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イラク撤退後の米 孤立主義を招く危険も(フランシス・フクヤマ氏)→アメリカの保守派はそこまで追いつめられている(神浦)
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投稿者 たけ(tk) 日時 2005 年 12 月 12 日 12:34:50: SjhUwzSd1dsNg
 

http://www.kamiura.com/new.html

地球を読む イラク撤退後の米 孤立主義を招く危険も 「民主化度」よりも「安定」重視
米政治学者 フランシス・フクヤマ氏
寄稿

(読売 12月11日 朝刊)
本日は新聞休刊日です。そこで昨日の朝刊を掲載します。このフクヤマ氏の寄稿コラムは非常に長文で、この概要コーナーに引用したいところが多々あります。しかしこのコーナーでは大幅にカットして、要点だけを引用します。時間がある方は新聞に掲載された全文を読まれることをお勧めします。

[概要]ブッシュ大統領とラムズフェルド国防長官が、先日、イラクからの出口戦略について公式演説を行って以来、民主党は迅速な撤退を求め、論議はもはや撤退の是非ではなく、どう撤退するかに移っている。しかし与党内にも早期撤退論が高まる今、アメリカはイラクの安定化計画を放棄するべきでない。

ブッシュ大統領はイラクの警察と軍を急いで訓練し、それらが米国の指揮を離れて活動出来るようになって撤退する戦略だった。しかし今なお、イラク軍は米軍司令官が指揮し、イラク情報機関はイラク内相ではなくCIAに情報を上げている。これでは大幅な米軍撤退ができないのは明白だ。

だが米軍はゆっくりだが戦術を変更し、反乱派の攻撃を抑え込み、そこを占領して敵の再結集を余裕を与えない「掃討占領」戦術で効果を上げている。(神浦・・・・これは先日紹介したクリーン・アンド・ホールド戦略のことと思う)

またイラクの自爆テロに関しても、国内ばかりか世界のイスラム教徒に嫌悪感が広がっている。それは自爆テロの対象が米軍ではなく、イラクやヨルダンのイスラム教徒(国民)を犠牲にしているからだ。

3番目の特徴として、ジャファリ現首相やシーア派のサドル師らのグループが、自ら武装し軍や警察に忠実な党員を潜入させていることだ。イラクに新憲法が誕生しても、彼らが民主的な憲法に従い、人権を尊重することはない。彼らは自らが属するシーア派政党の従うからだ。しかし内戦には短期間に終わるだろう。内陸部で産油地帯と無縁なスンニ派支配地区が、さらなる孤立を深めるだけだからだ。

イラクに平穏を築くには、ブッシュ大統領が圧倒的な力で民主主義体制を保障し、米国民がイラクの安定化を放棄しないことである。しかし米国民は「アメリカが自分のことに専念すべきだ」という意見が、ベトナム戦争直後をやや上回った。それでも米軍が早期に撤退してイラクが大混乱に陥れば、イラク戦争の動機と手際に対する糾弾が続くことになる。そのことで米国がイラク撤退後に孤立主義に傾く危険がある。それでは今後、中国の台頭にアメリカの関心が向かなくなる。そのために多くの国はイラク撤退後も、米国が払ったイラクでの犠牲に敬意を払い、イラクの安定化に協力すべきである。

[コメント]このフクヤマ氏のコラムを読んで、アメリカの保守派はそこまで追いつめられているのかと驚いた。私は米軍のイラクからの撤退が確実になり、その撤退計画は整然と行われるものとばかり考えていた。すなわち数年間は4〜5万人の駐留部隊はイラクに残し、イラク国内の3〜4カ所に駐屯し、またクエートにも一カ所のイラク向け軍事拠点を作るという推測であった。

ところがこのフクヤマ氏のコラムを読むと、イラクの米軍がベトナム戦争のように一気に瓦解し撤退するようなうな雰囲気に傾いていると感じた。そのような事態になれば、それこそ最悪の米軍のイラク撤退ケースである。

ベトナム戦争とイラク戦争の大きな違いは、ベトナム戦争では米軍が去っても、北ベトナム政府が南ベトナムを制圧して統治することができた点だ。しかしイラクには米軍が去れば、イラク全土を統治できる勢力はない。北はクルド、南はシーア派、中部はスンニ派と分裂することは間違いない。そこで第4の勢力として、世俗派と呼ばれるジャファリ現首相がシーア派の一部とスンニ派の合体を目指して動いている。しかし若いアル・サドル師に率いられたサドル派はスンニ派との合流を絶対に認めない。どちらが政権を取っても、米軍がいなければ内戦は必至である。

フクヤマ氏は米軍が撤退してもイラクの内戦は長くは続かないというが、私はそのような楽観論はイラクの混乱を増すだけと思う。

ブッシュ政権の弱体化は米国内の厭戦風潮を受けて、ベトナム型撤退に急変する可能性も出てきたようだ。

そこでフクヤマ氏は「それではアメリカが孤立主義になる」と、この撤退問題で国際世論の配慮を求めている。米国では立場が悪くなると、すぐに孤立主義への復古が語られる。しかし今の時代に米国が孤立主義に戻れるほど国際環境は単純ではない。ちょうど日本が鎖国の時代に戻れないと同じものである。フクヤマ氏の「孤立主義」の警告は単なる脅しでしかないが、その緊張した気持ちを感じることができる。

ともあれアメリカではそこまでイラク戦争に嫌悪が広がっているということだ。フクヤマ氏は保守派の論客として、イラクからベトナム型撤退にならないように危惧している。アメリカの軍事は変わるときは一気に変わる。フクヤマ氏の心配は決して無駄な心配ではない。

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フクヤマ氏の投稿を「アメリカはイラクから逃げ出す予定。後は野となれで退散するから、どうなっても知らないよ。そのような混乱が嫌なら、アメリカに協力しろ」という脅しとして、読むらしい。脅しというより、悪がきのヒステリーだね。

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