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エンロン・ワールドコム事件と株式市場中心経営の弱点 ホリエモンを時代の寵児と囃した政界とマスコミも共犯者
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投稿者 TORA 日時 2006 年 1 月 23 日 14:38:53: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
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エンロン・ワールドコム事件と株式市場中心経営の弱点
ホリエモンを時代の寵児と囃した政界とマスコミも共犯者

2006年1月23日 月曜日

去年の忘年会で踊り狂うホリエモン


◆ワールドコム事件と株式市場中心経営の弱点 伊丹敬之
http://www.president.co.jp/pre/20020812/02.html

◆実証されたゴキブリ理論

(前略)
 ワールドコムは、エンロン以来、クエスト・コミュニケーションズ、グローバル・クロッシング、タイコ・インターナショナル、と続いてきた一連の不正な取引・会計処理がらみの大きな事件の一環になってしまっている。しかしそれ以上に大切だと思うのは、ワールドコムには90年代のアメリカ株式市場を舞台にした企業成長の三つの特徴がすべて、巨大な規模で入っていることである。

◆虚栄を支えた「三つの特徴」

その三つの特徴とは、株価を武器にした買収による急速な企業成長、経営者の自社株への巨大な利害、株価維持のための会計操作、である。

 ワールドコムは、今年の4月にCEO(最高経営責任者)を解任されたエバース氏らが83年にミシシッピ州で設立した長距離電話会社である。当時のエバース氏は、地元の小さなホテルチェーンのオーナーであった。「長距離電話に関する経験は、電話を使ったことがあるだけ」という話があるほど、この業界の新人企業家は、株式交換による企業買収の意欲と交渉術には群を抜いた仕事師だったのであろう。買収を重ねて、97年にはMCIという自分よりもはるかに大きな企業を呑み込む買収に成功。株式交換方式でキャッシュはまったく使わずに、創業後わずか14年でアメリカ第2位の長距離通信会社までに成長した。

 第二の特徴として上で挙げた経営者の株式への利害については、こんな信じがたい話がある。エバース氏は90年代の終わりに自社の株価が上昇を続けていたときに、信用取引で自社株を8億ドル(1000億円弱)ほど買った。しかし、2000年のITバブル崩壊のあおりを受けて株価は見る見るうちに下落してしまい、彼は信用取引決済のための個人的な借金を巨額に抱えることになる。その巨額な借金の返済のために、ワールドコムの取締役会は2000年9月から2001年12月までの間に総額4億ドル強の彼個人への貸付あるいは債務保証を決めた。会社のお金で経営者の投機の始末の資金を手当てしたのである。この時期は、ワールドコムの粉飾決算の時期とほぼ一致する。

 エバース氏がそれだけ巨額の信用買いをした動機は、たんに短期の金儲けということではなく、拡大していく株式数の中での自分の持ち株比率を少しでも維持したかったのかもしれない。しかし、経営者自身が株式保有と株価の動向に巨大な利害を持っていたことはたしかである。

 こうして第一の特徴(株価が武器)と第二の特徴(経営者の利害)が強く結びつくと、株価に影響を与える利益額や貸借対照表の債務計上について、自社の内容を株式市場に対して、よりよく見せようとする動機を経営者が持ってしまうのは当然ともいえる。

 そこで第三の特徴(会計操作)が、ほぼ必然のように生まれてくる。会計操作の中にはもちろん、いくつかの会計政策の中の選択が許されているときに、合法的になんらかの操作的選択をすることが含まれる。しかし極め付きは、粉飾して過大な利益計上をすることであり(ワールドコム)、あるいは債務を、疑わしい取引を繰り返して簿外とすることであろう(エンロン)。違法行為である。

 昔から洋の東西を問わず会計操作が合法・非合法ともに存在してきたことは、周知の事実といっていい。そしてその手口も、よく言われるように、基本的には三つだけである。利益を増やすか移す(将来の利益を現在、計上してしまうこと)、債務を少なく見せる、税金の支払いを少なくする。ワールドコムの場合、これまで伝えられているところでは、本来は毎年の費用として計上すべき設備関連の費用(たとえばメンテナンス)などを資産計上することによって利益を水増ししていたという。会計操作の手口としてはじつに単純で、かなりの確率で問題化することが予想できそうな手口であった。

 その発覚の危険の大きさを考えると、そんな単純な手口を使っても公表利益数字をお化粧したいだけの強い動機があった、と理解すべきであろう。それだけ、株価というものに強く依存する、あるいは経営者自身が過大なほどの利害を持つような状況が生まれていたのである。

◆ワールドコムとGEの共通点

しかしそれを、ワールドコムやエンロンだけの特殊な悪質な事件、と果たして言えるだろうか。三つの特徴(株価を武器にした成長、経営者の利害、会計操作)は、多かれ少なかれ90年代アメリカの企業成長パターンの多くに共通するのではないか。そして、その背後には、株式市場至上主義、あるいは時価総額至上主義とでもいうべき、企業経営の基本的スタンスがあるのではないか。

 株価が成長の武器になり、経営者が株価に巨大な利害を持つとき、かなりの確率でエンロンやワールドコムのような事件が起きてしまう論理必然の部分があるのではないか。

 たとえば、20世紀のもっとも見事な経営の一つともてはやされることの多いジャック・ウェルチ率いたGEの経営も、三つの特徴を(もちろん事件化するような規模ではないが)持っている。GEは80年代の半ばから、事業の売却・買収を繰り返して成長してきた。

