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アーネスト・サトウ 【一外交官が見た明治維新】【上・下】 読む
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投稿者 愚民党 日時 2006 年 9 月 08 日 00:15:42: ogcGl0q1DMbpk
 

アーネスト・サトウ
【一外交官が見た明治維新】【上・下】 訳/ 坂田精一 岩波文庫 1960年発行

60年安保の年に発行された古い岩波文庫が図書館にあった。予約して読む。

1862(文久2)年から1889(明治2)年の記録。

幕府側・朝廷側・各藩の政治動向分析が要細であり、高度である。そこから次の政治展開を
予測。
読みながら、ジョン・ラスキンの美術を思い出した。
ラスキン絵画展をみたのは90年代初期だった。細微なリアリズムの絵画。
そしてラスキンの美術と建築の批評。
ジョン・ラスキンはフリーメーソンであると言われている。

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うわさによれば、天皇(孝明天皇)は天然痘にかかって死んだということだが、
数年後、その間の消息によく通じているある日本人がわたしに確言したところによれば、
天皇は毒殺されたのだという。
この天皇は、外国人にたいしていかなる譲歩をおこなうことにも、断固として反対してきた。
そこで、来るべき幕府の崩壊によって朝廷がいやおうなしに西欧諸国と直接の関係に
入らざるをえなくなることを予見したひとびとによって、片付けられたというのである。

-------------------アーネスト・サトウ 【一外交官が見た明治維新】上

兵庫開港の攻防をめぐって、孝明天皇は暗殺されたのではないかと自分は思う。
イギリスが突きつけていたのは、日本列島の総開港であり市場開放であった。
資本主義の交易のためには、日本の幕藩体制は破壊される必要があった。
アーネスト・サトウは横浜で発行されていた英字新聞(ジャパン・タイムズ)に
幕府を廃棄し天皇を中心とした政治体制のシステム革命論を発表する。
これは日本語に訳され、日本の書店で売られていく。
イギリスは明治維新政治体制構想力に関わっている。

戦争とは交通関係でもある。
イギリスは薩摩と長州の戦争を通じて、薩摩人と長州人が好きなった。
世襲制度の末期にあった徳川幕府の政治家よりも、薩摩人と長州人に期待を寄せた。
イギリス人は魚を食べ、何でも食べるから世界帝国になった。
アーネスト・サトウも日本食を食べ日本酒を呑み、日本の作法を徹底的に実践で習得する。
各藩の人間と宴会をやり芸者を呼び、徹底して交流していく。芝居小屋にもいく。

イギリスが幕府に突きつける要求は、現在日本が、米国政府から「年度要望改革書」で
突きつけられている情況と同じだ。

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日本の下層階級は支配されることを大いに好み、機能をもって臨む者には相手がだれであろうと
容易に服従する。ことにその背後に武力がありそうに思われる場合は、それが著しいのである。
伊藤(伊藤博文)には、英語を話せるという大きな利点があった。これは当時の日本人、ことに
政治運動に関係している人間の場合には、きわめてまれにしか見られなかった教養であった。
もしも両刀階級(武士)の者をこの日本から追い払うことができたら、この国の人民には服従の
習慣があるのであるから、外国人でも日本の統治はさして困難ではなかったろう。
だが外国人が日本を統治するとなれば、外国人はみな日本語を話し、また日本語を書かなくては
ならぬ。

------------------アーネスト・サトウ 【一外交官が見た明治維新】下

21世紀現在の日本と明治維新はリンクしている。

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