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愛を語る相手はマドだけなんだ、理解してくれ!
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投稿者 やめてくれ、マドだろ、帰ってたんだな? 日時 2005 年 1 月 26 日 20:47:57:eijTeITtaqBnE

『たんなる異形の、すなわち美形の、個性美人の「電柱美」を撮る、ということ』 (身体でも 文体でも)


君からすれば、モテる男であって欲しかったのかもしれないけど、それは俺じゃない。(真理そのものになれば愛されるのだろうが、俺は真実であり、写実であり、醜さを晒すことで、嘘のない、その真理を示しているつもりだ)

俺は見ての通り「ダメ男」の“極致”だよ。それでも、まだ愛してくれるっていうのかい? そういや、底まで堕ちても、まだ誰かに愛されたらどうする、なんて仄めかしてたよな? 気になる謂い回しだった‥‥。

たしかに君が、都会化する前の「電柱」の在りかたを、提起してくれて良かった。(いつになく、標準的な、女性文体だな、それが俺の好みなのだと?)
もしかして、暖かな電柱に体温をすりつけることで、電柱を愛する俺に、直に抱きしめられようとしたか?(殺伐とした都会の恋愛ゲームに、今回は、母の和みのアピールでもあるだろう)

だが、君は、写真を見ていないんだ。(何とか送るか、他の手を使うか、どうするか迷うが)

だから、君が、けいこに対抗できるのは、そこまでのはず。その証拠に、ふだんは饒舌な君が正味3行しかない。
とっておきの体験談が一つだけ‥‥けいこが実体験の直球を投げているときに、フィクションは使えないもんな。
逆に、けいこのほうは、あれだけの分量を書くのは異例だろう。しかし、これはマドにとって「脅威」なのか?

むろん、けいこにも、あれ以上は、書けない‥‥俺が、まだ電柱の“とてつもない深さ”を語り出さないからだ。
けいことしては、要するに入り口をきちんと地固めしたんだろう。(同時に、ピボットがズレない範囲で周辺的な諸問題も確保したようだ)

これで、問題意識を、強烈に共有していることが撮影前に確認できたというんだな。
それがなければ「撮影者を撮る」というコミュニケーションは難航を極めるところ‥‥無事に最低限の手続きが終わったというわけだ。

いずれにせよ、そういう遣り取りは「仕事」であって、もう、どのように言っても「ラブレター」とは読めないし、個人宛のメールでもないし、けいことしては直前の「内輪批判」を踏まえて、詳しく書かざるをえなくなったかの在りようだったと思う。

それこそ、ビデオ映像の前宣伝というパブリックなものとなりこそすれ、俺にしても、写真集の、しっかりした序文を書いてもらったような気がしている。
例によって、けいこは的を外していないから、安堵したのは事実だ。
だが、そうであるにしても「コミュニケーション闘争」の相手に、気を緩ませることはできないだろう、女でも、母でもない、男なんだよ、少なくとも今は‥‥。
けいこは、傷の癒しなど企図していないだろうし、癒す必要があるくらいなら、あえて厳しく傷つけたりしなかったんじゃないか、と思う。

さて、けいこは、俺の作品を「写実」と表現したのだから、抽象を見せても理解できるはずだ。
ただし、そうはいっても‥‥けっきょく昨日一日かけてしまった写真の整理・選定作業で‥‥俺は、「抽象作品」も「よりスナップ的なもの」も、ほとんど除外しているが、決してそういう「撮り方」を排除しているわけではないつもりだ。
かりに「純粋に下手なスナップ」であった場合、それは純粋に記録となりうるはずだから、それはそれで「電柱」に対する畏怖なり、礼儀を示していると思えなくもない。

また、けいこはプロとして技術で見ようとした節があり、一定の敬意を払ってくれようだ。しかし、俺はマチエール-メチエには頓着していないし、デジカメ一発で撮る、まったくの素人であることが、より「電柱」性が高いと思う。すべてをセンスで補うからには「ピン暈け上等」でやっているわけで、ピン暈け作品にも「内容」に価値をみる、ということだな、ピン暈けが「効果」に達していなくとも。

