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□三井物産 若手社員大ブーイング [ゲンダイ]
http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=25158
【この会社の人と事件】
2006年3月9日掲載
三井物産 若手社員大ブーイング
「成果主義」から「年功序列」へ突然の変更
「これじゃニンジンをぶら下げておいて、イザとなったら食べさせないのと一緒だ」「会社は約束通り“成果”をよこせ」――。
三井物産の若手・中堅社員から大ブーイングが起きている。入社10年未満の社員に対して、成果に応じて報酬が決まる「成果主義」から突如、以前の「年功序列型」の賃金体系に戻すと経営側が言い出したからだ。
「物産は99年以降、入社４年目から事実上の成果主義に基づく賃金体系を導入しました。表向きは、一人ひとりが収益目標を立て、それを基に評価するというシステムですが、本音は人件費圧縮です。未曽有の金融・デフレ不況下では、業績の急回復は望むべくもない。当然、人件費は下がるはずだった。ところが、最高益を出す事態になっている。本当に成果主義に基づいて給料を払うと、とんでもない金額になり、人事部が大慌てで年功序列に戻すと言い出したようです」(業界関係者)
成果主義の弊害が、多くの企業で目立ち始めたのは事実。三井物産でも評価次第で給料が乱高下するため、「管理職への露骨なゴマすり合戦が社内のあちこちで見られた」(30代社員)という。少ないパイを取り合うライバルが隣にいるために、「足の引っ張り合いは日常茶飯事」(別の30代社員)だった。
経営者側は、そうした弊害の是正を狙った側面もあるようだが、成果主義対象の現役の社員は「払うものを払ってから制度を変えろ」と、怒り心頭だ。
「経営陣は“人の三井”とか、いまさらのように言い始め、独身寮の復活をマスコミにアピールしていますが、若手社員に言わせれば『馬鹿にするな』です。新人を大事にする前に、苦しい時に頑張った我々に儲けを還元しろという不満が高まっています」(ある社員)
三井物産広報は「年功序列型への変更は給与抑制が目的ではありません。人材の長期育成が狙いです」と言う。
今回の「成果主義」から「年功序列」への転換。ちょっと露骨だったのではないか。【上村覚】
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