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高齢者や身障者の生活はますます圧迫されてきました(吉川勇一さんのホームページ) 
http://www.asyura2.com/0510/social2/msg/806.html
投稿者 gataro 日時 2006 年 4 月 23 日 21:38:39: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://www.jca.apc.org/~yyoffice/sinshoushatosite24SeikatuMasumasuAppaku.htm から転載。

24. 高齢者や身障者の生活はますます圧迫されてきました (2006/04/21記入)

 高齢者や身障者の暮らしは、ますますつらくなってきています。介護保険や老人医療の問題など、すでにいろいろ指摘されていますが、私自身の経験させられていることをいくつかご報告します。

(1)介護保険の改悪による変化
 介護保険の改悪については、すでに「感じること・雑感・駄弁」欄の No. 15 に書いたのですが、ここでもう一度述べておきます。
 2月の初めに、介護保険による週1回のヘルパーさん派遣の世話をしてくれているケア・マネージャーが訪ねてきました。この4月から介護保険の適用の仕方が大きく変わり、「要支援」認定の私が受けているような「家事援助」は、1回のヘルパー派遣時間が1時間半以内に縮小されたので、これまでのような、週1回2時間半の派遣はできなくなるという通知と、それで今後どうするかという相談のためでした。
 打ち切られる分を、介護保険の適用を受けず、全くの自己負担で続けるという手もあるが、それだと月に5〜6千円の負担になるとのことでした。すでに大幅の貯金取り崩し生活に入っている私としては、この負担は大きな痛手になります。もう一つの手は、今の週1回2時間半の時間数を半減させ、しかし、そのかわり回数を週2回に増やすという方法もあるということでした。結局そうすることに決めたのですが、これも実に馬鹿馬鹿しい話です。これまでと全く同じ作業をお願いするのですが、これまでは1度ですんだものを、わざわざ2日に分けてやることになるからです。ヘルパーさんの往復時間も倍になるわけです。この制度変更は、介護保険による「家事援助」の時間を制限することで、その支出を大幅に減らさせ、老人たちを福祉施設などに通所させて、体力向上のトレ−ニングなどをさせ、自立を促進させるようにするのが目的だとされています。しかし、加齢とともに次第に体力が落ちてゆく者たちに、バーベルをもちあげるようなことをさせて、それで自立が促進されるなどと、本気で考えているのでしょうか。
 一方では税金を大企業や天下り役人、政治家などの懐に流し込ませ、老人や病人、弱者などからはひたすら金を取り立ててゆく。もうすこし若ければ、毎日、防衛庁や首相官邸にデモをかけたい気持ちだ、と私は「感じること……」欄に書きました。
 ところで、実際はどうなったか。これまで週1回、2時間半でヘルパーさんにお願いしていた仕事を週2回に分けたのでは、合計の時間が2時間半では足りないことがわかったのです。結局、週2回、1時間半ずつ、計3時間をお願いしなければならなくなりました。2度に分ければ、1回の時間が二分の一になるわけではありません。雑巾のすすぎなどの後片付けは、2回とも必要になるからです。何のことはない、1回の時間を短く制限させたために、結果は、合計時間が前よりもかえって長くなり、介護保険からの支出も、私の負担も、これまでよりも増額されるということになってしまったのです。「家事援助」の支出を大幅に減らすどころか、逆に支出を増やすという結果になったのです!

(2)人口膀胱のための必要器具購入の援助額の削減
 4月からの変更で、私の負担増になったのは、介護保険改悪のことだけではありません。私の身障者としての認定は、身障者手帳の記載によると「*尿路変更による*膀胱機能障害(社会活動制限)」となっています。つまり、人工膀胱をつけているからです。人工膀胱といっても、体内に人工の膀胱を入れているわけではなく、腎臓からの尿管を自分の腸を切り取ってつくったパイプに体内でつなぎ、その腸による尿管を、へその脇に開けた穴から体外に出し、そこにビニール製の袋をとりつけ、その袋に尿を溜めるのです。つまり、この人工の膀胱は、へその脇の体外にぶらさがっているわけです。その体から出ている腸の部分を「ストーマ」と呼びます。ストーマにビニール製の袋(パウチ)を接着させ、それに尿を溜めるのです。パウチをつけるために、「フランジ」というものも、腹の皮膚に貼り付けなければなりません。このパウチやフランジは、週に1回は交換する必要があります。以前は5日に1回の交換が必要でしたが、その後、改良されて少し長持ちする製品ができています。こうした部品は、結構値段が高く、平均して一ヵ月に1万数千円がかかります。これに対し、自治体が補助をしており、2ヵ月ごとに22,728円分の「補装具交付券」が支給されます。これを薬局などに渡して、部品を公表可住するわけですが、この「補助券」分の金額では不足する場合も多く、その超過した部分は私の負担になります。
 この4月から変更になった点は、この「補装具」購入費に「自己負担分」というものが課されることになったことです。これまでは、この分も私の住んでいる自治体、西東京市では、市が援助していました。つまり「補装具交付券」の金額の範囲内ならば、私の負担はなかったわけです。それが4月から変わって、「自己負担」として1,100円を支払わなければならなくなりました。ここでも私の負担増です。

