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男女雇用機会均等法:見直し 見えにくい差別、どう解消? (毎日新聞)
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投稿者 彗星 日時 2005 年 12 月 10 日 15:21:54: HZN1pv7x5vK0M
 

男女雇用機会均等法:見直し 見えにくい差別、どう解消?

 男女雇用機会均等法が施行されて来年で20年。厚生労働省の審議会は同法の改正を含めた議論を進めており、報告の原案となる「たたき台」が示され、今月中にも結論が出される。焦点の一つが、外見や形式上は性に偏らない制度や慣行だが、結果的に一方の性に不利になってしまう「間接差別」の禁止だ。労使間で、間接差別に対する考え方に食い違いもあり、審議会の報告内容が注目されている。【大和田香織】

 ■絵に描いた餅

 「正社員になりたくても、今、多くの女性は契約、派遣など、短期の契約を繰り返して働く方法しかない。育児休業などは『絵に描いた餅』です」。財団法人・地球環境戦略研究機関(神奈川県)で働き、雇用の契約が更新されなかった宮崎朋子さん(37)は10月末、衆議院議員会館で開かれた集会「均等法改正に当事者の声を」で厚労省の北井久美子・雇用均等・児童家庭局長らに訴えた。

 宮崎さんは、1年契約の職員として、02年6月、同研究機関に雇用された。当時の職場は管理部門を除くと、研究員や秘書の多くが宮崎さんと同様の契約雇用の女性で占められていた。

 だが、04年の契約更新の際、宮崎さんは妊娠7カ月で、前年の更新時にはなかった筆記や面接の「試験」を課せられた。面接では「出張や残業ができるかどうか」などを聞かれ、結果は不合格。不採用は「事実上の妊娠による解雇だ」として、今年4月、横浜地裁に地位確認などを求め提訴した。同研究機関側は「(宮崎さんの)契約期間が切れるのに伴い、外部からも募集したところ応募が多数あったので、試験をした。その結果、不合格になったまでで解雇ではない。育児休業を取っている契約職員もいる」と説明する。

 ■増える派遣、契約社員

 国連やILO(国際労働機関)などから「間接差別」にあたるとして是正勧告が出ているのが、「総合職」「一般職」と分けて採用する「コース別管理」。転勤がある代わり、幹部社員としての道が開かれている総合職と、転勤はないが、研修や仕事内容、昇格で限界のある一般職に分ける採用方法で、均等法施行の86年前後に広まった。

 バブル経済が崩壊した90年代に入ると女性が多かった一般職採用を減らし、よりコストの低い派遣、契約社員の採用を増やす企業が増えた。結果として、育児や介護で転勤や残業をしにくい女性は、身分の不安定なパートや派遣、契約社員に集中する傾向が強まった。

 総務省の労働力調査でも、働く女性のうち、パートなど短時間労働者の割合は、均等法施行前の85年は32・5%だったが、施行後は上昇し、03年は40%に達している。

 審議会では法律で間接差別禁止をどう盛り込むか、意見が分かれている。経営者側の委員が「間接差別の解釈が広がると、経営への影響が大きい」と考えるためだ。

 9日に示された報告の素案には間接差別として「総合職の採用・募集で全国転勤を条件にする」ことなどが盛り込まれた。だが、労働者側からは「具体的な事例(条件)が法律で定められると、他の問題が『間接差別ではない』と受け取られかねない」と懸念する意見が出された。

 ◇労使で解釈に違いも

 男女雇用機会均等法では「採用」「配置」「昇進」「退職」などでの性差別を禁じたが、厚労省は指針で「雇用管理区分(コース別雇用管理)」を認めている。このため、総合職と一般職で差がつくのは「管理区分」が異なるためで、「総合職の男性」と「一般職の女性」の賃金格差などは「男女差別ではない」とされる。

 コース別管理について厚労省が昨年度行った調査(対象180社)では、コースを入社前に決定する企業は85%、転勤の有無を要件にする企業が88%を占めている。

 総合商社、兼松で働く小関道子さん(58)と木村敦子さん(47)ら6人は、コース別雇用管理の導入で、「実質的に賃金差別を受けた」として提訴に踏み切った。「転勤せず昇進する男性も多いのに」と疑問を投げかけるが、会社側は裁判で(賃金格差が生じる理由を)総合職は「基幹的業務」、一般職は「補助的業務」と業務内容が異なる点を強調し、「間接差別にはあたらない」と主張する。

 2人は「一般職女性が基幹的業務を担う例は多い」とも話し、6人を支援する弁護士の中野麻美さんも「転勤や残業で労働者を分類する考えは、『男は仕事、女は家庭』という役割分担が前提になっている」と指摘する。

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 ■女性に対する「間接差別」■

 【主な事例】

 ◇世帯主として住宅手当を請求すると、夫の源泉徴収票と住民票の提出を求められた。

 ◇空港カウンター、客室乗務員など女性の多い職場は、外部委託の傾向が強まり、派遣、契約社員が増えている。

 ◇「社会保険料の(会社側)負担ができない」として、年金に加入しなくても済むように勤務日を減らされた。

 ※労働組合「女性ユニオン東京」などの相談事例から

毎日新聞 2005年12月10日 東京朝刊

http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/katei/news/20051210ddm013100158000c.html

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