 昔は電機の会社だったGEが今は利益の4割をGEキャピタルという金融子会社で挙げているという、金融業中心の会社に変わってしまっている。その背後で、株価を武器とした買収が行われている。経営者が株価に大きな利害を持っているのは、ストックオプションの大きさからも察せられる。GEが、適法の範囲内かもしれないが会計操作をしているのではないかという疑いはエンロン事件以来、表面的にも語られるようになっている。

 もちろん、立派な経営をしているGEをワールドコムと同列に扱うのは間違いである。しかし、二つの企業の背後にある共通の本質は、じつは90年代のアメリカ型経営の特徴の一部でもあるのである。そこに危険を感じる必要がある。

 その危険の象徴が、私にはストックオプションに見える。私は2000年12月に出版した拙著『日本型コーポレートガバナンス』(日本経済新聞社)の中で「ストックオプションの怪」という項を書き、当時新しい経営手法として話題になっていたこの手法に根本的な疑問を提示した。

 疑問の根幹は二つある。
 一つは、オプションを行使する経営幹部が受け取る現金は、企業自身が儲けた金額から支払われているのではなく、オプション行使で売却した株式を新たに買う新規の株主から支払われていることである。企業からすれば、いわば他人の財布をあてにして経営幹部に報酬を与えている。儲けたものから分配するというインセンティブの原理に反する。

 第二の疑問は、経営者によるさまざまな株価維持工作やインサイダー取引など、疑惑の行動を経営者が取る動機をつくってしまっていることである。

 それほどまでに株価を経営の中心に据える意味があるのか。それが、もっとも根本的な疑問である。

 たしかに、株価は株式市場の専門家集団が企業経営を採点しているというスコアカードの意味がありうる。その点で、株価を重視することには私も賛成である。

 しかし、それを経営の中心に据え、企業経営の目的は時価総額を最大にすることだと言っていいほど信用できるものなのか。私の答えはノーである。

 株式市場は長期投資の人も短期投機の人も同じように扱われて参加している市場で、しかも短期売買を繰り返す投機的投資家が圧倒的に多いのが現状である。しかも、企業側からの操作の余地もかなりある。投機と操作の交差点にもなりかねない市場で形成される価格が株価なのである。その平明な事実を素朴に見つめれば、株価を重視しても中心には置かない、という立場が十分ありうることはすぐにわかるだろう。

 ワールドコムの事件が象徴しているのは、株式市場中心のコーポレートガバナンスの決定的な弱点である。


(私のコメント)
ライブドアの株式のストップ安が今日も止まりませんが、ライブドアの個人株主は売りたくても売れない状況が続いている。株の事をよく知っている機関投資家が手を出さない銘柄で、個人株主の割合が非常に多いのですが、証券取引監視委員会はもっと早く動いていれば個人株主の被害は少なくて済んだだろう。

ホリエモンがテレビに出まくってテレビは彼を時代の寵児にしましたが、個人株主に有名人になる事で信用させてライブドアの株を買わせる手段だったのだ。テレビは視聴率の稼げるタレントを絶えず求めているから、ホリエモンも絶好のタレントとして扱った。それがライブドアの人気を高める手段になった。

このようにテレビに出続けることで視聴者たちは催眠術にかかったようにホリエモンを信用するようになる。それは小泉首相と同じやり方であり夕方のニュースの時間には小泉首相の一言コメントがテレビニュースで流される。そのことが小泉首相の人気を高めて支持率を上げる手段になっている。

しかし誰もがテレビに出ればホリエモンや小泉首相のように人気者になれるわけではなく、タレント性が無ければ逆にテレビに出れば出るほど悪者になるヒューザーの小嶋社長や森元総理や亀井元政調会長のような例もある。テレビコマーシャルも沢山流す事で社会的信用が増していくが、これも一種の洗脳手段なのだ。

昨日もアリコなどの外資系保険会社のことを書きましたが、テレビコマーシャルを流し続ける事で視聴者は外資系保険会社を信用するようになりますが、テレビは決して負の部分の事は知らせない。流すとすれば今度のような事件が表ざたになった時にはじめて真実が報道される。

エンロンやワールドコムなどの破綻もITバブルがはじけて始めて表ざたになりましたが、IT革命がアメリカの企業を恒久的な繁栄を保証するかのような幻想を振りまきました。株価が上がり続ければ企業の不正は表ざたにならずに済んだのでしょうが、不正な会計操作で株を上げ続けて、不正がほころび始めると世界的大企業もあっという間に破綻した。

ライブドアも株価操作で時価総額を膨らませてきましたが、いつまでも続けられるわけは無く、不正な取引がばれて破局するのはエンロンやワールドコムと同じだ。株価を維持するためには会計の不正な操作は欠かせなくなり、最初は合法的な手段でも出来た事も、次第に違法な手段になるまで続けざるを得なくなる。

ライブドアについては去年の3月頃にいろいろ書いてきたので改めては書きませんが、司法までもがライブドアのやり方を追認してきた事も見逃せない。ニッポン放送の株式を場外取引で行なった行為にたいして事前合意が無いとして適法だと地裁は判断したが、今回の捜索で新しい事実も出てくるだろう。
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu90.htm


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