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「混血差別防止法」---Younghee Ahn の韓国レポート 第180回から
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投稿者 ミスター第二分類 日時 2006 年 4 月 23 日 13:51:35: syFUAx3Wc1pTw
 

韓国内での差別問題についての言及が記載されていましたので、ご紹介します。

■ 『Younghee Ahn の韓国レポート』 第180回
   「混血差別防止法」
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■ 『Younghee Ahn の韓国レポート』               第180回
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「混血差別防止法」

 アメリカにいる高校時代の友達からメールをもらった。彼女は、博士課程の時に渡米し、同期の白人男性と結婚した。

 両班(ヤンバン:朝鮮時代の貴族)の血を引く彼女の両親は碧眼の娘婿などとんでもないと猛反対した。そんな親の大反対を押し切っての国際結婚だった。

 韓国の格言に「子に勝てる親はいない」と言うが、結局猛反対した親も彼女が選んだ人を認め、アメリカで結婚式を挙げてから娘夫婦を韓国に招待した。

 だが、彼女はすぐに韓国では彼と歩くのをためらうようになった。
 彼女を米軍相手の水商売の女性と誤解したりするというのだ。

 以前、韓国の米軍基地周辺には飲み屋や売春宿がたくさんあった。
 そこに勤める女性たちを韓国ではその昔「洋姫(ヤンゴンジュ)」と呼んでいた。外人相手の女という意味だ。韓国人は韓国人同士で結婚することを良しとしているので、外人を相手に
していることに対しての侮蔑的な意味も込められていた。

 それだけに韓国は混血に対しての認識も否定的である。

 また、筆者の友達の話に戻ると、二人には娘が一人いる。
 父親が白人で母親が韓国人なので、エキゾッチクな感じの女の子だ。昨年初めて母親の国を訪問した。韓国語はできなかったが街を連れて歩くと結構人気があった。彼女が夫と二人だけで歩いた当時に比べると韓国も少しは偏見がなくなったのかも知れない。

 4月3日から10日間、アメリカのスーパー・ボウルで今年のMVPに選ばれたハインズ・ウォード選手が来韓した。彼は、黒人の父と韓国人の母をもつハーフである。

 アメリカでNFLのスーパーボウルというととても有名だが、韓国では殆ど知られていない。 それでも、ハインズ・ウォード選手がMVPを取ってからは、連日マスコミで大騒ぎし、田舎のおじいさんでもNFLとか、スーパー・ボウルと言った単語を発するようになった。

 ハインズ選手は、苦労して育ててくれた韓国人の母親と共に訪れ、韓国を楽しもうとした。しかし、毎日公式のスケジュールに追われた。それを報道陣が雲のように追いかけた。報道陣だけでなく一般の人までが一挙手一投足を監視しているようで、疲れてしまったハインズ選手はスケジュールを取り消してしまった。

 今回彼は韓国にいる混血の子どもたちに希望を与えたという。混血に対して否定的ではあるが、黒人との混血にはもっと見えない差別がある。だから、彼らもハインズ選手のようになればみんなから尊敬されると思ったのだろう。彼の訪韓をきっかけに代議士たちは、「混血差別防止法」を推進し、ソウル市は彼を名誉市民にした。

 現在、ハインズ選手は、韓国においてただのスポーツ選手ではなく、「混血の神様」のよう
な存在になった。

 だが、彼が韓国を離れたのは、黒人混血への差別がひどいためであったし、スーパーボウルでMVPになるまで、彼のことを気にかけた韓国人なんか誰もいない。

 それでも彼は名誉市民としてタテをもらった時「韓国が嫌いだったこともあったが今は大
好きだ」と言いながら涙を流した。

 反対に、トリノ・オリンピックで銅メダルを取ったトビー選手は、国際養子縁組で小さい頃渡米したという。彼がメダルを取って、実の親に会いたいと言ったところ、韓国では数人も自分が親だと名乗り出た。そして、実の親の消息を知っているというメールは1000通も来たという。

 トビー選手も韓国の誇りだが、彼は韓国のこの過剰な関心に恐れを感じ、韓国での試合を放棄した。彼と同じ様に養子縁組で韓国からきた弟が先に実の親に会ったことがあり、変ないいがかりをつけたりしたので、弟がかなり傷ついたという。
 自分も同じ様なことになるのではないかと心配して、会うことを諦めたらしい。

 ハインズ選手もトビー選手もスポーツマンとしては優秀だ。しかし、それを育てたのは韓国ではない。彼らは生れは韓国でもまったく韓国語の話せないアメリカ人なのだ。
 韓国にいる混血の子どもたちに俄かに希望を持たせるように「混血差別防止法」など形だけをつくるより、彼らへの偏見をなくしていくことが先決である。

------Younghee Ahn(アン・ヨンヒ)----------------------------------------------
韓国生まれの韓国人。小学4年から高校1年まで、大阪在住。韓国外国語大学同時通訳大学院日本語修士課程卒業。同時通訳からスタートして、現在は会議通訳、及び、韓国梨花女子大で、日本語の講師も務める。著書に『シナブロ(知らぬ間に少しずつ)』(小学館)
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問題のない国などないし、差別や偏見の少ないアメリカに渡ったから才能が開花したと言う事実は差別や偏見が如何に不幸な結果をもたらすかを示しているようです。

法律を制定したと言う事は逆に言えば「そうしなければならない程に厳しい現実がある」と言う事です。その事を良く考える必要があると思います。

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