それよりも俺は、芸術屋として、むしろ造形を意識しているはずなんだ。そして、それは「調和の美」を時空で切り取るということのはずだ。
しかし、或る種「主観」的な「絶対感覚」を持たない人に理解されるかどうかは、予断を許さないかもしれない。

つまり俺は、少なくとも電柱の「個別の美」を撮ることで、撮り続けられるのだろうし、そこを通してのみ「弱者」「少数」化された「非美観」性の美というものを表出できるはずなのだ。
「強力な美」をもつ存在なのだから、必ずしも、決定的な「弱者」「少数」などではないと、むろん思う。

電柱というものが、必要とされつつも、街の「荒らし」として、愛されずに排除されているとは、そういうことだろう。
しかし、いくら、左派のように「救済の助力」をしようにも、その対象が「美」でなければ、積極的に「荒らし」を愛することはできない。
醜さのなかにある個性的かつ「真実」的な、もしくは個性的に「真実」的な、或る「真の美」を見い出しての話ではないか。

君が、写真を見ていないのは幸いかもしれない‥‥答えを云ったようなものだが君には可能性がある‥‥けいこは、個別の作品について言及せず、賢明にも全体の話に逃がれた。

俺は、個別の電柱の個性や表現について好き嫌いを述べるなりして、入り込んで欲しかった。撮影者としては、ファンや批評家の部分を見せて微妙な関係をつくるよりも距離感が大切なのだろうな。

しかし、結果は雄弁な沈黙だった。
そうなると、けいこが作品に美を見つけたのか‥‥非常に不安になる。
(俺は、かつての彼女が、なにげに撮った作品の一つ一つに美を探していった‥‥電柱は、そこまでしなくとも美はあらわだと思う。とはいえ、その魅力は、もっと「濃縮」して提示されなければ、あるいはデッサン同様に「 電柱= 愛とは無縁の存在」という先入観を「滅却」しなければ、対象が真に見えてこないのかもしれない、撮影者にも・鑑賞者にも)

さもなくば‥‥もしも「狙いとしても起源としても社会的でない美意識」を共有できなければ‥‥電柱の美という「コミュニケーション内容」そのものの交感と抱擁を捨ねばならないだろう。
そうなると、いよいよ「わけのわからないモティーフを追い続ける俺というもののコミュニケーション形式」たる行動、その奇異さ加減を主題にするしかなくなるはずなのだ。

電柱への偏愛ということであれば、鉄道マニアに近いものはあるにせよ、しかし、俺が鉄道マニアにしか見えなかったら終わりだろう。
総じて「電柱撮」は、発掘であり、賞嘆であり、批判であり、造形であり、逆構築であり、むろん、鉄道マニアに対しても、正々堂々真正面からの、逆構築の刺し込みであるはずなのだ。

果たせるかな、けいこは俺を鉄道マニアとは見なかった。
いつもながら、ポイントを押さえてきた。自分の問題として、ぶつけ返してきた。

その点、この言葉のバトルが前哨戦なら、楽しみな話だ!
だが、それでも俺は、遠巻きで観察されている‥‥蛇足の多い俺も‥‥昨日は、作品を説明する余裕が無かったんだが。

だから、けいこの、あの力作ごときで「無痛」化されることは無いだろう。(マドとて、本気で罵るのではなくして、場外の想いを込めた「揶揄」でしかないのかもしれない)

ただ、あまりにも気持ち悪い「問題意識の一致」で、けいこの剛速球に掻き乱されるマドの焦りが感じ取れるようだ。
それに、けいこというのは、いつもスルリと交わしつつ、肝心なところは御丁寧なほどに、手抜きをしていないもんな。

