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ネットと政治:第1回 ブログは選挙を変えるのか 毎日新聞
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投稿者 外野 日時 2005 年 10 月 23 日 15:30:06: XZP4hFjFHTtWY
 


ネットと政治:第1回 ブログは選挙を変えるのか 毎日新聞 2005.10.17
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/net/news/20051017org00m010054000c.html

第1回 ブログは選挙を変えるのか

 急増するブロガーは選挙に影響を及ぼすのか。ネット世論は実際の投票行動に結びつくのか。「2ちゃんねる」など巨大掲示板やブロゴスフィアが組み立てるネット世論は現実の政治を変える力を持つのか。毎日新聞社は「ネットは政治・社会を変えるのか」の問題意識で連続討論を行います。第1回目は10月6日、「ブログは選挙を変えるのか」のテーマで討論しました。今後、「ネットはメディアを殺すのか」「ネットは日本をアメリカ化するのか」などのテーマで、連続討論を予定しています。討論の内容は、MSN毎日インタラクティブで詳報します。

 ■□■ブログがもたらした?「小泉大勝」■□■

【司会・清宮克良毎日新聞政治部デスク(清宮)】 今回の衆院選は自民党が圧勝したわけですが、これは「小泉マジック」や小選挙区の特性に加え、自民党の世耕幹事長補佐を中心とした広報戦略が勝因の一つだったとの指摘があります。さらに特徴として「ブログ選挙」という言葉がクローズアップされました。武部幹事長や世耕さんが8月25日にブログ懇談会を開催しました。このことは自民党が「ブログ」の側に立つイメージを印象づけたし、ライブドアの堀江さんが事実上自民党の推薦で立候補したことも大きかったと思います。

 ネットは選挙に影響したのか、しなかったのか。まずは候補者として今回初めて衆院選を経験した橋本さんから基調報告をお願いします。橋本さんは大学院や三菱総研の頃、「ネットと行政参加」というテーマで研究をなさっていたので、そうした点を踏まえてお話ください。

【橋本岳衆議院議員(橋本)】 私の方から、簡単に「ブログと選挙」の基調講演をさせて頂きます。先ほど三菱総研、大学院当時のお話がありました。インターネットを使って、行政の計画を作る時に住民の声を反映できる仕組みを作って支援できないか、掲示板やメーリングリストでの仕組み作りを以前から行っておりました。

 結局、立候補している当事者としては、何票取れるか、票数にどれくらい影響を及ぼすかという見方をするというのが正直なところです。ですから、ブログ上でいろんな議論が行われたり、例えば自民党がブログ関係者の会合を開催したりしておりましたが、じゃあそれが何票になったの?というと、全国でたぶん数百票か、かなり多く見積もっても数千票ではないでしょうか。感覚的にはそのくらい規模の影響で、必ずしも強い効果があったわけではないように思います。

 ただし、例えば感動的な良い噂が流れたり、悪い噂が流れたりする伝播速度はインターネットはとても速いので、ある意味そういうことには気をつけなければなりません。あと、インターネットのメリットといいますと、選挙の時に投票に繋がるか繋がらないかという話ではなくて、候補者や議員という立場からすると、これまでよりも幅広い層の方々と、簡単に、直接やりとりをする事が出来るようになることでしょう。ハガキのように、一方的に終わるのではなく、いろんな人とやりとりができ、様々な意見を聞く事が出来る。これが実は、私としては非常に助かります。むしろ選挙以外の日常的な活動の中で、どういうふうに有権者の方からご意見を頂戴するか、個人的にはもっと注目をしていくべきじゃないかと考えております。

 この報告は、候補者になり、そして衆議院議員という立場なった私の視点からの報告という事でご理解を頂ければと思います。逆に、第三者の方がいろんなブログをたちあげたり、それこそ2ちゃんねるがどういう影響を与えているのか。そういう視点からのお話をみなさんからお伺いしたいと思います。