(3)市町村民交通災害共済(ちょこっと共済)の公費負担加入の廃止
 東京都の39市町村が共同で実施する交通災害共済があります。会費年1000円のコースと、500円のコースの2種があり、どちらも交通事故による死亡はもちろん、自転車などの小さな事故による負傷でも共済金が支払われる一種の保険です(死亡では、会費1000円で300万円、会費500円で150万円、治療5日以内の傷害でも、会費1000円なら3万円、会費500円なら2万円の支給など)。昨年まで、西東京市では、70歳以上の高齢者、身体障害者手帳の保持者、生活保護受給者などには、公費負担で、会費500円のほうへの加入がされていました (自分で500円追加負担すれば、1000円コースに加入可能)が、それが今年から廃止され、希望するものは、個人で加入手続きをし、会費は全額自己負担になってしまいました。

(4)「高齢者手技治療割引券」の減額
 負担増はまだあります。市では、65歳以上の高齢者に「西東京市高齢者手技治療利用割引券」なるものを支給してきました。わかりにくい名称ですが、要するに、鍼・灸・按摩・マッサージをしてもらう際の割引券です。ふつう、マッサージなどは50分くらいで4,500円という治療費が必要です。それに対して、1回に1,300円の補助券が、月に2回分、市から支給されてきたのです。今年もこの割引券の交付手続きが始まったので、私は、昨日、市役所の高齢者福祉課へ行って、その交付を受けてきました。ところが、1,300円の割引券は、今年の7月末までの8回分だけで、それ以後は、1,000円の補助券になるということを知らされました。つまり、マッサージ1回3,200円でよかったものが、8月からは3,500円を支払わなければならなくなったのです。
 私は、マッサージが好きで、よく利用します。好きというより、必要だといった方がいいでしょう。パソコンをよく使うせいか、肩や首の凝りはひどく、また気温が25度を超えて暑くなると、脚がだるくなり、ひどいときは、両足を切り落としたくなるほどつらくなって、マッサージはそれを1時的にせよ、かなり和らげてくれます。しかし、補助券を使っても、1回に3,000円以上も治療費を払うのは、かなりな痛手です。行きたくても我慢をする場合が増えてきています。その補助券がこの8月からさらに減額されるのです。市役所の窓口では、「予算を減額しなければならなくなったので、すみません」というようなことを言われました。

(5)市からの援助の削減
 (1)の介護保険の改悪は国が決めたことですが、(2)、(3)や(4)でのべたことは、自治体である市が決めたことです。しかし高齢者や弱者への援助の減額や廃止などは、それにとどまりません。配布された市からの『広報』によると、本年度の予算(578億2千万円)の決定とともに変更(改悪)になった点は、以下のように、多数にわたります。
 「高齢者入浴券の支給」→8月以降、入浴設備を有する高齢者については廃止。
 「高齢者電話貸与事業」→8月以降、利用料金の助成を700円から600円に減額。
 「高齢者配食サービス事業」→8月以降、利用者負担を400円から450円に増額。
 「敬老金の贈呈」→9月に贈呈する敬老金のうち、70歳と95歳のものへの敬老金を廃止。(77、88、100歳は存続)
 「国民健康保険人間ドック利用の助成」→10月から助成金を、日帰りは3万円から2万7千円に減額。宿泊は3万5千円 から3万2千円に減額
等々です。これ以外にも、「姉妹都市保養施設利用の助成」は旅館2000円から1500円に、民宿1500円から1200円に減額、「長崎・広島平和の旅」を広島だけとし、2泊3日から1泊2日に縮小、「市民農園事業」の利用者負担金を500円から1500円に増額、などなどがあります。
 日本共産党保谷町後援会の『ニュース』によると、この予算は、いわゆる「三位一体改革」と称する小泉政治のしわよせで、この3年間に67億円も国からの資金が削減される(今年度は26億円削減)という異常な財政状況によるものだということです。

 こうして、今年から、高齢者や身障者など、弱者の暮らしにくさは一気にひどくなっています。

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