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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060202-00000008-yom-soci
日本航空が東京・羽田に今年4月に新設する、ジャンボ機墜落事故の残存部品の展示施設について、公開方法をどうするかを巡って揺れている。
あくまで見学者を社員や企業関係者の安全学習目的に限定したい日航に対し、同社外部諮問グループは施設の一般公開を提言する。日航は施設が完成するまでに公開方法を決めるが、遺族らは「事故を忘れたいという気持ちが強いのでは」と、外部への公開に二の足を踏む同社の姿勢に苦言を呈している。
1985年に群馬県の「御巣鷹の尾根」に墜落した日航123便の残存部品に関しては、日航は事故原因となった機体の後部圧力隔壁やフライトレコーダーなどを羽田の整備施設で保管。しかし、遺族感情に配慮して一般公開は行わず、社員向けの安全研修で使用してきた。一方、捜査終了後に群馬県警から返還された垂直尾翼や主翼、座席の一部など計三十数点の残存部品は別の倉庫で保管している。
同社では、昨年に相次いだ一連の運航トラブルをきっかけに組織した日航の外部諮問機関「安全アドバイザリーグループ」が、一般公開を目的とした安全資料センターの設立を提言。
これを受け、日航は新町敏行社長が今年1月の定例会見で、後部圧力隔壁など残存部品を展示するための「安全啓発センター」を新設すると発表した。
同センターは、羽田にある日航関連会社ビルの2階部分を改装。約700平方メートルのスペースに後部圧力隔壁などを展示。ジャンボ機墜落事故だけでなく、過去のすべての日航機事故や、他の航空会社での事故の資料もパネルにまとめ、展示するとした。
新町社長は会見で、センターについて、「外部にも公開して、航空業界全体の『安全風土』の形成に寄与したい」と意気込みを語ったが、公開方法については「(一般の人に)ぷらっと来てもらう場所ではない」「安全研究に寄与する方を対象にしたい」と発言。一般公開については最後まで明言せず、今後、遺族側からも意見を求め、施設オープンまでに公開方法を決めるとするにとどまった。
これに対し、ジャンボ機墜落事故遺族でつくる「8・12連絡会」で残存部品保存を求めてきた武田屶(たかし)さん(71)は、「会社のマイナス面は外に出さないのは、隠ぺい体質と言われても仕方がない」と苦言。「有料でもいいから、申し込めばだれでも見学ができる施設にして欲しい」として、日航には一般公開に踏み切るよう求めるとしている。
(読売新聞) - 2月2日18時54分更新