★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 番外地1 > 522.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
マドよ、そう責めるな(笑)
http://www.asyura2.com/0502/bangaiti1/msg/522.html
投稿者 僅かに光が漏れてる(笑) 日時 2005 年 1 月 29 日 04:43:53:0FlHIjwNjNHVc

(回答先: そろそろ「けいこ」は限界です。 投稿者 けいこ@非情の仕事人 日時 2005 年 1 月 29 日 03:12:09)

もう少し付きあってくれ、
大切に思われることを、
大まかな話として
以下に述べたい。

‥‥

マドよ、俺が大切にしている「物」は何か、知ってるか?
別に難しい話や、美しい話をしようっていうんじゃない。

誰にとっても、欲しくもない、評価できないような具体的な「物」のことだ。
自他ともに認めるところのエゴイストである俺の、自己愛の結晶は何か。
それは俺のアイディアを満載した段ボール箱だ。今となっては判読もまま
ならないようなメモや作品が入っている。これが俺の子であり、俺なんだ。

当然その取り扱いには拘りがあって誰にも触らせまいと思ってきたのだ。
命がけで蓄積してきた独自の思考の軌跡であり、他者への砦なのだが、
ふと、或る女には閲覧権を与えてもいいんじゃないか、と思ったわけだ。

さて俺は箱に入れる形に未だ成っていないアイディアを、
形にする仕事をしてきた。ところがどうだ。ちかごろでは、
瞬間冷凍で鮮度を保てずに閃きたちが死を待っている!

アイディアだけではない、俺には強迫の病があって、これを
せよ、という命令を日常的に受けている。死ぬまでにそれを
しなければならないとして、今や山のようになっているのだ!

健常者には判らないだろうが、これは多大な犠牲である。
だが何故そんなことになるのか。では、こんな話はどうだ。

俺は、人と会う約束をして駅に着いた。その人を確認して、
待たせておいてノートを取り出し、掲示板に予定稿を投稿
する。シンプルな文面で「好きだ」と。そして何食わぬ顔で
ビジネスに入るが、経験の浅い中学生のような真似である。

夜、仕事が終わり、同僚を駅まで送ることになる。そのとき、
或る歌が何度も頭に流れた。俺は歌は上手じゃないが、昔、
色物歌手になる話があった。とにかくピッチが甘く、リズムに
キレは無く、ボイストレーニングを一から遣るまでもなく潰えた。

同僚の後姿が駅舎に吸い込まれるときに意を決し、覚えの悪い
俺が、ようやく諳んじた詞を口ずさむ。何事かと同僚が振り返る。

簡単に出来ることだ。が、これすらも俺の空想に終わってしまった。
正直にいう、俺は一行も詞を憶えなかった、何も努力はしていない。
だが、嘘ばかりの神様はどうしてくれた。機会をチラつかせただけか。

‥‥

俺は入籍したことがなく、入籍の苦労は考えない。
が、入籍は国家を集団として承認することでもある。
これは俺にとっては、後々手痛い難問となるはずだ。
俺は人伝に聞いていた。結婚に縁が無いとの嘆きを。
では出産に縁が無いと嘆くのを聞かされればどうなる。

いとおしいほどの御人好しは、こう考えた。地獄で男が、
樹上の女に近づき、刃物の葉と葉に切り刻まれる。女は
地獄を味わう。だが俺はそんな馬鹿ではない。俺は笑顔だ。
ならば女も笑顔だ。また会いにくる、盗んだハシゴ車に乗って。

‥‥

 次へ  前へ

番外地1掲示板へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。