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「戦争あかん、基地いらん」に参加して―天木直人コメント(ホームページ)
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投稿者 天木ファン 日時 2005 年 11 月 07 日 09:58:43: 2nLReFHhGZ7P6
 

「戦争あかん、基地いらん」に参加して

  今日(11月6日)私は大阪の平和集会に日帰りで参加してきた。集会で参加者に語りかけ、その後平和行進で皆と一緒に、「米軍基地は要らない、辺野古を返せ!」と叫んだ。その足で東京にとんぼ返りしてこれを書いている。
  私は参加者に次の三点を語りかけた。少し誇張して書くとこうなる。
1.  外務官僚として人生のほとんどを過ごした私は、平和について、そして憲法9条について、それほど真剣に考えてきたわけではなかった。しかし米国の不当なイラク攻撃や中東政策の犠牲になって死んでいったアラブの民の悲しみと悔しさを目の当たりにし、武力行使は何があっても許してはならないと考えるようになった。
官僚を離れ、さまざまな人と接し、意見を交わし、そして、世界現代史や昭和史をあらためて読み直し、今では平和主義者、護憲主義者の仲間入りをした。平和はすべてにまさる。憲法9条は世界が到達すべき究極の理想である。日本はこれを誇りにして世界に主張すべきである。これこそ、自らの体験と思索の果てに最後にたどり着いた私の信念である。誰が何と言おうと変えない、変わらない。
日本があの憲法を手にした背景には、我々の祖先の犠牲と戦いの歴史がある。我々の後に生きる未来の世代はその贈り物を共有する権利がある。その憲法9条を、たまたま今を生きているからといって、時の政治家や有識者、国民が勝手に変えてしまってよいはずはない。そんな権利は彼らには断じてない。
2.  平和憲法を守るということは、しかし、憲法改悪の動きを阻止するだけでは不十分である。現実の政治は憲法改悪阻止の動きを通り越し、憲法を否定しようとしている。
小泉圧勝のドサクサにまぎれて、日本政府が米国と合意した米軍再編への協力は完全な憲法否定である。この全く新しい日米軍事同盟が、無気力な今の政治状況の中であっさりと最終合意に至ってしまうのなら、もはやいくら憲法改悪阻止の動きを行ってもむなしい。なぜならば、たとえ憲法改悪を阻止できたとしても、それより先に日本は戦争する国になってしまうからだ。事実が先行してしまうからだ。 我々は、憲法改悪阻止の動きと並行して、いやそれよりも先に、それよりも激しく、米軍再編への協力が確定することを阻止しなくてはならないのだ。
3.  そう考えると、今我々に求められているのは、日米安保体制そのものの見直しである事に気づく。戦後60年、当たり前のように唱えられてきた日米安保体制が、果たしてこれからの日本に本当に必要なのかという問いに行き当たる事に気づく。
日米安保条約反対!といえば共産党や全共闘の専売特許のようになって一般市民に広がらない。しかしそうではない。イデオロギーとは無関係の問題である。我々ひとりひとりの生活に直結する問題なのである。それを国民に訴えていかなければならない。政治に無関心な若者に教えなくてはならない。
今の米国は誰が見ても行き過ぎた戦争国家に成り下がってしまった。その米国の軍事戦略に巻き込まれることは明らかに間違っていると思わないか。日本の美しい国土が巨大な米軍の基地に占領され続けてきた。本来ならばとっくに撤収されていなければならない米軍の基地がこれからは固定化されてしまうのだ。こんな馬鹿なことを黙って許していいのか。今こそ我々は眼を覚ますべきだ。左翼も右翼も無い。右翼、愛国者こそ声をあげてくれ。おい!石原慎太郎、中国ばっかり攻撃せずに、米国を追い出すことに声をあげてくれ。
米軍基地のない日本を考えてみよう。そこには美しい日本と無限の可能性が広がっている。いまからでもまだ間に合う。平和な日本をとりもどす運動をひろげよう。その運動の象徴として沖縄辺野古沖の基地建設に反対しよう。

帰りの新幹線の駅で何気なく手にした産経新聞の中に、作家三浦朱門の論説があった。「地政学から考える沖縄の基地問題」と題するその論説で、彼は次のような事を書いていた、
「・・・沖縄に米軍基地がなくなれば、台湾は中国領になる可能性が大きくなり、沖縄列島は石油、天然ガスの関係もあって、中国の進出が強化されよう。現在の日本の体制ではこれに対応できまい・・・
日本は(東南アジアとともに中国が中心となる)大陸連合に結びついて欧米の先進国と対抗するか、欧米との関係をより密にするか・・・
戦後の日本は米国中心の連合体の中で・・・安定と経済的成功を達成してきたが、国民の意図と国益は、大陸国家連合と、米国の海洋国家連合のどちらなのであろうか。
沖縄の基地問題も大陸と不即不離の関係にある日本の地政学的観点からも考えるべきだ。そもそも米国が沖縄の返還に同意した理由は、奈辺にあったのであろう。」
奥歯に物がはさまったような訳のわからない論文であるが、彼が言いたい事は、一目瞭然だ。
「日本は米国との関係を深めて、中国が支配するアジア大陸連合と対抗すべきだ。米国は戦略的に重要な沖縄を日本に返すべきではなかった。そうすれば今のような面倒な沖縄の基地問題も起きなかったのに・・・」といっているのだ。それならそうともっとはっきり言え。
それにしても三浦朱門という作家はどういう人間なのか。この論文で述べている彼の地政学とは、とっくに終わってしまった植民地時代のそれである。そのような植民地時代の地政学を振りかざして沖縄の基地問題を論ずるとは、冗談にしても看過できない暴論である。産経の「正論」であるから仕方が無いにしても、この三浦朱門の「正論」だけは許せない。看過できない。大阪の平和行進に戻って叫びたくなった。
「ボイコット、三浦朱門!」 

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