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□今年を示す一字は「愛」ではなく「誤」だろう [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1579461/detail
今年を示す一字は「愛」ではなく「誤」だろう
いつの間にか年中行事化した、１年の特徴を漢字一文字で示す趣向だが、今年のそれが「愛」というのは、万事が甘口の時代だとしても、おかしい。ここは断じて「誤」の一字でなければなるまい。
師走の市場を騒がせたみずほ証券の新規発行株取引の誤入力問題は、無能、無責任から卑劣、強欲まで、立場に応じてさまざまな様相を呈してはいるが、株というイカサマだらけの世界に群がる連中の人間的なレベルの低さを、余すところなく証明した。
ホテルやマンションの構造計算の偽装も、役所や民間検査業者のミスさえなければ、悪党どもの企みは未然に防止でき、実害につながらなかったことは明らかだ。
ＮＨＫ、朝日新聞などの大手マスコミの不祥事も、トップが対応の判断を誤ったために深刻化した。ニュース価値の評価と見通しの的確さが問われる政治記者出身なのに、このザマとは情けない。
女性天皇ばかりか、女系天皇への道を開く皇室典範の見直しにかかわった「有識者会議」と称する不見識集団は、軽薄な諮問をして軽率にも短期間での答申を求めた小泉首相ともども、その「誤」を日本民族の歴史の中で永久に糾弾され続けることになる。
郵政民営化にからむ綿貫民輔、亀井静香氏ら反小泉勢力や岡田克也氏が率いる民主党の政局判断の誤りは、本人たちの政治生命だけでなく、日本の政党政治の様相も一変させた。いままでは風に乗って浮遊するのはムード左翼だけで、保守は土着の草の根を基盤とする個人の集合体だったが、自民党まで風に頼り風に漂う集団になり下がった。
その傾向が定着するかどうかはわからない。仮に定着したとしても、それが日本の有権者の「誤」の固定化でないという保証も、ない。
【2005年12月22日掲載】
2005年12月25日10時00分
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