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 <橋本岳議員の基調報告の要約>

・当日の投票者数は約6953万人で、自民党と民主党の得票数の 差は、約771万票。一方ブログの閲覧者数は約1651万人と言われており、数字からするとブログの影響は、ないとは言えない。

・しかし、実際の選挙戦では、立候補の背景・経緯や政党間の政策の違いなど、ネット以外の要因の影響が大きく、ブログなどの影響は、ほとんど感じなかった。

・なお、公職選挙法の改正は必要と思う。しかし投票行動への影響力は、現時点では不明瞭。

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 ■□■日本のブログは「議論する場」にならない■□■
【清宮】 ありがとうございました。では、「2ちゃんねる」のひろゆきさんはどうですか?

【西村博之(ひろゆき)】 元々、ネットはそんなに影響がないだろうと思っているのですけど(笑)。1600万人がブログを見てみるとします。その1600万人が見ているのは政治的なブログなのかというとそうじゃない。ブログは見ているけども、政治的なものは見ているの?といったらものすごく少ないだろう。まぁ、ネット=ブログみたいな言われ方をしていると思うのですけど、ネットで情報を発信するって言う事ができるようになりました。それで、なんだか分かんないけど面白いなと、自民党が食いついてくるようになった。

 それじゃ、具体的にどういう影響力があったかと言うと、ほとんどない。例えば個人のブログを1カ月間に何人が見るのかと言うと、一ヶ月に1万人が見るというブログは、ほとんどないですよ。たいていは友達とか、ちょっとおもしろい事を書いている人でブログ読者が1000人いましたとか。実際そういう人が自民党を応援しようしているのか、どのくらいの影響力があるのかといえば、そんなにないと思いますよ。

【清宮】 そこまで影響ないと言われると…。司会者としては困るのですが(笑)。ではジャーナリストの佐々木さんは。

【佐々木俊尚(佐々木)】 ブログ選挙とは過去にアメリカや韓国で取り上げられたもので、それこそインターネット世論が選挙にいかに影響を与えるかということですね。韓国では2002年、ノ・ムヒョン大統領が当選した時の大統領選にオーマイニュースという有名な掲示板というかニュース媒体が非常な盛り上がりを見せて、ノ・ムヒョン大統領を誕生させる原動力となりました。韓国の場合、ネットの世論と実際の世論というのが非常に近くて、しかもネットが実名で行われている。ネット上にいろんな人がノ・ムヒョンを支え、しゃべっていた。それが現実の行動に結びついた。でも、日本ではなかなか実現しにくいんじゃないかな。

 2004年のアメリカ大統領選でもそういう現象が起きた。民主党の予備選で当時無名に近いハワード・ディーン候補がブログ選挙を展開していた。まぁアメリカの場合はディベート文化もあったりするわけで、割に正当な議論が行われた状況だったと思う。1日1000ぐらいのコメントがついたわけだけどね。日本でコメント1000ついちゃうとだいたい炎上しているブログです(笑)。アメリカの場合はやはりディベート文化に加え、2001年の9・11テロ直後に急激にみんなが政治社会について話したいという気分が盛り上がった。それがちょうどブログと結びついて、テロに対する考え方とか、政治をどうたらいいとかを表明しまくった。その辺が出発点になったので、ブログは議論し合う場だという共通意識みたいなのがあった。

 日本の場合、ブログはどちらかというと日記ですよ。日本人ほど日記を書いている人はいないと、ネットの世界では言われていたことなのです。徒然草の伝統と言う人もいる。そこから派生して始まっているので、議論する場にならない。今回の選挙でなぜ、これほどブログ選挙と言われるのか?何か大きな投票行為に結びついたか、世論になったかというと、若干疑問かな。ブログというのは細かく分かれていて、例えばパソコンマニアの人が書くブログには別に政治のことがあまり書いてないとか、趣味のブログというのは世の中にたくさんある。政治のことを書いてあるブログも、趣味のブログのひとつだが、ネット上ではそんな発信が相対的に目立ってしまう。

