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皇室典範:有識者会議報告書の全文 その5止(毎日新聞)
http://www.asyura2.com/0510/senkyo16/msg/1331.html
投稿者 熊野孤道 日時 2005 年 11 月 25 日 21:17:07: Lif1sDmyA6Ww.
 

(回答先: 皇室典範:有識者会議報告書の全文 その4(毎日新聞) 投稿者 熊野孤道 日時 2005 年 11 月 25 日 21:14:59)

毎日新聞からhttp://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/koushitsu/news/20051125k0000m010162000c.htmlより引用

皇室典範:有識者会議報告書の全文 その5止

(1)皇族の範囲の考え方

 皇族制度は、世襲による皇位継承を確保するとともに、一定の場合、天皇の国事行為を代行するなど天皇の活動を支えるため、天皇の親族を皇族とし、制度上、一般の国民と異なる地位とするものである。皇族の範囲に関しては、皇位継承資格者の安定的な存在を確保することを大前提にしつつ、皇族は特別な地位にあること、財政的な措置が伴うこと、皇族の規模が過大となった場合には皇室としての一体性が損なわれるおそれがあること等の見地から、皇族の規模を適正に保つことが求められる。女子や女系の皇族に皇位継承資格を拡大した場合においても、このような要請を満たす制度とする必要がある。

(2)永世皇族制と世数限定制

 現行制度では、皇族女子は天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れることとされているが、女子が皇位継承資格を有することとした場合には、婚姻後も、皇位継承資格者として、皇族の身分にとどまり、その配偶者や子孫も皇族となることとする必要がある。

 その場合、将来的に皇族の数が相当程度増加する可能性もあるため、天皇と血縁の遠い子孫から皇族の身分を離れるという考え方の下に、一定の世数を超える子孫を一律に皇族でなくする世数限定の制度をとることも考えられる。しかしながら、世数限定の制度をとった場合には、歴代の天皇や天皇の近親の皇族に、一定数の子が安定的に誕生しなければ、皇位継承資格者の存在に不安が生じることになるため、現在のような少子化傾向の中では、世数限定の制度を採用することはできない。このため、現行制度の考え方を踏襲して、天皇・皇族の子孫は世数を問わず皇族の身分を有するいわゆる永世皇族制を前提にした上で、その時々の状況に応じて、弾力的に皇籍離脱制度を運用することにより、皇族の規模を適正に保つこととすることが適当である。

 なお、現在の皇族女子については、婚姻により皇籍離脱する現行制度の下で成長されてきたことにも配慮が求められる。その際、世数、皇室の構成等も勘案する必要がある。

(3)皇籍離脱制度

 皇籍離脱制度については、現行制度では、親王は意思による離脱ができないのに対し、内親王は、王や女王と同様、皇室会議の議により、意思による離脱ができることとされている。これについては、女子も皇位継承資格を有することとする以上、親王と内親王とを区別する理由はないこと、親王・内親王と王・女王との間では、皇籍離脱の条件等に差が設けられるべきであることから、内親王に関する制度を親王に関する制度に合わせ、共に意思による離脱ができないこととすることが適当である。

 また、やむを得ない特別の事由があるとき、皇室会議の議により、皇籍を離脱する制度については、現行制度と同様、親王、内親王、王、女王すべてについて可能とすることが適当である。現行制度では、皇太子及び皇太孫については、やむを得ない特別の事由による皇籍離脱制度が適用されていないが、今後は、女子の皇太子及び皇太孫についても、同様の制度とする必要がある。

 親王・王が皇籍離脱する場合等の配偶者や直系卑属等の離脱の制度は、内親王・女王の離脱の場合等もこれと同様の制度となるよう見直しを行う必要がある。

 皇籍離脱制度により皇族の規模の調整を行う場合には、以下のような点に配慮し、円滑な運用を図る必要がある。

 ・若年の皇統に属する皇族の数を目安として、将来における皇族の規模の適正化という観点から、離脱の要否を判断する。

 ・原則として世数の遠い皇族から離脱する。

 ・離脱の決定は、当事者の将来予測を可能にするため、適切な時期に行う。

4・その他関連制度

 現行制度には、以上のほかにも、皇族男子と皇族女子との間で差異が設けられているものが存在する。これらは、主として、皇位継承資格の有無に基づくものであり、皇位継承資格を女子にも拡大することに伴い、見直しが必要となる。具体的には、以下のような関連制度について、基本的には皇族女子に関する制度を皇族男子に合わせる方向で見直すことが必要である。

(1)女性天皇、内親王、女王の配偶者に関する制度

(1)配偶者の身分

 現行制度では、天皇(男性)、親王、王の配偶者は皇族となることとされている。これと同様に、女性天皇、内親王、女王の配偶者も皇族の身分を有することとする必要がある。これに伴い、戸籍上の扱いも、天皇(男性)、親王、王の配偶者と同様、婚姻の際に、その戸籍から除かれ、皇統譜に登録することとする必要がある。

(2)配偶者の名称

 現行制度では、天皇(男性)の配偶者は皇后、天皇(男性)の寡婦は太皇太后、皇太后と称されている。また、親王、王の配偶者には、それぞれ、親王妃、王妃の名称が用いられている。女性天皇、内親王、女王の配偶者等についても、専門的知識を有する有識者等の知見も得て、適切な名称を定める必要がある。

