徒120人程の尋常高等小学校に勤務していた。終戦まで学徒動員の生徒を引率して松根油(飛行機の燃料)を生産する為に、山から松葉を背負って降ろす作業をしていた。戦争に勝つ為に子供達も懸命だったのだ。

 終戦と同時に、村に駐屯していた日本軍は撤退して、頼るものは何も無くなった。人々は攻め入って来るソ連軍に脅えた。そして17日午後、突如空襲警報のサイレンが鳴り響いて、初めてソ連の爆撃機が不気味な爆音を空いっぱいに響かせて侵入して来た。ソ連機を見ようと窓から覗いた私と弟に「畳に伏せろ」鋭い父の声が飛んだ。上空まで来た爆撃機は校舎を狙って頭から突っ込んで来る。

 「ダダダ・・・」機銃掃射だ。弾丸は土煙を上げて校庭を走った。不思議と恐怖心は無かった。時々顔を上げて突っ込んで来る爆撃機と校庭の土煙を見ていた。

 どれ程の時が過ぎたのか、爆撃機は編隊を組み、内淵炭鉱に向かうのを呆けたように見ていた。内淵の上空で焼夷弾が投下され、真っ青な空に点々と落下するのが美しく見えた。たちまち黒煙が上がり、地響きが伝わって来る。この空襲でどれ程の被害があったのか、新聞は勿論ラジオのニュースも途絶えて知る術もなく、島民は混乱とパニックに落ちていった。

 こうして19日の戦争終結まで激しい戦いが続いて、日本が降伏してから大勢の人々が命を落とした。45年を経て幾柱かの日本兵の遺骨と遺品が帰って来たが、まだ大勢の人達の眠っている樺太は、戦争は終わっていない。目を閉じると若かった父母と暮らした家やよく遊んだ山川、木造の校舎が鮮やかに浮かんで来る。異国となった故郷、荒地を開拓した人々も亡くなり、それ等を語る人も老いた。そしていつかは人々の記憶からも消えてゆくと思うと、淋しさが込み上げてくる。

樺太を語り次ぐ人老いゆきて
名も忘らるるフレップの郷

投稿者:yodan at 15:27

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