【清宮】 わかりました。韓国やアメリカの大統領選の例は有名ですよね。

【橋本】 日本では、今まで普通の人が大勢を相手に意見を表明する手段が無かったのに、ブログで簡単に書けるようになった。確かに、これまでにないことではある。しかし、書いたものが、誰に、どれだけ影響を与えたかというと、あまり多数の人に影響を与えているとは限らないということですね。

【佐々木】 決してマスにはなっていない。

【清宮】 実態はそうなのかもしれませんね。ただ、自民党がね、ブログ懇談会を開いた。メディアの立場から見ますと、自民党の広報戦略の中でブログ選挙というイメージも組み込まれているのかなって気もしますけどね。

【佐々木】 ブログが認識されたことは大きいですよね。ただし、自民党が思っている程まだそんな影響力はないと思いますよ。影響力があるものにアプローチしたってことがすごいのではなく、自民党がそういうことに関心を持っていると印象づけた効果の方が大きいのではないか。

【橋本】 むしろそういう会を開いたことが、新聞などに出て、インパクトがあった。でもそれはいったいネットのことかっていう話ですね(笑)。

 ■□■メディアが取り上げて影響力を増した「ブログ」■□■

【清宮】 総務省の今川さんはどう見ていますか?ネットと選挙を。

【今川拓郎・総務省総合通信基盤局企画官(今川)】 実は、大阪の大学で教えていたことがあるので、ある関西のテレビ局から、ブログというか、ネットと選挙についてどう思うかを聞かれました。よくよく聞いたら、新聞が公職選挙法でのネット規制のことを書いたから、自分達も特集を流すと言うのですよ。その記事を今日持ってきたのですが、これは8月31日に掲載されたもので、それから一気に「選挙活動でのネット利用を規制するのは古い」という論調の記事が増えたように認識しています。この動きを見てテレビ局もこれはいかんというわけで、私に連絡してきたようですね。

 私自身、メールが日に200通来るようなICTのヘビーユーザーだと思うのですが、あまりブログをチェックする習慣はありません。やはりメディアで紹介されたものを見にいく感じです。そのメディアが、ネット上の新聞社のホームページだったりするわけですが。今回もメディアがこぞって取り上げたから、ブログに注目が集まったのかなと。佐々木さんや橋本さんの話では、ブログ自身がものすごく影響力を持ったということでは必ずしもないということですが、私もそんな感じがします。やはりブログと一口に言いましても、情報の質にはピンからキリまであると思いますね。核になる情報発信は少なくとも今の段階では新聞やテレビであって、この「目利き」が紹介することによって初めてブログの影響力が生まれるという構図ではないでしょうか。

【清宮】 インテック・ネットコアの荒野さんは。

 【荒野高志・インテック・ネットコア専務取締役CTO(荒野)】 そのへんは今までの議論でほぼ結論がでていると思いますよ。私もブログだけでは何かに影響する所までは来てないと思いますね。別の話をした方がいいですか(笑)。ブログとかもう少し広くネットとかはうまく使うと、質の高い議論を生み出すのに良い武器になると思うんですよ。逆に心配なのは、先導的に煽るような動きがでてきたりして、あれよあれよという間に世の中が変な方向に動いてしまうというようなことですね。

 日本人というのは、結構流されやすい国民だと思っているんですよ。例えばですが、一般国民が使えるのと同時に、体制側が裏で世論をコントロールするようなことだってできると思うのです。そういう所の怖さがあるなと。では、どうするか。いろいろな対策を打ったにせよ、基本的にはユーザ一人一人が賢くないといけない、と思うのです。私はインターネット技術、特にユビキタスとかIPv6とか次世代のインターネットを研究開発していますが、そういう時代になると、今のネットの良いところ、悪いところがさらに増幅されるでしょう。つまり、5年後にはますます今の傾向が強まり、ネットを使うにあたっての人々の判断とか良心とかそういうものが大事になっていくだろう……。現在、われわれが、ネットを本当に良いツールとして使いこなせるのか、こなせないのか、の試金石という段階にあるんじゃないかと思っています。