あれだけ傷つけておいて、傷つけたからこそ、その落差で、俺の関心を引きずり回す女というものに、マドは、今までになく、あからさまに噛み付いたように見受けた。
正義感よりも、愛なのか、ない混ぜかは、知らない。

しかしそれでも、恐ろしくも巧妙であれ、じつは仕事以外に恬淡としているのであれ、お構いなく、けいこのペースで話は進む‥‥すると俺が抱きとめないと、マドはピエロになってしまう!
(これは正義感ではないつもりだ)

いっぽうマドは、狙いどころは利口というか、別の誠意があったと思う。たしかに、寒かろう雪国の、ちょっとした思い出に「愛」を見つけたかもしれない。
残念なことに、君が「世俗の語義」から想像するしかなかった「電柱写真」というものは、電柱撮りのネーミングからも判るように俺が「電柱撮」でハンティングしてきたクールな美ではなかった。
もし、ふるさと情緒を懐古する庶民派なら、取り立てて、個別化革命を叫ぶ必要もないのではないか。

むしろ、毒の有る怪しい、比喩を拒む、孤高の闇の、虚空に浮かぶ異界の美であるならば、それは、けいこ式には、エヴァのメカデザインを超えた奇蹟の造形といえる。
俺のみるところ、俗に埋もれ、しかるに俗に塗れるでなく超然と屹立する、それは過剰な男根的自尊心でもあるだろう。しかし、男根は優美な羽衣を纏って女を漂わせている。
その妖気を切り取るというのだろうか。(むろん、棲息する場、時々刻々の表情、向き合う軸足、目線の角度でも、様々な性格を見せてくれただろうが)

これは言葉に過ぎないかもしれないが、少しはわかってくれたかい? 最初に伝えなくて悪かった‥‥。
それでも、無謀にも君のように、正面から、立ちはだかり、離れたところから、飛び込んできてくれるほうが癒される。そういう、判りやすい態度に飢えているらしい。
もちろん、俺が誰からも愛されないのであれば、飢え死にしかないのだろうな。
(傍目には楽しそうかもしれないが「こっち」は緊張感があるのだよ、2人なかよく胃痛を訴えるがごとくに。スパイス系のもっていきかたが、プロの「現場監督」なのかはしらない)

ただ、けいこが、俺の生産力を奪ったわけでもないし、これは具体的・写実的血肉をともなった、新たな“哲学”ならぬ「逆構築」のはずだ。
はるばる俺の育った地にまで出向く、けいこが、俺を弄ぶというのも、君の妄想かもしれない。

もちろん、けいこの「所為」ではないとしても、何故だか結果としては、けいこに振り回されてきた俺が、けいこを信じきっているわけがないだろう。
だが、少なくとも、その証拠を(これからも)挙げられない以上、もう思い込みの陰謀論で動くのではなく、そのように振る舞うべきだと思っている。
もしかすると、何らかの深い縁のあった相手、けいこが、いろんな意味で、そもそもコミュニケーションに値する相手かどうかさえも、コミュニケーションを深めることで判ってくるという、そういう闘いなのかもしれない。

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こうしてみると、電柱というと犬であるにもかかわらず、さすがにマドは、けいこと引っ掛けての、愛撫の無いギャグで電柱を穢すようなことはしていないな。
マドは、そうではなくて、より本源的な「電柱」というものを提起することで、冷たいメディアに写る側の、家庭的な生活者に馴染んだ電柱のほうに縄張りをマーキングしたということかもしれない。(ただ、俺はもっとささくれ立っているが)

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蛇足。
というわけでマドよ。「ちょっと待った!」を、ありがとな、いまの俺には、いっそう嬉しいよ。
君がいう木を蹴って雪を落とす悪戯のシーン、映画スゥィング・ガールズで観たぜ。愛する男に、雪をぶっかけ、笑って逃げるんだ、男は後を追う‥‥。

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愛を語るのに、一々ゲームでバリエーションをつけなくても(笑)
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