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新聞よ!なぜ権力チェック機能を失ったかを今こそ再点検する時〜神保哲生
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投稿者 外野 日時 2005 年 10 月 23 日 15:27:55: XZP4hFjFHTtWY
 


情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士
知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/9116a2ab0c1a4ee0873ab11d63865fc7

2005-10-21 21:47:10

新聞よ!なぜ権力チェック機能を失ったかを今こそ再点検する時〜神保哲生

ビデオニュースというウェブサイトを運営しているジャーナリスト神保哲生さんが、東京新聞の新聞週間特集(17日付夕刊)に次のような文章を寄稿した。国家権力の監視機関としての新聞のあり方について、鋭い指摘をされています。ご本人の了解を得て、全文を引用します。


 新聞よ!なぜ権力チェック機能を失ったかを今こそ再点検する時
 神保哲生

 今更言うことでもないかもしれませんが、ジャーナリズムのもっとも重要な役割は権力のチェックです。とりわけ、絶大な権力が集中する国家権力の監視は、「それなくしてジャーナリズムに存在価値無し」と言い切ってもいいほど、ジャーナリズムの最低限の責務と言っていいでしょう。

 しかし、ジャーナリズム、とりわけその中心的な担い手であるはずの新聞が、その使命を完全に喪失してしまっているとしか思えないようなできごとが、昨今頻繁に起きています。特に朝日新聞が報じたNHKへの政治家の圧力問題と、その報道をめぐる市民社会の反応、そして朝日側の事後の対応は、その冷酷な現実を露わにしたように思います。

 この一件では、取材の過程で朝日側にも多少は詰めの甘さがあったのかもしれません。しかし、もし仮にことのあらましが政治家側の主張する通りであったとしても、あの記事には明らかに真実相当性があったと筆者は考えます。政治家側がNHKを呼びつけたのかNHK側が勝手に来たのかなどのディテールにいくつか不確かな点はあったとしても、国政に多大な影響力を持つ有力な国会議員が、結果的に言論に介入した疑いが強いと思われる場合、警鐘を鳴らすことはジャーナリズムとしては当たり前過ぎるくらい当たり前のことです。

 その意味で、今回は他にも不祥事が重なったとはいえ、朝日新聞がこの問題で簡単に自らの非を認めてしまったことは、ジャーナリズムの将来に重大な禍根を残すことになってしまったと思います。

 このことの萎縮効果は絶大です。「当事者の証言だけでは、あとで相手が前言を翻した時に反論できない。」もし今回の教訓が、このような形で今後のジャーナリズムに足枷となってしまえば、とても権力のチェックなど期待できなくなってしまいます。もともと記者の取材というものは「私は確かに言論に介入しました」と書いた書面に捺印をしてもらうような白黒のはっきりした行為ではないからです。

 今回は取材された政治家側が記事の事実関係を否定したとたんに、なぜか朝日側に記事の事実関係の挙証責任を課す風潮が、社会全体に醸成されてしまいました。多くの市民が「朝日が証拠を示すべきだ」と感じていたことは紛れもない事実でしょう。しかし、これが朝日ならずともジャーナリズム全体にとって危機的な問題であることを、私たちは強く認識する必要があります。

 朝日は取材の結果、権力の濫用があったと判断するに足る十分な理由があったから記事を出した。これに対して、もし取材を受けた権力側が、それが間違いであると主張するのであれば、本来その根拠を提示する一義的な責任は権力側にあるはずです。しかし、究極の権力者であるはずの政治家は、証拠は提示せずに「あれは間違い」と主張するだけで済まされ、逆に朝日は証拠の提示を求められることになった。

 これは朝日新聞自身がもはや社会の中では膨大な既得権益の受益者として権力側にある存在と認識され、権力をチェックするどころか、むしろ朝日自身が市民社会からチェックされる対象となってしまったことの反映だと筆者の目には映ります。
新聞が再販制度や記者クラブ制度、テレビと新聞の同一資本による業際保有(クロスオーナーシップ)を通じた極度の資本集中等々、他の業界ではあり得ないような特権的な地位を享受し続けながら、メディアが抱えるさまざまな構造問題には完全に頬被りしたまま、表面的には善意の権力監視者を装っていることの偽善性を、もはや市民社会はとっくに見抜いているのだと思います。

 これは同時に、既存のジャーナリズムがもはや権力監視機関としての市民社会の付託を失っていることを意味します。権力が権力をチェックしても、それは市民側から見れば、単なる2つの権力間の縄張り争いにしか見えないということです。

 地球環境問題の分野には予防原則という重要な考え方があります。100%事実関係が証明されていないことでも、後に重大な結果をもたらす可能性のある問題に対しては、疑いの段階から一定の措置を取っておく必要があるという考え方です。仮に動かぬ証拠まで掴めていなくても、権力が言論に介入している疑いが高いと信ずるに足る相応の理由があれば、その段階で警鐘を鳴らすことはジャーナリズムの最低限の責務です。しかし、予防原則に基づく行動が支持されるためには、その担い手側の動機に一筋の曇りも許されません。ジャーナリズムが権力監視機能を果たし続けるためには、自らが既得権益や権力の受益者としての地位を求めない覚悟が必要なのです。

 既に既存のジャーナリズムは、権力の監視機能を果たすことが期待されなくなっている。それこそが、今日の新聞が抱える最大の問題のように思えてならないのです。(じんぼうてつお)

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