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『ハンセン病訴訟』も『タイ人少女問題』もここから…役所の裁量人生ほんろう (東京新聞)
http://www.asyura2.com/0510/senkyo16/msg/412.html
投稿者 外野 日時 2005 年 10 月 30 日 08:22:54: XZP4hFjFHTtWY
 


東京新聞 2005.10.29
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20051029/mng_____tokuho__000.shtml

『ハンセン病訴訟』も『タイ人少女問題』もここから…
役所の裁量人生ほんろう

 日本の旧植民地時代に設置されたハンセン病療養所をめぐり、当時の入所者が補償を求めた訴訟で、韓国、台湾両原告の判決は敗訴、勝訴に引き裂かれた。しかし、そもそも訴訟になった“原因”は、ハンセン病補償法に基づいた厚生労働省の「告示」に双方の二施設が記載されていなかったからだ。法律でもなく、国会でも審議されない「告示」がなぜ、そこまで力を持つのか。「告示」っていったい何もの?

■省庁が出す『告示』って何?

 「補償法を改正する必要はなく、二つの施設を告示に加えればいいだけ。厚労相の心一つで決まるもので、バトンは厚労相に渡されている」

 判決後、原告側代理人の国宗直子弁護士はこう訴え、告示を法律の趣旨に合う変更を求めた。

 同訴訟では、「小鹿島(ソロクト)更生園」(現韓国国立小鹿島病院)、「楽生院」(現楽生療養院)という二施設が、補償対象の療養所を列挙した厚労省の告示に含まれていなかったことが発端だった。

 同補償法は、韓国、台湾の施設への対応などが詰められないまま議員立法で成立。厚労省は、告示で支給対象者を「国立ハンセン病療養所その他の厚生労働大臣が定めるハンセン病療養所に入所していた者」と規定し、「海外の施設は適用外」と主張してきた。

 冒頭の国宗弁護士の訴えからも分かるように、逆にいえば、告示は簡単に変更もできる。二十七日、尾辻秀久厚労相と面会した原告側には、尾辻氏が告示変更に踏み切るのでは、との期待も高まっている。

■法律運用の『下支え』役

 では「告示」とは何だろうか。

 国が定める規則の体系の中では、憲法、条約、法律、政省令の下に位置する。憲法に告示に関する規定はないが、国家行政組織法で「各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、公示を必要とする場合においては、告示を発することができる」と定められている。

 英語で国会議員を「ローメーカー」と呼ぶとおり、法律を作るのは国会議員で、官僚ではない。ところが、法律の運用を「下支え」し、法令でもない告示は、ローメーカーの審議を経ずに官僚と大臣の意向で決まってしまう。

 告示に人生を翻弄(ほんろう)されている人は少なくない。

 昨年夏、定住資格を求め、話題になった東京都荒川区のタイ人少女、吉田メビサさんのケースもそうだ。両親と死別したため短期ビザで来日し、日本在住の祖母の養子になりたいとして「定住者」の在留資格を求めたが、法務省は許可しなかった。理由は、養子としての定住者の資格要件を「六歳未満」と定めた法務省告示の存在だった。

 メビサさんの住む地元住民らが署名運動などを展開。南野知恵子法相は「特定活動」という在留資格を与えたが、そうした運動がなければメビサさんはタイに送還されるところだった。

 メビサさんの代理人を務めた村田敏弁護士はこう指摘する。「告示は、法律と違って国会という民主的な制定過程を経ておらず、役所の内部基準にすぎないのに、法律的な拘束力を持ってしまう。官僚たちは、民間人も、自分たちの内部基準に合わせるのが当然、と誤解している」。さらに、「告示は時の大臣が自分の考えを示すものにすぎない。次の大臣はチェックし、誤りを正すために告示を変更するのが、あるべき姿だ。役所が変更したがらないのは、自らの権威にかかわると思いこんでいるからではないか」と批判する。

 日本にある外国人学校も、文部科学省告示のあおりを受けている。
 二〇〇三年の所得税法改正などに伴い、財務省は「初等教育や中等教育を外国語で施すことを目的に設置された各種学校を設置した学校法人」を特定公益増進法人として認める政省令を作った。これで、学校法人への寄付金の損金算入がしやすくなり、寄付が集まりやすくなるはずだった。

 しかし、「そこに文科省から横やりが入った」と話すのは、在日外国人問題に詳しい田中宏龍谷大学経済学部教授だ。「文科省が、対象校は在校生の在留資格が外交(大使館職員の子弟など)、家族滞在(企業の日本駐在員の子弟など)となっている学校などに絞り込むという告示を出したため、対象はインターナショナルスクールなどだけになった」。在日コリアンの民族学校や中華学校、ブラジル人学校などは対象から外されてしまったという。

■国会お墨付き 『通達』も不要

 一方、同様に国会のお墨付きが不要な通達に疑義を唱える声もある。タクシー運賃に関する国土交通省の通達が、運転の安全性を損なう危険性があるとして、運転手、利用者らが国に慰謝料を求めた裁判の原告側代理人・日隅一雄弁護士は「国交省は、値下げ後の減収が一割以内のタクシー会社に、簡単な書類審査で大口客割引やクーポン割引を認める通達を出した。これでは、運転手は売り上げを減らすまいと頑張り過ぎ、安全性などに問題が出てしまう」と警告する。

 告示について、早稲田大の大浜啓吉教授(行政学)は「単なるお知らせなのか、法規たる性質を持つのかどうかが問題だ。実際には、各省庁の告示は、その中身を見てみないと法規性を持っているかどうかは判断できない」と話す。その上で、ハンセン病補償法に関する厚労省告示などは「人の権利義務に影響を与えているので、法規たる性質を持っている」と指摘する。

 では、告示はだれが、どう作っているのか。ある中央省庁の官僚は「告示は事務的なものが多いので、担当課の担当者が原案を作る。多くは局長が最終的な決裁をするのではないか。よほど特別なものは大臣の目も通るだろう」と話す。

 さらに「告示の中身が専門的で細かいものだと、上司に専門知識がなければチェックするのは難しい。だから、担当者がきちんとしていないと、問題が起きる可能性がある」と指摘。担当者の裁量が、告示の内容に大きく影響することを認める。

 前出の大浜氏は、告示に象徴される日本の官僚支配の現状をこう説明する。

 「法律は大まかなことを決めて、細かいことは政省令に委ねている。実際には各省庁に大きな権限を与え、細かいことを決めさせないと、現実の行政が動かないからだ。だが、日本は英米などに比べ、こうした委任立法の手続きを定めたルールに乏しい。事実上、各省庁に丸投げしている状態だ。日本の法律の95%は省庁で作られ、重要な部分はみんな政省令で決めるようにできている」

 今年の通常国会で行政手続法が改正され、政省令を決める際には、一般からの意見を公募することになった。だが、大浜氏は「委任立法のルールを形式的に整えただけだ」と批判。さらに「告示は意見公募の対象にすら当たらない。そこに告示の危うさがある」として、こう警告する。

 「告示は百パーセント、官僚の裁量で決められる。非常に大きな問題だ。隠れた官僚支配の技術だと言える。日本の行政法は長い間、こういうことに光を当ててこなかった。国民、国会から遠く離れたところで重要なことが決められる可能性があることは疑いない」


参考:
「ハンセン氏病と市民の責任」 (弁護士 梓澤和幸)
http://www.asyura2.com/0510/war75/msg/619.html
投稿者 外野 日時 2005 年 10 月 17 日

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