 なお、天皇、皇太子、皇太孫という名称は、特に男子を意味するものではなく、歴史的にも、女子が、天皇や皇太子となった事実が認められるため、女子の場合も同一の名称を用いることが適当である。

(3)配偶者の敬称等

 現行制度では、皇后、太皇太后、皇太后の敬称は、天皇と同様「陛下」とされ、その他の皇族は「殿下」とされている。また、陵墓についても、皇后、太皇太后、皇太后は、天皇と同様「陵」、その他の皇族は「墓」とされている。女性天皇の配偶者、寡婦についても、これと同じく、天皇と同様の敬称等とする必要がある。

(4)婚姻手続き

 現行制度では、天皇(男性)、親王、王の婚姻は、皇室会議の議を経ることとされている。これと同様に、女性天皇、内親王、女王の婚姻についても、皇室会議の議を経ることとする必要がある。

(2)摂政就任資格・順序

 天皇が成年に達しない場合や重大な事故等により国事行為を自ら行うことができない場合は、摂政を置くこととされている。現行制度では、天皇の配偶者・寡婦(皇后、皇太后、太皇太后)も、この摂政に就任する資格を有することとされている。これと同様に、女性天皇の配偶者・寡夫も摂政就任資格を有することとする必要がある。

 また、就任の順序については、現行制度では、皇族男子(皇太子、皇太孫、親王・王)が優先され、次いで皇后・皇太后・太皇太后、さらに内親王・女王、という順位が設定されている。この順序は、皇位継承資格を有する者を優先するという考え方であると思われるため、今後は、まず、男女を問わず皇位継承資格を有する皇族を先順位とし、次いで、天皇の配偶者・寡婦(夫)を位置付けるという考え方をとることが適当である。皇位継承資格者の範囲内では、現行制度と同様、皇位継承順によることが適当である。

 なお、この摂政就任資格・順序は、国事行為の臨時代行にも準用されているため、臨時代行制度にも以上の考え方が適用されることとなる。

(3)皇室経済制度

 皇族としての品位保持の資等に充てるために支出される皇族費について、現行制度では、親王と内親王、王と女王との間で差が設けられている。具体的には、独立の生計を営む場合の年額につき、内親王及び女王は、それぞれ親王及び王の2分の1の額と定められており、これが皇籍離脱等の際の一時金にも反映される制度となっている。これは、皇位継承資格の有無に着目して設けられた差異であると考えられるため、内親王・女王も皇位継承資格を有することとした場合には、親王・王の水準に合わせる必要がある。

 また、親王・王についてのみ配偶者の皇族費の額が定められているが、婚姻による皇籍離脱制度の見直しに伴い、内親王・女王の配偶者についても、同等の額を定める必要がある。

 なお、皇族費及び内廷の日常の費用等に充てられる内廷費については、皇族としての役割等に照らして十分な水準となるよう適時適切な見直しを行う必要がある。

結び

 象徴天皇の制度は、現行憲法の制定後、60年近くが経過する中で、多くの国民の支持するものとして定着してきた。我々は、古代から世襲により連綿と受け継がれてきた天皇の制度が、将来にわたって、安定的に維持されることが何よりも重要であり、また、それが多くの国民の願いであるとの認識に立って、検討に取り組んできた。

 象徴天皇の制度は、国民の理解と支持なくしては成り立たない。このことを前提に、冒頭述べたように、制度の成り立ちからその背景となる歴史的事実を冷静に見つめ、多角的に問題の分析をした結果、非嫡系継承の否定、我が国社会の少子化といった状況の中で、古来続いてきた皇位の男系継承を安定的に維持することは極めて困難であり、皇位継承資格を女子や女系の皇族に拡大することが必要であるとの判断に達した。

 古来続いてきた男系継承の重さや伝統に対する国民の様々な思いを認識しつつも、議論を重ねる中で、我が国の将来を考えると、皇位の安定的な継承を維持するためには、女性天皇・女系天皇への途を開くことが不可欠であり、広範な国民の賛同を得られるとの認識で一致するに至ったものである。

 検討に際しては、今後、皇室に男子がご誕生になることも含め、様々な状況を考慮したが、現在の社会状況を踏まえたとき、中長期的な制度の在り方として、ここで明らかにした結論が最善のものであると判断した。

 ここでの提言に沿って、将来、女性が皇位に即くこととなれば、それは、近代以降の我が国にとっては初めての経験となる。新たな皇位継承の制度が円滑に機能するよう、関係者の努力をお願いしたい。

 皇位の継承は国家の基本に関わる事項であり、これについて不安定な状況が続くことは好ましいことではない。また、皇族女子が婚姻により皇族の身分を離れる現行制度の下では、遠からず皇族の数が著しく少なくなってしまうおそれがある。さらに、将来の皇位継承資格者は、なるべく早い時期に確定しておくことが望ましい。このような事情を考えると、皇位継承制度の改正は早期に実施される必要がある。

 当会議の結論が、広く国民に受け入れられ、皇位の安定的な継承に寄与することを願ってやまない。

毎日新聞 2005年11月25日 0時18分

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