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Re: 『国際連盟理事会(ジュネーブ)決議文』 1938年2月1日付
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投稿者 Kotetu 日時 2006 年 8 月 25 日 15:11:09: yWKbgBUfNLcrc
 

(回答先: Re:1938年7月7日 蒋介石 『日本国民に告ぐ』より 投稿者 Kotetu 日時 2006 年 8 月 25 日 15:07:21)

『国際連盟理事会(ジュネーブ)決議文』 
1938年2月1日付


文書番号C・六九/一九三八/七

 内容 − 中国政府の提訴にもとづく決議案

 理事会は、
 極東情勢を考慮し、
 前回の理事会以降も、中国での紛争が継続し、さらに激化している事実を遺憾の意とともに銘記し、
 中国国民政府が中国の政治的経済的再建に注いだ努力と成果にかんがみて、いっそうの事態の悪化を憂慮し、
 国際連盟総会が一九三七年一〇月六日の決議によって、中国にたいする道義的支援を表明し、あわせて、連盟加盟国は中国の抵抗力を弱体化させ、現下の紛争における中国の困難を助長しかねないいかなる行動も慎み、それぞれが中国支援拡大の可能性を検討すべきであると勧告したことを想起し、
 国際連盟加盟国にたいして上記の決議に最大限の注意を喚起し、
 東アジア紛争に特別な利害を有する理事会加盟国が、同様の利害関係国との協議を通じて、極東紛争の公正な解決に寄与するため、今後のあらゆる手段の可能性を検討するいかなる機会も逸さないことを確信する。

 

 

 

『国際連盟理事会第六会議議事録』 
1938年2月1日付

  内容 − 中国政府の声明
                                                  
 議長による決議案(C・六九/一九三八/七)の提示に続き、顧維鈞氏(1)の演説―

 ただいま読み上げられた決議案を拝聴しました。本決議案に関する中国政府の見解を表明する前に、最近数か月間に起こった出来事を述べ、現下で連盟理事会が何をなし得るか、我が国の切実な要求は何か、についての中国政府の見解を申し述べたいと思います。

 第一八回連盟総会が、咋年一〇月六日、日本の中国侵攻にたいする中国政府の抗議に関連して決議を採択した後も、日本軍は中国領土への無慈悲な侵略を続け、これをいっそう激化させています。華北の日本軍は黄河を渡り、聖なる山東省の都であり、孔子の生地でもある済南を占領しました。華中では一一月、中国抵抗軍が、陸海空が一体となった日本軍の激烈な攻撃にたいして三か月に及ぶ勇敢な抵抗をおこなったすえ、上海地方からの撤退を余儀なくされました。南京に脅威が迫ったため、中国政府は、首都を海岸から一千マイル離れた重慶に移すことを強いられました。日本軍が漢口と南京にたいして加えた執拗な攻撃の結果、三月には、この二つの重要な都市と最も肥沃で人口の多い長江流域が日本軍占領下に入りました。
 
 日本海軍は、福建省および広東省沿岸にある多くの中国の島嶼を制圧し、広東と華南にたいする侵略の試みを繰り返しています。

 日本軍航空隊は、国際社会の非難の合唱を無視して無防備な都市にたいして無差別爆撃を続け、中国民間人の大量殺戮をおこなっています。広範囲にわたる再三の空襲が、西北の甘肅省から南西の広西省まで一七をこえる省の人口密集地帯に加えられ、すさまじい犠牲者を出していますが、その大半は女性と子どもであります。

 さらに、高い軍紀を誇りにしてきた日本兵が占領地で繰り広げる残虐で野蛮な行為は、戦火に打ちひしがれた民衆の艱難辛苦をさらにいっそう増大させ、礼節と人道に衝撃を与えています。あまりにも多くの事件が中立国の目撃者によって報告され、外国の新聞で報道されているので、ここでいちいち証拠をあげるには及ばないでしょう。ただ、その一端を物語るものとして、日本軍の南京占領に続いて起こった恐怖の光景にかんする『ニューヨーク・タイムズ』紙特派員の記事を紹介すれば十分でしょう。このリポートは一二月二〇日付の『ロンドン・タイムズ』紙に掲載されたものであります。特派員は簡潔な言葉で綴っています。「大がかりな略奪、強姦される女性、市民の殺害、住居から追い立てられる中国人、戦争捕虜の大量処刑、連行される壮健な男たち」。

 日本兵が南京と漢ロでおこなった残虐行為についての信頼できるもうひとつの記録は、米国人の教授と外交使節団による報告と手紙にもとづくもので、一九三八年頁一月二十八日の『デイリー・テレグラフ』紙と『モーニング・ポスト』紙に掲載されでいます。南京で日本兵によって虐殺された中国人市民の数は二万人と見積もられ、その一方で、若い少女を含む何千人もの女性が辱めを受けました。

 金陵大学緊急委員会の米国人議長は一九三七年一二月一四日、日本大使館に書簡を送り、「私たちはあなた方にたいして、日本軍と日本帝国の名誉のために、そしてあなた方自身の妻、娘、姉妹のために、あなた方の兵士から南京市民の家族を守っていただけるよう強く要請します」と書きました。しかし、「この声明にもかかわらず、残虐行為は野放しで続いた」と特派員は書き記しています。

〔以下、略〕
                                                      
(1) 顧維鈞は中国を代表する外交官、欧名はWellomgton Koo。コロンビア大学で国際法・外交博士号を取得、一九一五年二七歳の若さで駐米公使に就任、一九一九年パリ講和会議では、中国全権代表として活躍した。国民政府にかわっても外交官を継続、日中戦争時は駐仏大使をつとめながら、国際連盟において活躍、日本の中国侵略を阻止するための国際批判と国際援助を引き出すために奔走した。一九三七年一一月日本の中国侵略を制裁する目的で開催されたブリュッセル九ヵ国会議で中国全権代表をつとめた。第二次大戦後の国際連合の創設にもかかわり、駐米大使兼国連代表団団長を長くつとめ、一九六四年から二年間、ハーグ国際司法裁判所次長をつとめた。
 

(『ドイツ外交官が見た南京事件』P136〜P139)

*「ゆう」注 〔以下、略〕は原文通り。


http://www.geocities.jp/yu77799/chuugoku.html

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