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罪と罰 [池田高雄拳跡集]
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投稿者 white 日時 2006 年 5 月 28 日 18:16:04: QYBiAyr6jr5Ac
 

□罪と罰 [池田高雄拳跡集]

 http://www.tic-box.com/doc-ikeda2/ik-index.html

罪と罰

 最近の亀田兄弟ブームはまったくもって滑稽だ。

 亀田兄弟のもたらした功罪のうち「功」を語る人はいくらでもいるので私は「罪」を取り上げたい。

 日本ボクシング界にとって功によるプラス面より罪によるマイナス面のダメージの方がはるかに大きいと思う所以からである。

 まずもってマスコミ連中が日本チャンピオンにだってなれるかわからない実力の長男と新人王にすらなれるかわからない次男を世界チャンピオン以上にもてはやす事の意味が私にはわからない。

 酸いも甘いもわからぬ若いボクサーを弱くするのは簡単だ。

 天狗にすればいいだけの話しだから。

 現に長男はアランブレット戦あたりを境いにしてそのパフォーマンスは下降線をたどり始めているし、次男は素人受けするKO勝ち狙いでボクシングのいろはを忘れた闘いぶりだ。

 今年中に行われる予定の世界戦でそのメッキが剥がれた時に、無責任なマスコミ連中はホリエモンの時と同じ様に手のひらを返して酷評するだろう。

 世間の変わり身の速さと汚さを10代で身に沁みて味わう事は非常につらいだろうが、それも対戦相手とボクシングの尊厳を踏みにじった天罰だろうか・・・・・・。

  
 前々回でのボウチャン戦では相手が手強いと知ると頭突きにローブローと危険な反則のオンパレードを披露した長男だが、メキシコに帰ったボウチャンが記者の人に「日本はどうだったか?」と聞かれたら、彼は「日本は汚かった」と答えるはずだ。決して「亀田は・・・・・」とは答えない。

 他のアジアの国々に比べはるかにクリーンで公平な日本のボクシング界のイメージを損なう事は長い目で見て決してプラスにはならないはずだ。

 それでも目先の利益と将来の不確かな願望にも似た思いに囚われた人達は、見ザル言わザル聞かザルの三猿をこれからも通して行くのだろうか・・・・・。

 
 それにしても亀田三兄弟はいろいろと放言しているが、長男の「三階級制覇」や三男の「北京五輪金メダル」等は質の悪いブラックジョークとして笑えるが、次男の「浜田剛史の15連続KO記録を抜く」発言はまったく笑えない。

 勝つ気のないボクサーやその気はあっても実力が伴わない外国の出稼ぎボクサー相手になら幾らでもKO出来る事は既にあらゆる所で証明されている。

 浜田剛史氏が二度に渡る拳の骨折での狂おしい程の長きブランクを乗り越えて、日本タイトルそして東洋へと苦節5年がかりで築き上げたボクシング界の誇りであるこの記録を、その重みを知らない連中が出稼ぎボクサー相手に作った記録と同列に扱かう事に心が痛む。

 ましてや次男はKO勝ち欲しさにデビュー戦から一貫してナックルパートの薄いメキシコ製グローブを使っているが、メキシコ製のグローブを全てのボクサーが当然の様に使っているメキシコのリングでは、日本とは比較にならないほどストップのタイミングが早い。それゆえにメキシコでは重大な事故が極めて少ない。

 ただでさえストップのタイミングが遅い日本で、ましてや亀田選手がもしグロッギー状態になったとしてもレフリーはなかなかストップしづらいだろう。

 体が硬くディフェンスといえばガードを高く上げるぐらいしかない技量のボクサーに、危険なメキシコ製グローブの使用を許可したコミッショナーはもし事故が起きた場合、責任を取る覚悟があるのだろうか・・・・・・・。
 

 しかし試合後に相手セコンド陣やレフリーにまで暴言を吐く父親を筆頭に、リング上でカラオケをしたりプロレスまがいの意味の無い掛け声を観客に強要したりと傍若無人な振る舞いを繰り返す亀田ファミリーだが、数多くの若き尊い命が眠る神聖なボクシングのリング上を場末の酒場状態にしたその罪は、極めて重い。

 そしてその蛮行を黙認するボクシング界も同罪だ。

 
 今はやりの「品格」をボクシング界自らが貶めている現状は実に嘆かわしい。

 
 リング上での愚行と同じ様に計量時での相手選手に対する執拗な挑発行為も見ていて不愉快極まりない。

 もし亀田ファミリーが対戦相手の国、タイやメキシコで日本のマスコミ関係者など誰もいず、図体だけのボディーガードもどきもいない状況でも、ああいった挑発行為をする度胸があるのならまだマシだが、しかしそんな度胸は残念ながら持ち合わせてはいないだろう。

 試合の日以外でボクサーが最もナーバスになる日が計量の時だ。その時ボクサーは精神的に戦闘態勢には入っていないしその必要も無い。計量を終えホッとして精神的に無防備な状態の相手ボクサーに公衆の面前であえて挑発行為をする亀田ファミリーの所業は、道ばたを歩いている人にいきなり因縁をふっかけるチンピラと同じで卑怯者のそしりは逃れられないだろう。そしてその行為を喜んで見ている周りの連中も同類だ。

 亀田選手が標的にしているポンサクレックはタイの英雄であり、もしポンサクレックに対しても不遜な挑発行為をすればタイ国の国民感情を著しく傷つける事になるだろう。ましてやその行為を協会やコミッショナーが黙認するような事があれば、日本のボクシング界には品格どころか良識のかけらすらも存在しない事を内外に知らしめる事に他ならない。

 
 ここに来て1階級落としての世界挑戦が噂されるが、過去においてパワーを武器にして闘って来たボクサーがそのアドバンテージを生かそうと階級を落として挑戦した場合、逆に無残な敗北を喫っすパターンがほとんどだ。

 絞りきった体から更に約2キロ落とすという事は本人すら想像が付かない程のパワーと耐久力の喪失を意味する。
 
 パワーを生かそうとして階級を落とした結果、逆に命綱のパワーを失うパラドックスは、人気を得るために勝てる相手ばかりと闘い最後には飽きられ逆に人気を失うパラドックスとどこか似ている。

 亀田選手がどの階級のどの国の世界チャンピオンと闘うにしろ、世界チャンピオンという存在は世界のボクシング界にとって宝であり、その価値を貶めるような行為と発言は慎めさせるのがボクシングで生きている人達の務めではないだろうか。
 
 
 6年前メキシコから帰って来た時日本中で「だんご三兄弟」というものが大はやりしておりそのくだらなさに閉口したものだが、数ヵ月後にはすっかり消えていた。

 間もなく訪れるであろう初めての敗北を機に亀田ファミリーとそれを取り巻く人達との蜜月時代は終焉を迎える事になるだろう・・・・・。

 
 そして「亀田三兄弟」は自らその地位を貶める日本ボクシング界に咲いたあだ花として、私の記憶の片隅に、かすかに残る事になるはずだ。


●池田高雄(いけだたかお)
昭和44年宮崎生まれ。平成元年プロデビュー。リングネームは憧れのボクサー高橋ナオト氏にあやかり池田タカオ。B級、A級各トーナメントを制し95年にクリス・サギドの持つ東洋タイトルに挑むも判定負け。同年引退。3年半後にメキシコに渡り紆余曲折を経て妻を連れタイへ。タカオ・チュワタナの名で1年間に9戦し、2001年空位のPABA王座を現WBAスーパーバンタム級王者のソムサックと争い7ラウンドTKO負けを喫し完全引退。元日本、東洋、タイ、ともに1位。

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