(つづく)


参加者紹介
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/net/etc/participant/01.html

 2005年10月17日

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参加者紹介

橋本岳(はしもと・がく) 衆議院議員
1974年生まれ、31歳。岡山県出身。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了、98年三菱総合研究所入社。電子自治体、地域情報化、インターネットを利用した住民参加に造詣が深い。電気情報通信学会コミュニティ・ネットワーク専門委員会委員、財団法人インターネット協会 IPv6ディプロイメント委員会委員、特定非営利活動法人シビックメディア会員、地域メディア研究会(自治体職員等有志による研究会)幹事などを歴任。衆議院議員としては、総務委員会、郵政民営化に関する特別委員会に所属。
ウェブサイト: http://www.ga9.jp/

今川拓郎(いまがわ・たくお) 総務省総合通信基盤局企画官
1966年生まれ、静岡県出身。東京大学大学院広域科学専攻修士課程修了、90年に郵政省(現総務省)に入省。電気通信局、放送行政局、通信政策局で情報通信政策全般を担当した後、2000年より大阪大学大学院国際公共政策研究科で助教授として情報通信分野を中心とした研究・教育活動を積極的に展開。97年にハーバード大学経済学博士号を取得。専門は情報経済学、産業組織論、都市経済学など。

西村博之(にしむら ひろゆき) ウェブ管理者
1976年生まれ、28歳。神奈川県出身。96年中央大学文学部入学。巨大なインターネット匿名掲示板サイト「2ちゃんねる」の管理者、及び地域情報系掲示板「まちBBS」の開設者。98年合資会社東京アクセスを設立。米国留学中の99年、2ちゃんねるを開設。日本におけるインターネット文化の影の側面を代表する代弁者として、各種パネルディスカッションや講演会における著作権ビジネスの今後に関する発言は注目を集めている。01年イレギュラーズアンドパートナーズを、02年に東京プラスを設立。現在、株式会社スキップアップ顧問、東京プラス社長を務める。

佐々木俊尚(ささき・としなお) ジャーナリスト
1961年生まれ、43歳。兵庫県出身。早稲田大政経学部政治学科中退。88年、毎日新聞社入社、岐阜支局、中部報道部を経て東京本社社会部。99年、アスキーに移籍。03年からフリージャーナリストとして、週刊誌や月刊誌などで活動中。杉並区住基ネット調査会議委員。情報ネットワーク法学会員。
ウェブサイト: http://www.pressa.jp

荒野高志(あらのたかし) インテック・ネットコア 専務取締役CTO
1962年生まれ。86年、東京大学理学系研究科情報科学専攻修士課程修了後、日本電信電話(現NTT)入社。OCNの立ち上げ時よりネットワーク設計、構築、運用を担当。その後、NTTコミュニケーションズ IPv6プロジェクト担当部長を経て2002年6月より現職。社外においては、日本および世界のIPアドレス管理ポリシー策定のため、ICANN ASO 副議長、APNIC Address Policy SIG議長、JPNIC理事を務める。また最近では、IPv6 Forumのボードメンバー、インタネット協会IPv6デプロイメント委員会議長、IPv6普及・高度化推進協議会移行WG主査など、IPv6の実現・普及啓蒙活動に尽力している。
ウェブサイト: http://www.inetcore.com/

司会 清宮克良(せいみや・かつよし) 毎日新聞政治部デスク
北海道出身。1983年毎日新聞入社。社会部、政治部を経てワシントン特派員。米ジョンズ・ホプキンス大国際問題研究大学院(SAIS)客員研究員。現在、毎日新聞政治部デスク。
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